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ひゃくなな

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    太陽が黄色い・・・

    なんでろう。なんでBLの攻めは精力絶倫がデフォなの?1回で勘弁してもらったはずなのに、腰と尻が痛くて膝に力が入らないよ?『殿下』のでオレは潮を吹いてドライでイっちゃうくらいヤられたから?
「熱が上がったらこの薬を飲んでください。下がらなかったら続けて飲んでも大丈夫ですから」
座って出来る仕事で良かった。腰にはシップ、椅子にはドーナツ座布団。あの人と結婚したら、これがオレのデフォになっちゃうの?
「このクリームを1日1回、清潔にした足の裏に塗ってください。自己判断でやめてはいけませんよ」
オレはチラッと診察室のドアに視線をやった。婚約者に内定したってことで護衛さんが付いた。あの向こうに患者に紛れているんだろうな。昨日の今日だよ。出来る男は仕事が早いね。
「寝る前に飲んでください。効果は1週間くらいで感じられるようになりますよ。刺激物は厳禁です」
この仕事で体力はついた。腕力もついた。でも座ってることが多いから、脚力はダメだ。スクワットでもするか?あと背筋を鍛えて股関節のストレッチ?はぁ~。ヤること前提の体力強化って嫌だわー。

    そんな鬱々とした日々を送ってたらエレオノーラさんがやって来た。気色満面のお手本のような顔だよ。
「ようやくあのヘタレ閣下がちゃんとクラウス様と向き合われて、感涙ひとしおです」
え?涙は見受けられませんよ?
「そ、そうですね。不可思議な結論にたどり着かれて、私の方は驚いていますが」
「私は、がクラウス様に興味を示された時からこうなることを願っておりました」
ニコニコって音が聞こえそうなニコニコっぷりだ。
「本日は閣下の御家族様方との晩餐会の衣装の打ち合わせに参りました」
閣下の御家族との晩餐会・・・。御家族・・・って、もちろん国王陛下込みですよねー。
「あ、一つ教えてもらいたいのですが、閣下が、元第3王子が同性婚をするのは問題無いのですか?」
エレオノーラさんが複雑な表情を浮かべた。
「我が国が同性婚を認めているのは、王族の方々ためです」
「は?」
「必要以上に王位継承者を増やさないためです」
エレオノーラさんの言葉に固まった。言いたい意味はわかる。
「我が国の公爵家は全て臣籍降下する王弟殿下、第2王子以降の殿下方の受け皿です。跡を継がれるお子様がおられませんので一代で絶家ぜっかとなります。お子様がおられないのは皆様同性婚をされるからです。同性婚を認めていない国も多くございますので表舞台には立たれませんから、同性婚をなされてることは周知されておりません」
王家の闇ってやつですか?いや、まあ、気は楽になったけど、それはそれでなんだか・・・
「それより今は、クラウス様の衣装の話しです。色目は閣下と合わせるとしまして、クラウス様はどのようなデザインがお好きですか?」
エレオノーラさんが前のめりになった。逆にオレの方は腰が引ける。
「よく分からないので、エレオノーラさんにお任せします」
エレオノーラさんの目がキラッと光ったような気がするよ?言ったらヤバいワードだった?でもホントに分からないしー!

    自分の言葉を心の底から後悔したのは晩餐会当日だった。
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