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side B08
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四十九日の後くらいから、お互いの家を行き来するようになった。俺の家にエンマが泊まったり、逆だったり。今日はエンマの家。エンマの家に来ると夕食をご馳走してもらえる。餌付けされている。
「普通にご飯炊いたけどよかった?」
「え?逆に他に何あんの?」
「ビーフシチューならパンて人もいるんじゃねーの」
「俺腹に溜まるほうがいい。パンだと食った気しない」
「運動部の男の子って感じだよねほんと。サラダ盛ってくんね?あとご飯自分でよそって」
エンマは四十九日を終えてから落ち着いた。むしろ前より顔つきが穏やかになった。ドンとたっぷりシチューの入ったボウルが置かれる。肉がごろごろ入っている。かなり嬉しい。
「作りすぎくらい作ってもくおんが来るとすぐなくなる」
クールに言うけど口元が笑っている。
「だってうまいからさ。作ろうと思うのがスゴいよ。料理に何時間とか、買うわ」
「そういえばカナエがあの話どうなりましたって」
「あーそういえば、斎藤に言っといたからまず学内メールで連絡しろって言っといて。経済の三年の、上が文で下が示すの斎藤。たぶん一人しかいないと思う。わかんなかったら俺にメールして。下の名前忘れた。ショウだかシュウだか」
「今送っとくわ。経済の三年の上が文で下が示すな」
「てか、カナエくんは合コンなんか組まなくても彼女できそうだけどな」
「あいつ、あんな感じだから何やっても女の子に本気にしてもらえないんだと」
じゃあ合コンでも無理じゃん。いい子なのにな。往々にして、男がいいやつだと思うやつは女の子にはモテない。なぞ。価値基準が違うんだろうな。
もう少しで夏休みも終わり。来週から後期。もう秋だ。また水曜日だけの行き来になるのかと思うと寂しい。
「大変な夏休みだったなあ」
「まあね、最悪だったな」
「一緒に住んじまうか?」
「なんでそうなんの?ダメでしょ」
そう言うと思いました。でもエンマは機嫌が良さそうだった。
「学科選択どうすんの?」
「建築に行こうかなと。カナエも一緒」
「すごい。ちゃんと考えてたんだ。あ、おかわりいい?」
「ちょっとは遠慮しろよ!……まあいいや。夏休み長かったなー。確かに散々だったけど、少しはいいこともあったよ」
「そうなん?」
エンマはまた山盛りのシチューをドンと俺の前に置いて、そう、と笑った。
<to be continued in "practical disguise">
「普通にご飯炊いたけどよかった?」
「え?逆に他に何あんの?」
「ビーフシチューならパンて人もいるんじゃねーの」
「俺腹に溜まるほうがいい。パンだと食った気しない」
「運動部の男の子って感じだよねほんと。サラダ盛ってくんね?あとご飯自分でよそって」
エンマは四十九日を終えてから落ち着いた。むしろ前より顔つきが穏やかになった。ドンとたっぷりシチューの入ったボウルが置かれる。肉がごろごろ入っている。かなり嬉しい。
「作りすぎくらい作ってもくおんが来るとすぐなくなる」
クールに言うけど口元が笑っている。
「だってうまいからさ。作ろうと思うのがスゴいよ。料理に何時間とか、買うわ」
「そういえばカナエがあの話どうなりましたって」
「あーそういえば、斎藤に言っといたからまず学内メールで連絡しろって言っといて。経済の三年の、上が文で下が示すの斎藤。たぶん一人しかいないと思う。わかんなかったら俺にメールして。下の名前忘れた。ショウだかシュウだか」
「今送っとくわ。経済の三年の上が文で下が示すな」
「てか、カナエくんは合コンなんか組まなくても彼女できそうだけどな」
「あいつ、あんな感じだから何やっても女の子に本気にしてもらえないんだと」
じゃあ合コンでも無理じゃん。いい子なのにな。往々にして、男がいいやつだと思うやつは女の子にはモテない。なぞ。価値基準が違うんだろうな。
もう少しで夏休みも終わり。来週から後期。もう秋だ。また水曜日だけの行き来になるのかと思うと寂しい。
「大変な夏休みだったなあ」
「まあね、最悪だったな」
「一緒に住んじまうか?」
「なんでそうなんの?ダメでしょ」
そう言うと思いました。でもエンマは機嫌が良さそうだった。
「学科選択どうすんの?」
「建築に行こうかなと。カナエも一緒」
「すごい。ちゃんと考えてたんだ。あ、おかわりいい?」
「ちょっとは遠慮しろよ!……まあいいや。夏休み長かったなー。確かに散々だったけど、少しはいいこともあったよ」
「そうなん?」
エンマはまた山盛りのシチューをドンと俺の前に置いて、そう、と笑った。
<to be continued in "practical disguise">
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