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絶望
しおりを挟む真緒が目覚めると部屋に一人だった。
「っ…いまなら、逃げれる…?」
しかし、真緒の首になにかがついていた。
「…なにこれ、首輪?しかも鎖が…」
真緒は自分から繋がる鎖を辿った。鎖の先はベッドの足に付いていて取れそうにもない。
首輪を外そうともしたが、鍵のかかるものらしく外せなかった。
「っ……もう、やだ」
昨日から我慢してた涙がぽろぽろ溢れてきた。
あんな怖い人に攫われて閉じ込められて、しかもあんなことをされるなんて。
それに抱かれるのも嫌だけど、けど颯凛が真緒を抱くのに飽きたら…?
解放してくれればいいが、臓器を売られたり、バラされなくても誰かに売られるかもしれない。
「やだ、死にたくない……お父さん、お母さん…」
ちょっと前までごく普通の日常の中にいたのに、急に未来の見えない恐ろしい世界に来てしまって、真緒は不安でしかたなかった。
(でも、静って人は優しそう…)
颯凛は恐怖の対象でしかないが、静は真緒にとってはある程度の常識と良心を期待できる存在だった。
「はぁ…」
ひとしきり泣いて、真緒はベッドに沈み込んだ。
腰はズキズキと痛むし、叩かれた尻はヒリヒリしていた。喉もいたい。
(僕、すごい惨めだ…)
でも、なんとかして生きないと。
颯凛とセックスするのは嫌だけど、それをしないと殺されるんだから仕方ない。
静は真緒を助けてくれそうだから、颯凛をなるべく怒らせないように静に颯凛のことを聞いておこう。
真緒はまだ疲れている体を休めるために再び眠りについた。
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