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きゅうじゅうろく

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    尊大な態度を崩さず、『殿下』はオレを見据えた。
「で、その格好はなんの茶番だ?」
オレは白紙のカルテを取り出した。
「医者には守秘義務があります。ここで何を話されてもよそに漏らすことはありません」
カルテをテーブルに置く。
「医者に聞かせたいことはありませんか?」
微かに動揺した『殿下』をじっと見つめる。しばらく睨み合いが続いたあと、目をそらしたのは『殿下』の方だった。
「エレオノーラに何か言われたのか?」
「いいえ、これは医師としての私の判断です」
話すことは無いとは言わなかった。オレは医師として待った。待って、待って、待って、待ちくたびれたわー!話す気無い?オレの方から声をかけるのこれが最後よ?オレはまたコーヒーをれた。閣下のカップも空だったんで注ぐ。閣下はブラックを美味しそうに飲んでるオレを見た。
「そのままでは苦いだろう」
ではこのままで飲んでいました」
やっと口を開いたと思ったらそれかー!

    ピーリカピリララ♪

    は、おジャ魔女どれみ

    じゃなくてー!

    オレは医者オレは医者オレは医者

    落ち着くためのおまじないー!

    「・・・私が熱を出してうなされていた時、だったな」
ようやく『殿下』が重い口を開いた。重すぎるわ!
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