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Another story カイトside
三話
しおりを挟む森を出て、僕は国中を回った。
森のすぐそばの村は魔獣と人間が共存していたが、それ以外の場所では双方の諍いが絶えないようだった。
これも、元を辿れば自分の父が魔王を倒してしまったから…
そう思うと胸が痛み、また使命感が生まれた。
父なき今、この現状を変えるべきなのは僕なのではないか。
僕は森の近くの村を参考に訪れた場所で魔物と住民が共存できるように仲介した。
魔物は魔力も体力も人間より秀でてるし、人間は賢くて器用だ。
それぞれの長所を生かせば今まで以上にいい暮らしができる。
国中を巡ってはそうしているうちに、一年、二年、三年…と、あっという間に時は過ぎて行った。
六年経つ頃にやっと国中を回ることが出来た。
それからは順番に来た道を戻って行った。
村はどこも前来た時よりも活気付いていて嬉しかった。
「やぁ、カイト。久しぶりだねぇ」
僕のことを覚えていてくれていた人もたくさんいて、なかには
「ねぇ、カイト…カイトに恋人っているの…?」
なんてことを聞いてくる女性もいた。
でも、そんな誘いは全て断った。
僕が向かっている場所はただ一つ。
世界で一番可愛くて、優しくて、純粋で、愛する人がいる森だ。
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