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僕のそばにいて!
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レイには腹違いの兄がいる。
しかし、その兄の母親の身分が低いためレイの兄ではなくレイに家を継いで欲しいというものが一定数いる。
レイは兄と争うのも家が分裂するのも嫌だった。
レイの家は騎士団長になったものが家も継ぐ、という伝統があるから、騎士団にさえ入らなければ実質レイは家を継ぐ資格はなくなる。
だからレイは騎士団に入りたくなかったのだ。
「ねぇ、レイが騎士団に入らないんだったらずっと僕のそばにいてくれない?」
「え?」
この悩みはゲームではアザゼアの夫兼専属騎士になることで解決された。
え、それニートじゃね?と僕は思ったけど貴族は仕事しなくてもお金が入ってくるから大丈夫らしい。
ということで、とりあえず僕も同じ方法を取ることにした。
「レイ、僕の専属騎士になってよ」
「ちょっとユキ、いきなり何を言ってるんですか?」
「僕、レイのこと好きになった。レイと一緒にいたいの、ダメ?」
僕はレイに抱きついてうるうるした目でミカエルを見つめた。
「うぐ…かわいい顔してもダメです。レイはものじゃないんですから、欲しいからといって簡単に貰えないんですよ」
「いいよ」
「え?」
レイは僕をぎゅっと抱きしめ返した。
「この子かわいいもん。国のためにむさい男と剣振り回すよりこの子を守ってあげるほうがいい」
「でもレイの父上が」
「いいの。だってこの子お前と結婚するんでしょ?皇子妃の護衛なら許してくれるって」
「え?」
「ちがうの?」
なんで僕ミカエルと結婚することになってるの?
僕男の子なんですが。
いや、男でも妊娠させられるって言ってたからそこんとこ問題ないのか?
小声でミカエルに聞いてみる。
「ねぇ、ミカエル。僕たち結婚するの?」
「あなたが望むなら…ちゃんと責任とりますよ」
(あっ…責任!)
そういえばそんなこと言った。
僕の意図としては老後まで面倒見てねって感じだったんだけど…
王子の嫁(?)なんて規模デカすぎて想像もできないんだけど。僕男だし。
どう頑張っても僕がミカエルの子供産んで家庭を築く未来が見えてこない。
でももしかしてなんか引き返せない感じになってる?
いやでも男と結婚なんて、あり得るのか?
「じゃあ僕父上に言っとくね。ユキの専属騎士になるって」
僕がぼーっとしてるうちに、レイはもう一度僕をぎゅうっと抱きしめて走り去ってしまった。
それから僕はミカエルのことを考えてみた。
別に嫌いではないけど、結婚するほど好きではない。出会って一日だし。
セックスは自分が受け入れる側なことには不満があるけど気持ち良かったのは事実。
頭が溶けそうなほどのあの快楽はすこし怖くもあるけど…
考えてみれば貴族や王族の結婚の最低条件は子供を産んで血を絶やさないこと。
端的に言えば子作りさえできればいいわけだ。
じゃあ別にミカエルと結婚してもいいのでは?
という結論に達した。
(うん、ほかに僕と結婚してくれそうな人もいないし…)
あれ、結婚ってこんなに簡単に決めるもんだっけ?まぁいっか。
しかし、その兄の母親の身分が低いためレイの兄ではなくレイに家を継いで欲しいというものが一定数いる。
レイは兄と争うのも家が分裂するのも嫌だった。
レイの家は騎士団長になったものが家も継ぐ、という伝統があるから、騎士団にさえ入らなければ実質レイは家を継ぐ資格はなくなる。
だからレイは騎士団に入りたくなかったのだ。
「ねぇ、レイが騎士団に入らないんだったらずっと僕のそばにいてくれない?」
「え?」
この悩みはゲームではアザゼアの夫兼専属騎士になることで解決された。
え、それニートじゃね?と僕は思ったけど貴族は仕事しなくてもお金が入ってくるから大丈夫らしい。
ということで、とりあえず僕も同じ方法を取ることにした。
「レイ、僕の専属騎士になってよ」
「ちょっとユキ、いきなり何を言ってるんですか?」
「僕、レイのこと好きになった。レイと一緒にいたいの、ダメ?」
僕はレイに抱きついてうるうるした目でミカエルを見つめた。
「うぐ…かわいい顔してもダメです。レイはものじゃないんですから、欲しいからといって簡単に貰えないんですよ」
「いいよ」
「え?」
レイは僕をぎゅっと抱きしめ返した。
「この子かわいいもん。国のためにむさい男と剣振り回すよりこの子を守ってあげるほうがいい」
「でもレイの父上が」
「いいの。だってこの子お前と結婚するんでしょ?皇子妃の護衛なら許してくれるって」
「え?」
「ちがうの?」
なんで僕ミカエルと結婚することになってるの?
僕男の子なんですが。
いや、男でも妊娠させられるって言ってたからそこんとこ問題ないのか?
小声でミカエルに聞いてみる。
「ねぇ、ミカエル。僕たち結婚するの?」
「あなたが望むなら…ちゃんと責任とりますよ」
(あっ…責任!)
そういえばそんなこと言った。
僕の意図としては老後まで面倒見てねって感じだったんだけど…
王子の嫁(?)なんて規模デカすぎて想像もできないんだけど。僕男だし。
どう頑張っても僕がミカエルの子供産んで家庭を築く未来が見えてこない。
でももしかしてなんか引き返せない感じになってる?
いやでも男と結婚なんて、あり得るのか?
「じゃあ僕父上に言っとくね。ユキの専属騎士になるって」
僕がぼーっとしてるうちに、レイはもう一度僕をぎゅうっと抱きしめて走り去ってしまった。
それから僕はミカエルのことを考えてみた。
別に嫌いではないけど、結婚するほど好きではない。出会って一日だし。
セックスは自分が受け入れる側なことには不満があるけど気持ち良かったのは事実。
頭が溶けそうなほどのあの快楽はすこし怖くもあるけど…
考えてみれば貴族や王族の結婚の最低条件は子供を産んで血を絶やさないこと。
端的に言えば子作りさえできればいいわけだ。
じゃあ別にミカエルと結婚してもいいのでは?
という結論に達した。
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あれ、結婚ってこんなに簡単に決めるもんだっけ?まぁいっか。
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