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壁
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「今日は、朝は厨房からお食事をシロ様にお持ちしました。水差しのお水を取り替え、リネンをお取り替えしました」
「あのな、誰と会ってどんな話をしたのかとか、何か聞いたとかそういうことを聞きたい」
サラは困った顔をした。夕方の報告をさせてみたが、今一つだ。
「厨房にはキトリとミュゼと知らない人たちがいました。皆さん、パトの実の話を今日はされていました……」
「サラは何か話さなかったのか?」
「私語は禁じられています……」
「誰から?」
「北の塔で働くときはそうするよう言われております。お許しください……」
試しにサラにマキアの似顔絵を見せてみたけど、首を横に振るばかりだ。これはかなり厳しそうだ。サラをあてにしていたんだけど。やっぱり自分で北の塔の、入り込めないところにもなんとかして入り込んでみるしかないんだろうか。
翌朝、また薪を配ってから北の塔の厨房に似顔絵を持って行ってみた。
「いや……心当たりないね」
「見たことない」
似顔絵があってもだめ。あと入ってないところはどこだ?
ちらっと衛兵が並ぶ階段の入り口を見る。上の階。完全に王家の居室だ。どうならそこにいる?サラが俺の専属みたいになってるように、王家の誰かの専属になっている?上の階には召使い用の通路というものはない。下の階から全部カートに乗せて運んで行くから、裏の使用人用の通路から入り込むこともできない。
「どうすりゃいいんだ……」
何か。サラ以外に、そこに入り込めそうなもの……。
はたと思い出した。カラスたちだ。ついて来ているだろうか?デュトワイユから出て、それっきり声もかけていなかった。部屋の窓から見回してみる。何羽かのカラスが城壁に停まっていた。左手にリジンする。
「カァー!ナァー!いるか?」
「いるヨォーッ」
びっくりした。まさかいるとは。
「よくついて来たなお前たち」
「ダッテェー!好きなものクレルって言ったダロォー?」
お菓子をやると約束して、カラスに王家の人がいる方の階を覗いてもらう。似顔絵を見せると、カラスたちは覚えたと言った。
「ほんとに?人の顔なんてわかるか?」
「分からなかッタラ、オマエのカオもワカラナイダロォーガァー!」
カラスたちを見送ってから、ポケットの中のアーガの葉をさらってみた。自分の葉が2枚。赤毛の男から貰った葉が一枚。これは格段に、今まで手にしたどの葉より育っている。宮廷画家の葉。そしてもう一枚。
「あー……。サラのか」
返すのを忘れていた。ということは、サラは仕事に全くリジンを必要としていないということだ。どんな力なんだろう?
左手の休息時間が終わってから、興味本位でサラの葉をリジンしてみた。
「?」
なんだろう。ピンと来ない。何もリジンしてないみたいだ。なんだこれ?サラに聞きたい。サラはどこだろう?
そう思ったとき、ぱっとサラの一週間の行動パターンが次々に頭に浮かんできた。朝の何時に何をしたか。サラが話した言葉の一言一句。昼にどこに行き、何を食べたか。その時サラが何をしていたか。だから今、行動パターンから考えてみれば、彼女は厨房からお菓子を持ってここにくる途中だ。
これはすごい。自分の記憶を辿れる能力なんだ。どんな細かいことも。パラパラと葉が落ちる。これでサラの記憶を話してもらえれば、何かわかるんじゃないか?問題は、仕事上以外のことを一切話してくれないことだ。
カラスの帰りを待つ間、ちょっと中庭に出てみた。この世界では「時間を潰す」というのが難しい。テレビもスマホもないんだ。元の世界では時間が気づけば流れていたのに。サラから文字を習うのは、このところ気が進まなくなった。まずまず覚えてしまったというのもあるし、なんだかあの、サラの自分の意思を持たないような物言いと、生理現象すら殺してしまうほどの服従を目の当たりにして、正直彼女が薄気味悪くなってしまったというのもある。読む方はともかく、書くのはもう少しやった方がいいんだけど。
