2 / 38
二話 ど、どうしよう
しおりを挟むそもそも、なんで大魔法使いは勇者と戦うことになったんだっけ。
普通に考えたら大魔法使いって味方になるべきじゃない?
そうでなくても魔王側の人間ではないはずだ。
「えっと…たしか」
軽く三十回はリトライした大魔法使い戦を思い出す。
確かここは森の中の塔で、攻略しなきゃ次のステージに進めなくて…
それで塔のなかに入ると大魔法使いが
『いきなり入り込んでくるとは無礼なやつ。まぁよい、ちょうど試作品の使い魔ができたところだ。実験台にしてやるわ』
とか言って喧嘩売ったんだ。
ん?ちょっと待って。
『ちょうど試作品の使い魔ができたところだ』
って言ってたよな。
試作品の使い魔ってのはもしかしなくても、あそこに転がってるやつのことで。
僕は失敗して大魔法使いの体に入っちゃったけど、本来はたぶんアレに入れられてたんだよな…
ってことは、勇者、もうすぐ来るのでは?
(え、え…ど、どうしよ、どうしよう!!)
僕は急に焦り出した。
大魔法使いとはいえ僕は魔法の使い方を知らない。
この大魔法使い、見るからにひょろくて非力だ。
魔法がなかったら勇者にいちころにされてしまう。
どうしようとおろおろと動き回っていたら魔法陣の上に木の棒があるのを見つけた。
「これって、魔法の杖?」
いやもしかしたらただの木の棒かもしれないけど。
でもその杖を拾ってみた。
なにをしたらいいか分からないけど、とりあえず振ってみる。
すると杖の先から光が飛び出して、棚に並んでいた瓶の一つに当たった。
パリンッ
瓶は割れて、中に入っていたスライムみたいなものが出てきてしまう。
「や、やば…でも魔法使えた…」
杖を振ればなんか出てくることが分かったのでひとまず安心だ。
僕は割れた瓶と溢れたスライムを片付けることにした。
瓶の破片を集めて、スライムを捨てようとしたその時、
スライムに手が触れた瞬間、スライムは自ら意志を持ったように僕の手に巻きついた。
2
お気に入りに追加
503
あなたにおすすめの小説
【2話目完結】僕の婚約者は僕を好きすぎる!
ゆずは
BL
僕の婚約者はニールシス。
僕のことが大好きで大好きで仕方ないニール。
僕もニールのことが大好き大好きで大好きで、なんでもいうこと聞いちゃうの。
えへへ。
はやくニールと結婚したいなぁ。
17歳同士のお互いに好きすぎるお話。
事件なんて起きようもない、ただただいちゃらぶするだけのお話。
ちょっと幼い雰囲気のなんでも受け入れちゃうジュリアンと、執着愛が重いニールシスのお話。
_______________
*ひたすらあちこちR18表現入りますので、苦手な方はごめんなさい。
*短めのお話を数話読み切りな感じで掲載します。
*不定期連載で、一つ区切るごとに完結設定します。
*甘えろ重視……なつもりですが、私のえろなので軽いです(笑)
元社畜の俺、異世界で盲愛される!?
彩月野生
BL
「にゃあにゃあ」
「かっわいいなあおまえ~、できれば俺の部屋で飼ってやりたいなあ」
佐原尚輝(三十代後半)は、彼女いない歴年齢の、夢に破れた社畜である。
憂鬱な毎日を過ごしていたが、綺麗な野良猫と出会い、その猫を飼うために仕事に精を出すが、連日のサービス残業と、上司のパワハラに耐えられず会社を辞めてしまう。
猫に別れを告げるが、車道に飛び出た猫を助けようとして、車に轢かれて死んでしまった。
そこに美しい男の神が現れ、尚輝は神によって異世界へと転生し、理想の生活を手にいれることに。
ナオキ=エーベルは家族に愛されて育ち、十八歳になると冒険の旅に出た。
そんなナオキは、ある三人の男(聖者、闇の一族の王、神様)に何故か言い寄られて彼らに翻弄される羽目になる。
恋愛経験のない男が愛を知る物語。
※一人と相思相愛エンド。
※ハッピーエンドです。
(誤字脱字報告はご遠慮下さい・ひとますスルー&脳内保管でお願いいたします)
冤罪で投獄された異世界で、脱獄からスローライフを手に入れろ!
