2 / 4
迷惑なので異世界召喚はやめてください!って言ったよね?
だが断った!
しおりを挟む
「なぜまたお前なのだ!?」
不機嫌丸出しのTHE王子が私を指差した。それはマナー違反だと習わなかったのか?異世界だから違うんだろうか。そしてなぜコンビニを出るタイミングで召ぶ?あそこ、帰りに寄るのに便利な場所なんだけど、行くのやめた方がいいのかしら?
2度目の召喚はめまいだけで済んだ。前回と同じく、コスプレオジサンたちがひしめいてる。違うと言えば、THE王子が最初から目の前にいることだな。わたしは急いで魔法陣から出て大きく口を開いた。
「助けてー!ま、」
最後まで言う前に、空間に裂け目のような物が現れ、サクッとイケメン魔王が出てきた。
「呼んだか?」
また部屋は阿鼻叫喚の場と化した。前は気がつかなかったけど、THE王子ってば部屋の隅に張り付いてるわ。って、あれ?前回の魔王登場の時の黒い霧は?あれは舞台効果だったのかしら?
「助けてほしいんだろ?」
「魔王様、なんだか言葉遣いがフランクになってません?」
「あー、あれな。威厳がどうとかってジジイどもがうるさいんだわ」
心底面倒くさそうに吐き捨てた。
「じゃあ登場の時の黒い霧も?」
「そーそー。んなん、魔力の無駄遣いだっての。まあ、あれくらいなんともないけどな」
なぜかちょっとドヤ顔。いやん、胸がトゥンクしちゃった♡
「で?戻りたいんだろ?」
魔王がによによしながらわたしを見てる。えっ?もしかして?思わずわたしは荷物を体の前で抱きしめた。
「対価は・・・」
「よく分かったな!」
「いやー!今日は奮発してプレミアムビールなのにー!おツマミも高級缶詰めなのよー!」
渡すものかとスーパー袋を確保するわたしを魔王が冷たい目で見た。
「帰りたくないのか?」
「帰りたいけどさ、そういや今日は来るの早くなかった?」
魔王が目をそらした。
「ビール、美味しかったのね?」
魔王のこめかみに汗がつたった。
「わたしが来るの、待ちかまえてた?」
魔王が口笛を吹いてごまかそうとした。いつの時代のリアクションだよそれ。わたしは肩をすくめた。
「魔王様、わたし好みの顔だから、許してあ・げ・る♡」
魔王の顔がボンッって音が聞こえそうな勢いで赤くなった。いやん、やっぱカワイイ。
「は、早く帰れ!」
ビール目当ての魔王がコンビニの前に帰してくれた。ちょっとはわたしにも会いたいって思ってくれてたら嬉しいんだけどなー。
しかーし。今日は予算不足だわ。第3ビールとさきいかを買って帰った。ああ、プレミアムビール飲みたかった~。
不機嫌丸出しのTHE王子が私を指差した。それはマナー違反だと習わなかったのか?異世界だから違うんだろうか。そしてなぜコンビニを出るタイミングで召ぶ?あそこ、帰りに寄るのに便利な場所なんだけど、行くのやめた方がいいのかしら?
2度目の召喚はめまいだけで済んだ。前回と同じく、コスプレオジサンたちがひしめいてる。違うと言えば、THE王子が最初から目の前にいることだな。わたしは急いで魔法陣から出て大きく口を開いた。
「助けてー!ま、」
最後まで言う前に、空間に裂け目のような物が現れ、サクッとイケメン魔王が出てきた。
「呼んだか?」
また部屋は阿鼻叫喚の場と化した。前は気がつかなかったけど、THE王子ってば部屋の隅に張り付いてるわ。って、あれ?前回の魔王登場の時の黒い霧は?あれは舞台効果だったのかしら?
「助けてほしいんだろ?」
「魔王様、なんだか言葉遣いがフランクになってません?」
「あー、あれな。威厳がどうとかってジジイどもがうるさいんだわ」
心底面倒くさそうに吐き捨てた。
「じゃあ登場の時の黒い霧も?」
「そーそー。んなん、魔力の無駄遣いだっての。まあ、あれくらいなんともないけどな」
なぜかちょっとドヤ顔。いやん、胸がトゥンクしちゃった♡
「で?戻りたいんだろ?」
魔王がによによしながらわたしを見てる。えっ?もしかして?思わずわたしは荷物を体の前で抱きしめた。
「対価は・・・」
「よく分かったな!」
「いやー!今日は奮発してプレミアムビールなのにー!おツマミも高級缶詰めなのよー!」
渡すものかとスーパー袋を確保するわたしを魔王が冷たい目で見た。
「帰りたくないのか?」
「帰りたいけどさ、そういや今日は来るの早くなかった?」
魔王が目をそらした。
「ビール、美味しかったのね?」
魔王のこめかみに汗がつたった。
「わたしが来るの、待ちかまえてた?」
魔王が口笛を吹いてごまかそうとした。いつの時代のリアクションだよそれ。わたしは肩をすくめた。
「魔王様、わたし好みの顔だから、許してあ・げ・る♡」
魔王の顔がボンッって音が聞こえそうな勢いで赤くなった。いやん、やっぱカワイイ。
「は、早く帰れ!」
ビール目当ての魔王がコンビニの前に帰してくれた。ちょっとはわたしにも会いたいって思ってくれてたら嬉しいんだけどなー。
しかーし。今日は予算不足だわ。第3ビールとさきいかを買って帰った。ああ、プレミアムビール飲みたかった~。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説

