Occupied レプリカント人権保護局

黒遠

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07 ドミニオン

15 Baltroy (パズル)

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「バル、特等席だよ」
「うーん、職権濫用……」

 ヴェスタははじめてのライブで見るからに楽しそうにしている。俺が客席はちょっと、と言ったら、ドミニオンは舞台袖の、普段はテンマがいるブースに俺たち2人を招待してくれた。もちろん今日もテンマもいる。何しろ最終日だ。西海岸から始まったツアーも、今日のこのライブで終わる。

 結局、あの仮面の男はミハイルがドミニオンあてのメールを物色して、盲目的なファンの何人かに匿名で声を掛け、ひっかかった一人だった。ボットから毎時届く不気味なメールを見て思いついた茶番劇。ヴェスタの推理通り、ホテルの部屋に届けられたカードのメッセージはミハイルの指示。

 スペシャルルームに来た時は、仮面の男は控え室にいるSPを脅かすように言われていたらしい。捕まった時もヴェスタだけをボコボコにする予定。ヴェスタがドミニオンの彼氏になりたがっていると聞かされていたから、ドミニオンの前であの女男(ヴェスタ)が頼りにならないことを見せつけてやるつもりだった、とのこと。

 ミハイルにとって、自分を差し置いて依頼人を護衛する俺とヴェスタは目の上のたんこぶだったようだ。

「あなたたち、ドミニオンのファンだったの?」
「C571098rpは前から聴いてましたよ」

「みんな、今日もありがとう! 愛してるよ!」

 スピーカーからドミニオンの声が聞こえる。照明が切り替わる。ライブの始まり。ヴェスタは目をきらきらさせて、ブースの縁から身を乗り出すようにして見ている。

 こんなに好きだったか? 思い入れもできたのかもしれない。この一週間、ずっと一緒だったんだから。俺はそれほどでもないので、ブースの奥からヴェスタの細い背中を見ていた。テンマもだ。

「……テンマさん。あなた、SPの誰かが何かしてるって最初からわかってたんじゃないですか?」
「どうしてそう思うの?」
「俺たちを期待してないと言いながら常駐させたでしょう。部外者にSPたちを見張って欲しかったんでしょう?」
「そうね。実の所、SPは信用してないの。ちょっと嫌な思い出があって」
「ドミニオンがヒューマンの男性嫌いになった件ですか」
「………そう。最初は……あの子は売れはじめは安ホテルを使わされたの。誰の身分確認もしないような。一応SPはついたけど、ひどい派遣会社でね。あの子のオーナーのプロデューサーが、他人から見えない部分にはあの子にお金を掛けたがらなかったから………」

 いくら売れっ子でもレプリカントだから。SPも彼女を大切にしなかった。誰も彼女を大切にしなかった。

「私はあの子の隣の部屋にいたの。安普請のホテルで、隣の部屋の音なんて丸聞こえだった。あの子がSPたちから酷い目に合わされてるのがわかった。示し合わせたんでしょうね、非番の奴らまで来てた」
「…………」
「私は何もしなかった。彼女はレプリカントだから。それに芸能界だから。こんなことはあり得る。騒ぎになった方が面倒。彼女の泣き声を聞きながら、ただ終わるのを待ってた」

 一曲目が終わった。歓声。舞台が切り替わる。ヴェスタが夢中で拍手している。

「男たちが出て行ってから彼女の部屋を覗きにいったの。恐る恐るね。彼女は本当にぼろぼろだったけど、自分で後始末をしてた。私が、『大丈夫?』って声を掛けたら、彼女は近くにあった彼女のブリングを投げつけてきた。『死ね』って言われた。それ以来、私も彼女には信用してもらってない」
「………そりゃそうだろ」
「懺悔。私もその件は後悔してる。あの子がフラッシュバックやプレッシャーや色んなことで、眠れてないのも知ってる。何か罪滅ぼしがしたくて、彼女のホテルはセキュリティがいいところ、SPも評判がいいところを必死に探した。プロデューサーにもそういうところを使わせて欲しいって必死で頼んだ。もう彼女は使い捨てにできないところまで来てるんだからって。
 それでもこんなことが起こってしまった。………こんな情報、流出させられるのはSPくらいだと思った。信じたくなかった。このシークレットサービスでなければ、どこなら信頼できるの……」

 それでレプリカント人権保護局に通報した。

「次は6月13日にリリースされた新曲だよ!」

 同情はできない。最初から大切にするべきなんだ。大切なら。壊してからそんなつもりじゃなかったって言っても遅い。

 そっとヴェスタに近づいて隣から舞台を見上げる。ドミニオンは派手な化粧をして、銀色の衣装で歌い出す。ダンスもする。すごいな。練習はいつやってたんだ?

