隠しキャラに転生したけど監禁なんて聞いてない!

かとらり。

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魔法なんて使えませんが!?

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 次の日


 僕は何故か謁見の間にいた。

「父上と母上に言ってみたら調べてくれるそうです」

 ミカエルはにこにこしてたが、父上と母上って現国王と王妃だよね!?

 僕はびくびくして謁見の間に入ったのだが、国王と王妃は存外フレンドリーな感じで受け入れてくれた。

「あらーあなたがアザゼアちゃんの弟さん?可愛いわねぇ」
「いい嫁をもらったな…ミカエル」

 これがファーストコンタクト。

 なんなら膝に座らせようとしてきた。
 流石に断ったけど。

 その後アザゼアなど、ミカエルが呼んだ人がぞろぞろ入ってきた。

 ということで、いまこの空間にはアザゼアとマリウス、ミカエルとレイとフィリップ…そして国王と王妃が集まっていた。

「アザゼア、ユキの身体の魔法陣について知ってます?」
「多分それは、父様と母様が付けたものよ」

 父様と母様?
 なんでそんなこと?

「ユキの魔法が生まれたばかりのころ暴走したことがあったらしいの」

 え、そんなことあったけ?記憶にないけど。
 もしかしたら僕が意識を持つ前の、本当に生まれたばかりの頃ってこと?

「だから魔力を封じる魔法陣を張ったって…ユキがいた部屋にも同じような魔法陣が張られてたわ」
「マリウス、ユキの魔法陣は解けますか?」
「まぁ、ぱっと見できそうだけど…」

 ちょっと待ってよ。こわいよ。暴走したらどうするの。
 みんなが僕を見てくる。
 さながら実験用マウスの気分だ。

「試しにやってみたらどうだ?ちょうどここにはマリウス含め魔法に秀でたやつがたくさんいるし大丈夫だろ」
「……わからない。母様と父様が全力で止めてやっとだったらしいのよ。生まれたばかりでそれなら、成長した今は…」

 部屋の魔法陣ももしもの時に僕を入れるようにもともと両親が作っておいていたらしい。

 しかし、たびたび僕が壊してしまうのをジオルドがその度に直し今では神獣も封じれるほど強い魔法陣が張られいる。とアザゼアは言った。

 え、神獣?僕獣扱い?

「どうりでジオルドは魔法陣を張るのが上手いわけだ…」
「7歳ぐらいの時から作り続けてるわけだからね…」

「でも大丈夫よ、王宮にも魔法陣は張ってあるの。一定以上の魔力は封じるようになってるわ。だから…ね」

 王妃様が僕に魔力を使うように促す。

「僕、魔法の使い方知らない…」

「大丈夫よ、ユキ。なんかこう力をいれてぶわーってすればできるから」

 アザゼアが感覚に全振りしたアドバイスをくれた。

「じゃあ、とりあえず魔法陣を解くよ」

 マリウスが僕に近づき背中のあたりに手をかざした。
 ぼそぼそっと何か呟くと、あの時みたいにバチッとした痛みが走る。

「…解けたよ」

「ユキ、ユキなら上手くできるわ」

 アザゼアが手を繋いで励ましてくれる。うぅ、ほんとにいい子だ…

 とりあえずダメ元でやってみる。

(力を入れて…ぶわーっ?)

 僕がそうやって力んだ瞬間…






 特に何も起こらなかった。
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