私と母のサバイバル
だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。
しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。
希望を諦めず森を進もう。
そう決意するシャリーに異変が起きた。
「私、別世界の前世があるみたい」
前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み

巻き込まれ召喚されたおっさん、無能だと追放され冒険者として無双する
高鉢 健太
ファンタジー
とある県立高校の最寄り駅で勇者召喚に巻き込まれたおっさん。
手違い鑑定でスキルを間違われて無能と追放されたが冒険者ギルドで間違いに気付いて無双を始める。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したけど何もしなかったらヒロインがイジメを自演し始めたのでお望み通りにしてあげました。魔法で(°∀°)
ラララキヲ
ファンタジー
乙女ゲームのラスボスになって死ぬ悪役令嬢に転生したけれど、中身が転生者な時点で既に乙女ゲームは破綻していると思うの。だからわたくしはわたくしのままに生きるわ。
……それなのにヒロインさんがイジメを自演し始めた。ゲームのストーリーを展開したいと言う事はヒロインさんはわたくしが死ぬ事をお望みね?なら、わたくしも戦いますわ。
でも、わたくしも暇じゃないので魔法でね。
ヒロイン「私はホラー映画の主人公か?!」
『見えない何か』に襲われるヒロインは────
※作中『イジメ』という表現が出てきますがこの作品はイジメを肯定するものではありません※
※作中、『イジメ』は、していません。生死をかけた戦いです※
◇テンプレ乙女ゲーム舞台転生。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。

「おまえを愛することはない!」と言ってやったのに、なぜ無視するんだ!
七辻ゆゆ
ファンタジー
俺を見ない、俺の言葉を聞かない、そして触れられない。すり抜ける……なぜだ?
俺はいったい、どうなっているんだ。
真実の愛を取り戻したいだけなのに。

義弟の婚約者が私の婚約者の番でした
五珠 izumi
ファンタジー
「ー…姉さん…ごめん…」
金の髪に碧瞳の美しい私の義弟が、一筋の涙を流しながら言った。
自分も辛いだろうに、この優しい義弟は、こんな時にも私を気遣ってくれているのだ。
視界の先には
私の婚約者と義弟の婚約者が見つめ合っている姿があった。

転生貴族のスローライフ
マツユキ
ファンタジー
現代の日本で、病気により若くして死んでしまった主人公。気づいたら異世界で貴族の三男として転生していた
しかし、生まれた家は力主義を掲げる辺境伯家。自分の力を上手く使えない主人公は、追放されてしまう事に。しかも、追放先は誰も足を踏み入れようとはしない場所だった
これは、転生者である主人公が最凶の地で、国よりも最強の街を起こす物語である
*基本は1日空けて更新したいと思っています。連日更新をする場合もありますので、よろしくお願いします
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる