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BL大賞9位で奨励賞のお礼の番外編
胡蝶の夢
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ああ、夢を見ている・・・
「お兄ちゃん、お願いだから手伝ってよぉ」
「お前、またかよ。18禁BLゲーなんて物をオレの名前で買うだけじゃ飽き足らずっ!」
「大学生ってヒマなんでしよ?私が学校のあいだお願いっ!」
可愛く手を合わせる妹を見て。オレは嫌々ゲーム機を受け取った。
「言っとくけど、オレは真面目に勉強に取り組んでるから時間に余裕があるだけだ。決してヒマな訳じゃないからな」
「ありがとお兄ちゃん。恩に着るぅ」
ペロリと舌を出す妹の額を軽く小突いた。
これは夢だ・・・
「だって、あんなの絶対!ハッピーエンドじゃないって!隠しルートがあるに決まってるわ!」
「でも公式は何の説明もしてないんだろ?」
「だからこそよ!あれで殿下が幸せなわけないじゃん。必ず隠しルートがあるはずよ!それまでお兄ちゃん、頑張ってねー」
「おい!」
「おやすみなさーい」
ヒラヒラと手を振る妹の背中にクッションを投げつけ、オレはベッドに寝転びゲーム機を持ち上げた。
「どうしたのだ?」
殿下の声でふと目覚めたオレは自分が泣いていることに気がついた。
「分かりません。でも、幸せな夢をて見ていました」
「幸せなのに泣いているのか?」
「そうですね。何故でしょう」
殿下の唇がオレの眦に落ちた。
「所詮夢は夢だ。忘れてしまえ」
殿下の手がオレの瞼を覆う。
「まだ早い。もう少し眠れ」
「なんだか、眠れそうにありません」
「なら、眠れるようにしてやろうか?」
怪しい動きをしだした殿下の手を叩き落とす。
それ、逆に寝られないんじゃ?
「眠たくなりました。寝ます!」
殿下やさしーって思ったのに!
雰囲気ぶち壊しだよ!!!
オレはプリプリしながら目を閉じた。
夢の続きは見なかった・・・
「お兄ちゃん、お願いだから手伝ってよぉ」
「お前、またかよ。18禁BLゲーなんて物をオレの名前で買うだけじゃ飽き足らずっ!」
「大学生ってヒマなんでしよ?私が学校のあいだお願いっ!」
可愛く手を合わせる妹を見て。オレは嫌々ゲーム機を受け取った。
「言っとくけど、オレは真面目に勉強に取り組んでるから時間に余裕があるだけだ。決してヒマな訳じゃないからな」
「ありがとお兄ちゃん。恩に着るぅ」
ペロリと舌を出す妹の額を軽く小突いた。
これは夢だ・・・
「だって、あんなの絶対!ハッピーエンドじゃないって!隠しルートがあるに決まってるわ!」
「でも公式は何の説明もしてないんだろ?」
「だからこそよ!あれで殿下が幸せなわけないじゃん。必ず隠しルートがあるはずよ!それまでお兄ちゃん、頑張ってねー」
「おい!」
「おやすみなさーい」
ヒラヒラと手を振る妹の背中にクッションを投げつけ、オレはベッドに寝転びゲーム機を持ち上げた。
「どうしたのだ?」
殿下の声でふと目覚めたオレは自分が泣いていることに気がついた。
「分かりません。でも、幸せな夢をて見ていました」
「幸せなのに泣いているのか?」
「そうですね。何故でしょう」
殿下の唇がオレの眦に落ちた。
「所詮夢は夢だ。忘れてしまえ」
殿下の手がオレの瞼を覆う。
「まだ早い。もう少し眠れ」
「なんだか、眠れそうにありません」
「なら、眠れるようにしてやろうか?」
怪しい動きをしだした殿下の手を叩き落とす。
それ、逆に寝られないんじゃ?
「眠たくなりました。寝ます!」
殿下やさしーって思ったのに!
雰囲気ぶち壊しだよ!!!
オレはプリプリしながら目を閉じた。
夢の続きは見なかった・・・
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