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逃がさない×逃げたい 2
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春はもう向かう場所を決めていた。
縁切寺だ。
縁切寺に駆け込めばあの男でも春を取り返すことはできないだろう。
春は一直線に縁切寺に向かった。
そのころ、祐紀の家のものは仕事を終え城から降りてきた祐紀に母の来訪と春が出かけたことを報告していた。
「母が…?それより、はるが出かけたって…」
ただ出かけただけのはずがあるまい。
母をうまく丸め込んで祐紀から逃げたのだ。
春はどこに行ったか。
「…春はどんな荷物を持っていた」
「え?えっと…随分たくさん荷物をもってらしたよ。しかもこう…ずっしり重そうな」
なら、春の実家ではない。
実家なら着の身着のままで行くはずだ。持っていくにしても本当に大事なものだけ持っていくだろう。
実家でないなら、どこにいくのか。
春が頼りにできるところなどそうそうない。それこそ神頼みぐらいしかできないだろう。
「…神」
「はい?」
祐紀の中に最悪な答えが浮かんだ。
縁切寺。
賢い春はそこに行ったに違いない。
そこに行けさえすれば春は祐紀から逃げおおせることができる。
「馬を出せ!」
「は、はい!」
にがさない。
やっと自分のものにできたのに、今更手放すわけがない。
祐紀は縁切寺に馬を走らせた。
春が出かけた時刻を考えると馬を走らせても間に合うかはわからない。
祐紀はこれまでになく焦った様子で馬を急かした。
縁切寺だ。
縁切寺に駆け込めばあの男でも春を取り返すことはできないだろう。
春は一直線に縁切寺に向かった。
そのころ、祐紀の家のものは仕事を終え城から降りてきた祐紀に母の来訪と春が出かけたことを報告していた。
「母が…?それより、はるが出かけたって…」
ただ出かけただけのはずがあるまい。
母をうまく丸め込んで祐紀から逃げたのだ。
春はどこに行ったか。
「…春はどんな荷物を持っていた」
「え?えっと…随分たくさん荷物をもってらしたよ。しかもこう…ずっしり重そうな」
なら、春の実家ではない。
実家なら着の身着のままで行くはずだ。持っていくにしても本当に大事なものだけ持っていくだろう。
実家でないなら、どこにいくのか。
春が頼りにできるところなどそうそうない。それこそ神頼みぐらいしかできないだろう。
「…神」
「はい?」
祐紀の中に最悪な答えが浮かんだ。
縁切寺。
賢い春はそこに行ったに違いない。
そこに行けさえすれば春は祐紀から逃げおおせることができる。
「馬を出せ!」
「は、はい!」
にがさない。
やっと自分のものにできたのに、今更手放すわけがない。
祐紀は縁切寺に馬を走らせた。
春が出かけた時刻を考えると馬を走らせても間に合うかはわからない。
祐紀はこれまでになく焦った様子で馬を急かした。
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