北の塔の中庭は真夏から少しだけ秋に傾いた太陽に照らされていた。庭木や植えられた草花はよく手入れされているらしく、全て青々としている。左右対称にきっちりと整えられ、東屋にはつるバラが絡みつき、白い花をいっぱいに咲かせていた。暑いことは暑いが、湿度がさほどでもないので不快ではない。東屋のベンチに腰掛けて、ぼんやりと風に揺れる花々を見ていた。誰かが中庭にやって来るのが遠目に見えた。髪の色が濃い。ネネリオだ……。歌うのかな?ネネリオの歌は、どちらかというと失恋ソングが多い。未練が残る気持ちを歌った歌、届かない想いを嘆く歌。好きだった。少し病的で。
「やあ。シロ」
「こんちは。練習してんすか?」
「練習っていうか。まあそうかな?ねえねえ、シロの能力って変わってるよね。どんな力なの」
「いや、大したもんじゃないですよ。ただ人の葉っぱがちょっとリジンできるだけ」
「両手にあるんでしょう。もう片方は?」
「あるけど……まあ、秘密です」
なんとなくだった。手の内を明かさないと言うのでもないけど(文字通り)、お城に来てから誰にも左手のことを話していなかった。何度かネネリオにも聞かれたけど、知らせるような力でもない。彼はふうんと言って話を変えた。
「シロは元の世界でもぼくの歌聞いててくれてたんだよね。何の歌が好き?」
「んー……最近だと、ペシミスティック・ストラテジーすかね」
「ほんと?あれ結構時間かけたんだ。嬉しいな。歌おうか?」
「え。マジで?」
「マジマジ。リジンして歌ってあげる」
ネネリオもリジンすると凄いのかな。トランもリジンしてなくても凄かったけど、リジンすると空気が変わった。バードのシルシみたいなのがネネリオにもついたんだろうか。ネネリオは目の前で手に持っていた小さな箱から、葉を一枚取り出した。左手にそれを置く……。すげえ。俺のためだけにあのネネリオが、本気で歌を歌ってくれるなんて。ネネリオが歌い出そうと息を深く吸い込んだ時、何かがネネリオの顔に飛んで来た。
「うわ!」
ネネリオが慌てて頬に手をやる。泥?驚いて泥が飛んで来た方を見ると、なんとネリがまた泥を手に丸めていた。
「ネリ!何やってんだ!」
止める間もなくネリが泥団子をネネリオに投げる。ネネリオの口元に当たった。
「やめろ‼︎」
ネリを抱き抱えてその場から離れる。言葉が通じないから、こうするより仕方がない。暴れるネリをそのまま部屋まで担いで行った。小さいし軽いからできる芸当。
「お前!なんであんなことするんだよ!追い出されたらどうするんだ!」
ネリは緑の目で睨みつけるように俺を見上げた。
「なんだよその目つきは!お前今まであんなことしなかっただろ!どうして……」
色々言おうとしてふと力が抜けた。ネリに説教しても無駄だ。どうせ言葉は通じない……。せっかくネネリオの生歌が聞けるところだったのに。一つため息が出た。
「もういい。もう勝手にしろ。どっか行け。俺にもう構うな」
ネリを部屋から締め出す。しばらく顔を見たくない。そもそもどうしてネリは俺について来るんだ。
後でネネリオに謝りに行かないと。彼とはうまくやっていかないといけない。マキアもさっさと探さないと。
「あのな、誰と会ってどんな話をしたのかとか、何か聞いたとかそういうことを聞きたい」
サラは困った顔をした。夕方の報告をさせてみたが、今一つだ。
「厨房にはキトリとミュゼと知らない人たちがいました。皆さん、パトの実の話を今日はされていました……」
「サラは何か話さなかったのか?」
「私語は禁じられています……」
「誰から?」
「北の塔で働くときはそうするよう言われております。お許しください……」
試しにサラにマキアの似顔絵を見せてみたけど、首を横に振るばかりだ。これはかなり厳しそうだ。サラをあてにしていたんだけど。やっぱり自分で北の塔の、入り込めないところにもなんとかして入り込んでみるしかないんだろうか。
翌朝、また薪を配ってから北の塔の厨房に似顔絵を持って行ってみた。
「いや……心当たりないね」
「見たことない」
似顔絵があってもだめ。あと入ってないところはどこだ?
