Occupied レプリカント人権保護局

黒遠

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08 デモンストレーション

12 Vesta (特別)

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 やっぱりバルはちょっとおかしい。

 昨日から。何か隠している。気が散ってるだろ? わかるよ。それくらい。

 とにかくこの件を片付けないといけない。俺もめちゃくちゃだ。バルの親友。来月はバルのお父さん。うまくいかない陸軍式格闘術。8体の遺体。そのうちの一体がかなり状態のいいミイラになっている。首無しの遺体。特別。特別………。

 ミイラ。検索してみる。たくさんのミイラがある。一番に出てくるのはエジプトのミイラ。ミイラになるのは身分の高い人だけだ。内臓を抜き、苛性ソーダで遺体を洗い、松脂を詰めて香油を塗り、布で巻く。手をかけてミイラにする。

 次は即身仏。ミイラになるために、宗教家が断食をして体を生きているうちに乾燥させておく。信じられない。本当の話?

 次はアンデスの山頂のミイラ。コカの葉を噛んでトランス状態になったまま凍死した少女たち。寒冷で乾燥した気候の中、自然にミイラになる………。

 8,000メートル級の山々で亡くなった人たちもミイラ化する。細菌が生きられないから腐敗しない。

 ミイラ。もし作為的にミイラにしたのなら。憎くて仕方ないやつをミイラにするかな? しないよね。どちらかというと、そばに置いておきたかったからじゃないのかな。少なくとも、遺体がただ朽ちていくのは嫌だったはずだ。じゃあ首は? 遺体を残したかったと仮定する。首は、もしそうなら残したいものの最たるものじゃないか。もしかしたら、まだ犯人が持っているんじゃないかな。彼女の首を。どうだったらそんなことができる? 彼女の首はどこにある?





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