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もしかして、邪魔者?
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僕の家に、ディオンは僕をお姫様抱っこして入った。この日のために鍛えたらしいので、四の五の言わずに彼の好きにさせた。ディオンは足を止めずにそのまま寝室に入っていった。僕をベッドに下ろす。その横に腰掛けたディオンの顔は、なぜか真っ赤だ。
「あの・・・しょ、初夜・・・ですね・・・」
今さら?という言葉は飲み込んだ。結婚してからは間違いなく初めての夜だ。と言ってもまだ、3時のオヤツの時間にもなってはいないけれど。
「まずは着替えようか」
ディオンは貸衣装だからシワにしたくない。僕はベッドからおり、手袋を外してテールコートを脱いだ。ベストのボタンに手をかけたところで後ろから抱きしめられた。
「やっと、好一対になれた」
ディオンの顎が肩に乗る。しみじみと発せられた言葉に、彼から告白されてからの時間を思った。
「ああ、好一対だね」
ディオンの胸に背中を預けた。
「これからは、ずっと一緒にいられるんですね」
僕はディオンの腕の中でくるりと振り向いた。
「これからもどうぞよろしくお願い致します」
僕の言葉にディオンがふっと微笑んだ。
「こちらこそよろしくお願い致します」
ほのぼのとした雰囲気になっていると、控えめなノックが聞こえた。ディオンから離れて入室を許可すると、執事が申し訳なさそうに入ってきた。
「旦那様にご来客です」
「先触れも無しにかい?」
「はい、旦那様のお母様方と仰っておられます。応接間でお待ちいただいておりますが、よろしかったでしょうか」
僕の頭には、押し込めきれなかった腐女子とか貴腐人という言葉が浮かんだ。もしや、母も転生者なのか?
「着替えたら伺うと伝えてくれ。お出しするのは緑茶とあられで頼む」
執事が辞去したのを確認して、ディオンの頬にキスした。
「遠くから来てくれたんだ。母上たちを歓待しないとね」
そうですね、と言うディオンの声のトーンは明らかに悲しそうだ。つい笑ってしまいそうな顔を引きしめて、僕はディオンをクローゼットに追いやった。
さて。貴腐人様のお相手を致しますか。
「あの・・・しょ、初夜・・・ですね・・・」
今さら?という言葉は飲み込んだ。結婚してからは間違いなく初めての夜だ。と言ってもまだ、3時のオヤツの時間にもなってはいないけれど。
「まずは着替えようか」
ディオンは貸衣装だからシワにしたくない。僕はベッドからおり、手袋を外してテールコートを脱いだ。ベストのボタンに手をかけたところで後ろから抱きしめられた。
「やっと、好一対になれた」
ディオンの顎が肩に乗る。しみじみと発せられた言葉に、彼から告白されてからの時間を思った。
「ああ、好一対だね」
ディオンの胸に背中を預けた。
「これからは、ずっと一緒にいられるんですね」
僕はディオンの腕の中でくるりと振り向いた。
「これからもどうぞよろしくお願い致します」
僕の言葉にディオンがふっと微笑んだ。
「こちらこそよろしくお願い致します」
ほのぼのとした雰囲気になっていると、控えめなノックが聞こえた。ディオンから離れて入室を許可すると、執事が申し訳なさそうに入ってきた。
「旦那様にご来客です」
「先触れも無しにかい?」
「はい、旦那様のお母様方と仰っておられます。応接間でお待ちいただいておりますが、よろしかったでしょうか」
僕の頭には、押し込めきれなかった腐女子とか貴腐人という言葉が浮かんだ。もしや、母も転生者なのか?
「着替えたら伺うと伝えてくれ。お出しするのは緑茶とあられで頼む」
執事が辞去したのを確認して、ディオンの頬にキスした。
「遠くから来てくれたんだ。母上たちを歓待しないとね」
そうですね、と言うディオンの声のトーンは明らかに悲しそうだ。つい笑ってしまいそうな顔を引きしめて、僕はディオンをクローゼットに追いやった。
さて。貴腐人様のお相手を致しますか。
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