ちらっと衛兵が並ぶ階段の入り口を見る。上の階。完全に王家の居室だ。どうならそこにいる?サラが俺の専属みたいになってるように、王家の誰かの専属になっている?上の階には召使い用の通路というものはない。下の階から全部カートに乗せて運んで行くから、裏の使用人用の通路から入り込むこともできない。
「どうすりゃいいんだ……」
何か。サラ以外に、そこに入り込めそうなもの……。
はたと思い出した。カラスたちだ。ついて来ているだろうか?デュトワイユから出て、それっきり声もかけていなかった。部屋の窓から見回してみる。何羽かのカラスが城壁に停まっていた。左手にリジンする。
「カァー!ナァー!いるか?」
「いるヨォーッ」
びっくりした。まさかいるとは。
「よくついて来たなお前たち」
「ダッテェー!好きなものクレルって言ったダロォー?」
お菓子をやると約束して、カラスに王家の人がいる方の階を覗いてもらう。似顔絵を見せると、カラスたちは覚えたと言った。
「ほんとに?人の顔なんてわかるか?」
「分からなかッタラ、オマエのカオもワカラナイダロォーガァー!」
カラスたちを見送ってから、ポケットの中のアーガの葉をさらってみた。自分の葉が2枚。赤毛の男から貰った葉が一枚。これは格段に、今まで手にしたどの葉より育っている。宮廷画家の葉。そしてもう一枚。
「あー……。サラのか」
返すのを忘れていた。ということは、サラは仕事に全くリジンを必要としていないということだ。どんな力なんだろう?
左手の休息時間が終わってから、興味本位でサラの葉をリジンしてみた。
「?」
なんだろう。ピンと来ない。何もリジンしてないみたいだ。なんだこれ?サラに聞きたい。サラはどこだろう?
そう思ったとき、ぱっとサラの一週間の行動パターンが次々に頭に浮かんできた。朝の何時に何をしたか。サラが話した言葉の一言一句。昼にどこに行き、何を食べたか。その時サラが何をしていたか。だから今、行動パターンから考えてみれば、彼女は厨房からお菓子を持ってここにくる途中だ。
これはすごい。自分の記憶を辿れる能力なんだ。どんな細かいことも。パラパラと葉が落ちる。これでサラの記憶を話してもらえれば、何かわかるんじゃないか?問題は、仕事上以外のことを一切話してくれないことだ。
カラスの帰りを待つ間、ちょっと中庭に出てみた。この世界では「時間を潰す」というのが難しい。テレビもスマホもないんだ。元の世界では時間が気づけば流れていたのに。サラから文字を習うのは、このところ気が進まなくなった。まずまず覚えてしまったというのもあるし、なんだかあの、サラの自分の意思を持たないような物言いと、生理現象すら殺してしまうほどの服従を目の当たりにして、正直彼女が薄気味悪くなってしまったというのもある。読む方はともかく、書くのはもう少しやった方がいいんだけど。
北の塔の中庭は真夏から少しだけ秋に傾いた太陽に照らされていた。庭木や植えられた草花はよく手入れされているらしく、全て青々としている。左右対称にきっちりと整えられ、東屋にはつるバラが絡みつき、白い花をいっぱいに咲かせていた。暑いことは暑いが、湿度がさほどでもないので不快ではない。東屋のベンチに腰掛けて、ぼんやりと風に揺れる花々を見ていた。誰かが中庭にやって来るのが遠目に見えた。髪の色が濃い。ネネリオだ……。歌うのかな?ネネリオの歌は、どちらかというと失恋ソングが多い。未練が残る気持ちを歌った歌、届かない想いを嘆く歌。好きだった。少し病的で。
「やあ。シロ」
「こんちは。練習してんすか?」
「練習っていうか。まあそうかな?ねえねえ、シロの能力って変わってるよね。どんな力なの」
「いや、大したもんじゃないですよ。ただ人の葉っぱがちょっとリジンできるだけ」
「両手にあるんでしょう。もう片方は?」
「あるけど……まあ、秘密です」
なんとなくだった。手の内を明かさないと言うのでもないけど(文字通り)、お城に来てから誰にも左手のことを話していなかった。何度かネネリオにも聞かれたけど、知らせるような力でもない。彼はふうんと言って話を変えた。
「シロは元の世界でもぼくの歌聞いててくれてたんだよね。何の歌が好き?」
「んー……最近だと、ペシミスティック・ストラテジーすかね」
「ほんと?あれ結構時間かけたんだ。嬉しいな。歌おうか?」
「え。マジで?」
「マジマジ。リジンして歌ってあげる」
ネネリオもリジンすると凄いのかな。トランもリジンしてなくても凄かったけど、リジンすると空気が変わった。バードのシルシみたいなのがネネリオにもついたんだろうか。ネネリオは目の前で手に持っていた小さな箱から、葉を一枚取り出した。左手にそれを置く……。すげえ。俺のためだけにあのネネリオが、本気で歌を歌ってくれるなんて。ネネリオが歌い出そうと息を深く吸い込んだ時、何かがネネリオの顔に飛んで来た。
「うわ!」
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「ネリ!何やってんだ!」
止める間もなくネリが泥団子をネネリオに投げる。ネネリオの口元に当たった。
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