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猫ちゃんあやまる
しおりを挟む「急に出ていってごめんなさい」
「……いい」
澪が部屋に戻ると慶斗は澪が出ていった時のままそこにいた。
「とりあえずご飯を食べたほうがいい」
「はい」
澪は慶斗が用意してくれたご飯を大人しく食べ始めた。
「今日は初夜の儀式が済んだから家族に挨拶をする」
実は澪は未だに慶斗の両親にも会っていなかった。
狼種の風習なのか、結婚前は会ってはいけないらしい。澪はもとからストーカーしていたから慶斗をしっているが、本来は結婚するその日まで夫婦すら顔を合わせないらしいのだ。
「母さんは少し怖いかもしれないが、仲良くしてやってほしい」
「はい!」
澪の両親はもう亡くなっているので、お母さん、という存在ができるのは嬉しかった。
澪がにこにこしていると慶斗は澪の頭を優しく撫でてくれた。
「はひゅっ…」
いきなりのなでなでに危うく息の根が止まりそうになるのをなんとか耐える。
「お前はいい子だな」
「あ、ありがとう…ございましゅ」
「…母さんに何を言われても気にしないように」
「…?はい」
澪はこてんと首を傾げてから頷いた。
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