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もしかして、疑われてる?
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この前質問しに来て以来、ディオンの視線を感じるようになった。フェリシテが質問に来る時は特に。フェリシテと仲良くなろうとしてるの、気がつかれてるのか?どちらかというと王太子のエルネストに気にしてもらいたいのだが。僕の見る限り、あの2人は普通に好意を寄せあっている。僕に軽く嫉妬でもしてさらにエルネストが燃えてくれるとありがたいんだけど。何故かディオンの視線がキツくなっていく。
ディオンは今日もフェリシテと共に質問に来た。もしかしてディオンはフェリシテを好きなのだろうか。だからフェリシテにくっついてくる?フェリシテがディオンと幸せになるならそれでもいいけど、彼女の気持ちはエルネストにあるよなぁ。
フェリシテの質問は授業の内容に沿ったものだけど、ディオンはさらに深いことを聞いてくる。やはりこの学校にはもったいないな。高スペックのムダ遣い以外の何物でもない。僕は何気なくディオンに聞いた。
「君はユベールに行こうとは考えなかったの?」
ユベールは貴族、一般市民関係なく、入試による選考で合格が決まる。大学進学を大前提とした学校だ。ディオンの眉が寄せられた。
「何故ですか?僕がいると何か問題でも?」
詰問口調にちょっと腰が引けた。
「君の能力ならここよりあちらの方が向いていると思ったんだ」
「先生はユベールだったのですか?」
「そうだよ、大学でやりたい事があったからね」
ここグレゴワールからも大学に進む者はいるが、まず間違いなく家庭教師を付けている。ディオンのように出仕がほぼ確定しているなら、ユベールの方がいいに決まっている。
「何の勉強をされたかったんですか?」
ディオンに僕個人のことを聞かれると思ってなかったので少し驚いた。
「農芸化学という分野だ。農薬や肥料の研究をしたくてね」
僕の返事にディオンは目を丸くした。農業に関わる研究なんて、普通の貴族はしないものね。
「この国の基幹産業は農業だ。国力の底上げには必要な研究だろう?」
僕は貴族らしくないことをしているのを咎められてる気がして、ディオンを下から見上げた。ディオンが難しい顔して口許を押さえてる。やっぱり呆れられたかな。好感度、下がった?フェリシテを促して職員室を出て行くディオンを見て、僕は小さくため息を吐いた。
ディオンは今日もフェリシテと共に質問に来た。もしかしてディオンはフェリシテを好きなのだろうか。だからフェリシテにくっついてくる?フェリシテがディオンと幸せになるならそれでもいいけど、彼女の気持ちはエルネストにあるよなぁ。
フェリシテの質問は授業の内容に沿ったものだけど、ディオンはさらに深いことを聞いてくる。やはりこの学校にはもったいないな。高スペックのムダ遣い以外の何物でもない。僕は何気なくディオンに聞いた。
「君はユベールに行こうとは考えなかったの?」
ユベールは貴族、一般市民関係なく、入試による選考で合格が決まる。大学進学を大前提とした学校だ。ディオンの眉が寄せられた。
「何故ですか?僕がいると何か問題でも?」
詰問口調にちょっと腰が引けた。
「君の能力ならここよりあちらの方が向いていると思ったんだ」
「先生はユベールだったのですか?」
「そうだよ、大学でやりたい事があったからね」
ここグレゴワールからも大学に進む者はいるが、まず間違いなく家庭教師を付けている。ディオンのように出仕がほぼ確定しているなら、ユベールの方がいいに決まっている。
「何の勉強をされたかったんですか?」
ディオンに僕個人のことを聞かれると思ってなかったので少し驚いた。
「農芸化学という分野だ。農薬や肥料の研究をしたくてね」
僕の返事にディオンは目を丸くした。農業に関わる研究なんて、普通の貴族はしないものね。
「この国の基幹産業は農業だ。国力の底上げには必要な研究だろう?」
僕は貴族らしくないことをしているのを咎められてる気がして、ディオンを下から見上げた。ディオンが難しい顔して口許を押さえてる。やっぱり呆れられたかな。好感度、下がった?フェリシテを促して職員室を出て行くディオンを見て、僕は小さくため息を吐いた。
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