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動揺

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 それから真緒と静は何度かそういうことをした。

 挿れることはしなかったけど、戯れと表すには行き過ぎた行為だとは二人ともわかっていた。
 でも止めることはなかった。




 その日、いつものように颯凛が部屋に来た。

 いつものように疲れてて、なのに目はギラギラと不気味に光っていた。

「颯凛…?」
「真緒、俺に言うことない?」
「え…」

 颯凛は微笑んでいるけど、目は全く笑ってない。

「なんのこと…?」

 真緒がそう言うと、颯凛が真緒の首輪をぐいっと引っ張った。

「う、わっ…」
「ねぇ、真緒…俺、ビッチは嫌いだけど、嘘つきはもっと嫌いなんだよ」

 痛いほど首輪を引っ張られて首が絞まって息ができない。

「今言ったら許してあげる」

 たぶん、颯凛は静とのことを言っているんだと、わかった。

「嘘っ…絶対に怒るじゃん」
「じゃあ、なんで俺に怒られるようなことしたの?」

 もう颯凛は形だけの笑みさえ浮かべていなかった。
 初めて会った時の颯凛よりも今の方がもっと怖かった。

「ご、ごめんなさい…」
「謝って済むと思ってるの?」

 甘やかしてばっかで、躾が足りなかったみたいだね、と颯凛がおもむろに出したのは、ここに連れてこられたときに使われたアナルバイブだった。

「っ…それやだっ」
「嫌だから使うんだよ」

 颯凛は真緒の手足を拘束して適当に慣らしただけのナカにバイブを突っ込んだ。

「あぁぁ!!う、やだ、やだぁ!!」
「反省するまで外さないから」
「うぁ…なに、それ…」

 颯凛はシルバーのリングを真緒のペニスの根元にはめた。

「真緒はすぐ気持ちよくなっちゃうから、射精管理」
「う、はずして…はずしてよぉ」

 久しぶりの折檻に真緒は簡単に泣き出してしまう。

「泣くな」

 颯凛はそう言うだけで涙を拭ってくれることはない。

「泣きたいのはこっちのほうだっての…」

 その言葉に驚いて真緒が颯凛を見ると颯凛は悲しそうな顔をしてた。

 でも、その顔を見れたのは一瞬で颯凛は真緒に背を向けて部屋から出て行ってしまった。

「そん、りぇん…う、ふぁ」

 バイブが震え真緒の身体中に快感が駆け巡る。

 それでも根本を締め付けるリングのせいでイくことはできない。

 甘くて苦しい時間の中、ずっと真緒の頭の中にあったのは、傷ついたようなあの颯凛の顔だった。
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