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はちじゅうろく

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    オレが出立の準備をしていると、エレオノーラさんが包みを持ってきた。
「珈琲をお気に召したようなので、お渡しするように言付かりました」
うおー!コーヒー豆とコーヒーミル、ドリッパーもっ!これ貰えるなら昨日の閣下との気まずい時間にお釣りがくるー!
「貴重な物ではありませんか?いただいてよろしいのでしょうか」
一応、気を遣ってみる。ホントは喉から手が出るほど欲しい!
「閣下のご指示ですので、お気になさることはありませんよ」
エレオノーラさんが優しく微笑む。
「で、昨日は実りのある話しはできましたか?」
「閣下の会社について伺いました」
エレオノーラさんの口が『あのヘタレが』って動いたように見えたのは気のせいだ。舌打ちまで聞こえたのは勘違いだ、うん。

    閣下が欲しい物を手に入れるために『力』を持てと言ったエレオノーラさん。何が欲しかったのかな?聞いてみたかったけど・・・

    やめておいた。
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