攻略対象から悪役令息にジョブチェンジしちゃう?

たれぽんた

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もしかして、婚約?

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    噂の火消しには、僕に婚約者でも出来たらいいか?頭の中に茶番に付き合ってくれそうな候補をあげてみる。同じ研究室の同性婚している女性。彼女ならもれなく伴侶が付いてくるから、伴侶に名目上の付き添い人になってもらえるか。僕は心の中にメモしてベッドに入った。ディオンの腕が巻き付いてくる。
「考え無しですみません」
「まったくだ。こんな男、宰相になんてならなくて正解だ」
ディオンの鼻をつつく。
「こんな男は僕の旦那さまにしかなれないね」
「じゃあ!」
「結婚はしないから。国の親族のことを考えなさい」
あからさまにショボンとしてるけど、ここは譲れない。
「しばらく会えないだろうから、その分今夜は、」
最後まで言わせてもらえなかった。性急にディオンの唇が重なってくる。何年たってもディオンからのキスは重ねるだけ。そこが可愛いと思うあたり、僕もたいがいだ。
    ディオンの唇が首筋を這う。耳朶を甘噛みされて小さく声を漏らした。手は肩から腕を撫でおろしている。いかにも、なところを触られるより、こういう場所の方が大切にされてるように思えて感じてしまう。すっかりディオンに作り変えられてしまった体。本人には教えない。ディオンの唇が胸に移り、手は太腿から脇腹を愛撫している。気持ち良くてよじる体をディオンが押さえ込む。僕はディオンの頭に手を置いて項に滑らせた。それは彼のお気に入り。僕に項にれられるのが好きだそうだ。何故だろうね。ディオンは僕の体をゆるゆると開きながら、後ろにつぷりと指を埋めた。僕の体が期待に震える。お互い、のんびりまったりとしたセックスが好きだ。彼が時間をかけてほぐしていく。そのあいだ、僕は彼の体を愛撫する。それぞれの体も気持ちも高めての挿入。僕の体が彼に馴染むまで抱きしめ合う。唇を重ねる。時々腰を揺すられる。僕の熱い吐息が合図。ディオンが僕に腰を打ち付け始める。自分でも恥ずかしい嬌声が口をつく。いつも、ほぼ同時に達する。達してからもしばし抱き合う。唇を重ねて離れた。
    「できるだけ早くアルフォンスに会えるよう、頑張ります」
「僕もニセ婚約者でも連れて国へ帰るよ」
ディオンが悲しそうな目で僕を見た。
「例え、ニセでもアルフォンスの婚約者を名乗れることが羨ましい・・・」
「誰のせいだ?」
ディオンが僕の頭を胸許に引き寄せた。
「明日も早いことですし、もう寝ましょう」
わざとらしいごまかしに仕方ないからのってやった。しかし、火消しを考えると気が重いね。
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