風早 るう
BL
ある日突然異世界へ転移した25歳の青年学人(マナト)は、無実の罪で投獄されてしまう。
物騒な囚人達に囲まれた監獄生活は、平和な日本でサラリーマンをしていたマナトにとって当然過酷だった。
異世界転移したとはいえ、何の魔力もなく、標準的な日本人男性の体格しかないマナトは、囚人達から揶揄われ、性的な嫌がらせまで受ける始末。
失意のどん底に落ちた時、新しい囚人がやって来る。
その飛び抜けて綺麗な顔をした青年、グレイを見た他の囚人達は色めき立ち、彼をモノにしようとちょっかいをかけにいくが、彼はとんでもなく強かった。
とある罪で投獄されたが、仲間思いで弱い者を守ろうとするグレイに助けられ、マナトは急速に彼に惹かれていく。
しかし監獄の外では魔王が復活してしまい、マナトに隠された神秘の力が必要に…。
脱獄から魔王討伐し、異世界でスローライフを目指すお話です。
*異世界もの初挑戦で、かなりのご都合展開です。
*性描写はライトです。
【完結】お嬢様の身代わりで冷酷公爵閣下とのお見合いに参加した僕だけど、公爵閣下は僕を離しません
八神紫音
BL
やりたい放題のわがままお嬢様。そんなお嬢様の付き人……いや、下僕をしている僕は、毎日お嬢様に虐げられる日々。
そんなお嬢様のために、旦那様は王族である公爵閣下との縁談を持ってくるが、それは初めから叶わない縁談。それに気付いたプライドの高いお嬢様は、振られるくらいなら、と僕に女装をしてお嬢様の代わりを果たすよう命令を下す。
母の再婚で魔王が義父になりまして~淫魔なお兄ちゃんに執着溺愛されてます~
トモモト ヨシユキ
BL
母が魔王と再婚したルルシアは、義兄であるアーキライトが大の苦手。しかもどうやら義兄には、嫌われている。
しかし、ある事件をきっかけに義兄から溺愛されるようになり…エブリスタとフジョッシーにも掲載しています。
伴侶設定(♂×♂)は無理なので別れてくれますか?
月歌(ツキウタ)
BL
歩道を歩いていた幼馴染の俺たちの前に、トラックが突っ込んできた。二人とも即死したはずが、目覚めれば俺たちは馴染みあるゲーム世界のアバターに転生していた。ゲーム世界では、伴侶(♂×♂)として活動していたが、現実には流石に無理なので俺たちは別れた方が良くない?
男性妊娠ありの世界
悪役令嬢の兄、閨の講義をする。
猫宮乾
BL
ある日前世の記憶がよみがえり、自分が悪役令嬢の兄だと気づいた僕(フェルナ)。断罪してくる王太子にはなるべく近づかないで過ごすと決め、万が一に備えて語学の勉強に励んでいたら、ある日閨の講義を頼まれる。
転生した悪役第一皇子は第二皇子に思うままにされるが気付かない
くまだった
BL
第一皇子であるおれは前世は子持ち40代だった。なぜかキラキラ銀髪の清廉な美貌を持っているステファン10歳に転生していた。平民を嫌っているとか見下しているとか噂が回って国民人気は低い。第二皇子のレオンハルトは黒髪赤目の逞しくも美形で凛々しい弟だ。剣術の腕も強く、すごく優しい。レオンハルトが王になればいいとおれは思うんだ。だけどそう上手くは行かなくて。弟(執着)→→兄(不憫天然)。兄が暴力を振るわれる、死にかけるなどの描写があります。苦手な方は回避してください。
小説なろうにさんで第二皇子視点先行投稿しています。
感想頂けたら嬉しいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる