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はちじゅう
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エレオノーラさんに手紙を書いて、4日後に中核都市の閣下の邸に向かった。
確かここらあたり?またウロウロ探してしまった。別に方向音痴ではない。単に覚える気がないだけだ!
馬を預けて、重ーい気分で邸に入る。満面の笑みのエレオノーラさんに応接室に案内された。
閣下が座ってる。あー、やだやだやだやだやだやだやだやだ。オレは挨拶の言葉もそこそこにお礼を言った。
「この度は過分なご高配を賜り有難うございます」
「礼には及ばない。クラウスに無駄にさせた時間に比べればまだ足りないだろう」
えっ?クララが、クララが立ったー!じゃない、閣下が普通に喋ったー!オレは驚きを隠して返事した。
「設備までご用意いただけると伺っております。じゅうぶんかと存じます」
オレの言葉に閣下はスーッと視線を逸らした。これ以上関わりたくないです、うん。もう帰っていいかなーって思ってたらエレオノーラさんが飲み物を持ってきてくれた。
この匂いはっ!
「閣下が珍しい飲み物を取り寄せてくださいました」
言いながらカップを置いてくれる。
これは!コーヒーぢゃあないかぁ!
思わず前のめりになる。この世界に転生して初めて見た!前世を思い出させる香りを胸いっぱいに吸い込む。あ、ちょっと挙動不審かも?オレは体面を取り繕って閣下に話しかけた。
「初めて見ました。これはどうなされたのですか?」
「我が国よりかなり南の国で飲まれている珈琲という飲み物だ。独特の味だが、私は気に入ったので出させてみた。気に入らなければ変えさせる。飲んでみろ」
気に入らないなんて、絶対ないですー!香りを楽しみながら飲む。ああ、ウマー。って、あれ?オレの顔を2人が凝視してるよ?はっ!ついうっかり用意されてる砂糖もミルクも入れずに飲んでしまった。ブラックを美味しそうに飲むのは初めてっぽくない!オレは慌てて苦そうな顔をして見せた。
「変わった味ですね」
「お好みで砂糖やミルクを使われると飲みやすくなります」
エレオノーラさんが差し出してくれた。ホントはいらないけど、仕方なく使う。あまい・・・
飲み物を出すのなんてエレオノーラさんの仕事じゃないのに。侍女さんじゃオレたちに話しかけられないから、話しの糸口を作るためにしてくれたんだろうな。ありがたく思いながらオレは甘いコーヒーを飲んだ。あまい・・・
確かここらあたり?またウロウロ探してしまった。別に方向音痴ではない。単に覚える気がないだけだ!
馬を預けて、重ーい気分で邸に入る。満面の笑みのエレオノーラさんに応接室に案内された。
閣下が座ってる。あー、やだやだやだやだやだやだやだやだ。オレは挨拶の言葉もそこそこにお礼を言った。
「この度は過分なご高配を賜り有難うございます」
「礼には及ばない。クラウスに無駄にさせた時間に比べればまだ足りないだろう」
えっ?クララが、クララが立ったー!じゃない、閣下が普通に喋ったー!オレは驚きを隠して返事した。
「設備までご用意いただけると伺っております。じゅうぶんかと存じます」
オレの言葉に閣下はスーッと視線を逸らした。これ以上関わりたくないです、うん。もう帰っていいかなーって思ってたらエレオノーラさんが飲み物を持ってきてくれた。
この匂いはっ!
「閣下が珍しい飲み物を取り寄せてくださいました」
言いながらカップを置いてくれる。
これは!コーヒーぢゃあないかぁ!
思わず前のめりになる。この世界に転生して初めて見た!前世を思い出させる香りを胸いっぱいに吸い込む。あ、ちょっと挙動不審かも?オレは体面を取り繕って閣下に話しかけた。
「初めて見ました。これはどうなされたのですか?」
「我が国よりかなり南の国で飲まれている珈琲という飲み物だ。独特の味だが、私は気に入ったので出させてみた。気に入らなければ変えさせる。飲んでみろ」
気に入らないなんて、絶対ないですー!香りを楽しみながら飲む。ああ、ウマー。って、あれ?オレの顔を2人が凝視してるよ?はっ!ついうっかり用意されてる砂糖もミルクも入れずに飲んでしまった。ブラックを美味しそうに飲むのは初めてっぽくない!オレは慌てて苦そうな顔をして見せた。
「変わった味ですね」
「お好みで砂糖やミルクを使われると飲みやすくなります」
エレオノーラさんが差し出してくれた。ホントはいらないけど、仕方なく使う。あまい・・・
飲み物を出すのなんてエレオノーラさんの仕事じゃないのに。侍女さんじゃオレたちに話しかけられないから、話しの糸口を作るためにしてくれたんだろうな。ありがたく思いながらオレは甘いコーヒーを飲んだ。あまい・・・
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