「大したもんだな」
「ほんと。すごいね」

 舞台の上は別世界だ。誰かのイメージを纏った彼女。壊すことは許されない。あの細い体で、どれだけのことを堪えて来たんだろうか。

 あっという間に2時間のライブが終わる。15曲歌いっぱなし。ぱっとドミニオンの背景のプロジェクションが切り替わる。照明が抑え気味になって、文字がエンドロールのように流れる。プロデューサー、総指揮、演出、メイク、照明、衣装、………スタッフたちの名前が現れては消える。

「最後に………このツアーで感謝したい人たちがいます。ライブに来てくれたみんな、いつも応援してくれるファンの人たちにはいつも感謝してる! スタッフにもね。本当にありがとう」

 スペシャルサンクス、と大きく文字が浮かび、その文字と入れ替わるように一枚の画像と文字が白く現れた。いつ撮ったのか、ドミニオンとヴェスタがペアの人形みたいな服で並んで笑い合っている画像。

「VESTA & BAL」
「……え」

 ヴェスタが目を丸くした。

「ありがとう! またね!」

 ドミニオンが退場する。全ての照明が落ちる。おしまい。割れるような拍手の波が次第に収まり、ざわざわと観客たちが引いていく。

「……お前聞いてたか? てか俺の名前を……」
「聞いてなかった」

 ヴェスタは本当に驚いているみたいだった。息を弾ませたドミニオンがブースに顔を出した。

「ふふ。見た? プロジェクション担当にお願いしたんだ。入れてって」
「……そんな……仕事だし」
「つづりは合ってたでしょ? じゃ、あたし着替えるから」

 そして一度ブースから出かけて、また振り返った。

「バル、あんたはおまけだから!」
「わかってますよ」
 




 翌日は移動日だった。ドミニオンは本拠地に帰る。俺たちはこれで護衛の任務完了となる。ホテルの屋上のエアランナーポート。ライトが点灯した大型のエアランナー。SPたちとテンマが乗り込むのを見送る。ドミニオンはなかなか乗り込もうとしない。またノーメイクで、ツアーが終わったためか柔らかい顔をしていた。

「じゃあね、ヴェスタ。ねえ、来月またこの街に戻ってきて打ち上げのパーティをするんだよ。招待するから来てね」
「うん。ドミも元気で」
「また連絡するね」

 そしてドミニオンは、ヴェスタの耳に何かを囁いた。

「そんな! そんなこと……」
「いいんだよ。その分会社がお金払ってるんだから! 気にしないで」
「ドミ、時間よ」

 ドミはぱっとヴェスタから離れてエアランナーに飛び乗り、そのまま手を振って空に消えてしまった。

 やれやれ。俺はやっぱりタレントの相手なんか無理だな。同情すべき点は大いにあるとしてもだ。

「バル、あのね、ドミたちはこのホテル、今夜も宿泊で取ってるんだって。出発がチェックアウトの時間に間に合わないから」
「ふーん。豪勢なことだな。一泊何千クレジットだよ」
「だから、ね、あの……今晩、二人で泊まったらって」
「ん?」
「ホテルには話してあるからって」
「………」

 ホテルのフロントに尋ねてみると、確かに承っていると言われた。

「チェックアウトは朝の10時、朝食は6時からレストランでご自由にお召し上がり下さい。お部屋は全てクリーンアップしております。ごゆっくりどうぞ」

 そのまま部屋に通される。六日間いたスイートルーム。ただドミニオンたちだけがいない。

「ものすごい場違い感」
「逆に緊張しちゃうね」

 改めてスイートルームと呼ばれるフロアを歩いてみる。明け方に呼び出された主寝室、書斎、寝室がもう一つ。ゲストルームがもう一部屋。リビング。大きなバスルーム。それとは別にシャワールーム。

「すごいな。自費では一生来ない」

 ヴェスタは一通り部屋を回り終わってリビングから下界を眺めていた。片面が全て透過壁になっている。夏の日は暮れかけて、街が一望できる。ビル群の明かりと夕日が交差する時間。

「申し訳ないな。ドミに」

 ヴェスタがぽつりと言った。

「ドミは、好きな人いたことがないんだって」

 ヴェスタはそれしか言わなかったけど、テンマの話を考え合わせれば、それがどういうことか大体わかった。

「まあ、なるようにしかならないな。別にレプリカントだからって人間を好きになる必要はない……。これどうなってんだ? 高所恐怖症のやつはこっち側に寄れないだろ」
「ふふ」

 ヴェスタが笑ってドアの近くの壁のスイッチを入れた。透過壁にみるみる色がつき、カラフルなモザイクになった。

「いろんなパターンが選べるみたい! 全面スクリーンにもなるよ。すごいね」
「映画でも観るか。やることもないし。まず飯食いに行こう」
「うん」

 二人で街に出る。適当に食べてまたホテルに戻る。ホテルは街のど真ん中にあって、局からも家からも少し離れているから、同じ街の中でもちょっと目先が変わる。

「旅行に来たみたい」
「………」

 エメラルドグリーンの髪を撫でる。こんな時すまないと思う。俺が普通のヒューマンだったらどこでも一緒に行けるしどこにでも泊まれるのにな。

「お風呂! バスタブ見た? すごく大きいよ! 一緒に入ろう」

 ヴェスタはとにかく嬉しそうだ。まあ、こいつがこの一週間頑張ったご褒美だからな。良かった。
 窓をスクリーンにしてみる。最新の映画も見られるようになっていた。ヴェスタが好きそうなやつを流す。あのドミだけがどかんと座っていた高級ソファに座って眺めていると、ヴェスタも隣に座って俺の肩に頭をもたせかけながら映画を見出した。緑の髪と、力の抜けた温かい体。

 久しぶりだ。二人きりが。やっぱり間借りしてる感じだったし、SPが3人もいるせいでいつも人の気配がして落ち着かなかった。あれじゃあドミニオンじゃなくても眠れないよな。

 ヴェスタがえらく静かなので、ちょっと顔を覗き込んでみたらすやすやと眠っていた。ヴェスタも気を張っていたんだろう。時計を見る。十時半。

「ヴェスタ」

 起きる気配はない。抱き上げてからはたと気づいた。どこで寝りゃいいんだ? 昨日まで寝てたゲストルーム? ヴェスタの顔を見る。せっかくだからな。

 主寝室のキングサイズのベッドにヴェスタをそっと寝かせた。動かしてもちっとも起きない。やれやれ。隣に寝っ転がってその顔を眺める。かわいい顔。この顔で積極的・・・だからたまらねえよな。

 こないだは縛り上げられたと思ったら跨がって来たから驚いた。あれはエロかったな。ただヴェスタの肌にさわれないからほんとにその点生殺しだった。しかも言うからな。バル……触って・・・・・・・。肌がいいんだよ。触り心地もいいし、触ってると髪が反応するんだ。それが見たくて………。

 ヴェスタのほおに触れる。滑らかな白い肌。目を開けないかな、と思う。本音を言えば叩き起こして服をひん剥いて思いっきりぶち込みたい。

 でもヴェスタは子どもみたいに安心して寝息を立てている。おいおい、お前の隣に寝てるやつははらぺこの狼なんだ。まるであの夜みたいだ。アラスターの家にお前が行ってしまう前の夜。

 あの夜、お前は泣き疲れたのか、気持ちがパンクしてしまったのかわからないけど、わりとすぐに眠ってしまった。俺は眠れなくて、心臓がちりちり削られるような気がしながら、お前の天使みたいな寝顔を見てた。


 ──俺のこと好き? もっと具体的にならない?


 そんなの。すぐに本当は思い浮かんだ。

 いつも一生懸命だから。何に対しても真摯だから。頭もいい。溢れる感情。度胸がある。無謀ってくらいの。見た目も好きだ。俺は見た目の好みなんてあってないようなもんだけど、お前のことはほんとに綺麗だと思う。最初は気がつかなかったけどな。

 最初は何も気がつかなかった。お前の品定めばかりしてた。お前の髪のことだって、ユミンに言われるまでわからなかったくらいだ。隣で見てるうちに、いろんなものがどんどん組み変わっていったんだな。元の絵がわからない絵あわせパズルみたいに。

 だからヴェスタ、お前のどこが好きって、ぜんぶだよ。そうやって時間をかけて組み上がったお前の存在が好きだよ。言っただろ。代わりがいないからだって。パズルが組み上がってやっと分かった。俺がどっかでずっと待ってたのはお前だったんだなって。

 わからねえかな。お前に長々と説明できないからさ。


 ヴェスタは懇々と眠っている。眠るのを邪魔したくない。我慢するのは慣れてる。リビングにもどって一息つくと、ヴェスタのブリングがぱっと光った。メッセージだ。
 見るともなくブリングの画面にメッセージの差出人とタイトルと内容が流れていくのを見た。ginney……ジニー。ドミニオンか。タイトルはない。内容………

 have a nice sex!

「ふっ」

 あいつらはどんな話をしてるんだよ。直球すぎるだろ。

「あーあ……」

 どうやらそれはお預けだな。いいんだよ、俺はいい歳だから、我慢するのは慣れてるんだ。









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