【完】BLゲームに転生したオレは鬼畜王子から逃げだしたい

たれぽんた

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ななじゅうなな

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    『あのヘタレがクラウス様へのお詫びとして、病院を建てるので貰ってほしいとぬかしております』(意訳)

    マ、マジかー!

    オレは顎が外れて下まで落ちた。
    かと思った。

    手紙の住所はこの前行った中核都市。オレは井戸端会議グループに声をかけた。
「すみません、今日は休診にします!」
「急ぎの用の手紙だった?なら馬を使いなさい」
素直に礼を言って診療所を出る。戸締りを頼める程の常連客って、診療所としてはどうなんだろうね?
    あそこまでは馬なら半日。オレは借りた馬によろしくと声をかけて飛び乗った。

    中核都市まで来たけど、確かここらへんだった?ウロウロしてたら邸にたどり着いた。閣下はいなかったのでエレオノーラさんを呼んでもらう。すぐに彼女の応接室に通された。
「手紙が届きました。どうなってるのですか?」
閣下ヘタレがクラウス様にご迷惑をかけたと言い出しまして。クラウス様の村で病院用地を探すようにと指示されました」
オレは遠い目になった。
「私の居場所はご存知なのですか?」
「いいえ。ですが、分かっても会われるおつもりはないようです」
何それ。意味わからない。
「そのようなことをしていただく理由はありません。迷惑をこうむったなどと思っておりませんので」
いやー!そんなもん貰ったら一生縁が切れないー!
「3年を薬師として過ごされ、1年を閣下ヘタレに潰され、この4年の慰謝料と考えられてはいかがです?」
エ、エレオノーラさん?笑顔が黒いですよ?
「しかし、病院といえど税金の使い道を個人の思惑で決めるのは・・・」
「それは大丈夫です。閣下の個人資産からの出費ですから」
えっ?個人資産?
「隣国の邸も、ここも閣下がご自分でお建てになりました。ちなみに、クラウス様が公爵邸においでの時、引っ越すつもりで王都にも建てていらっしゃいました」
閣下、隣国の邸を税金のムダ遣いって思ってました。ゴメンなさい。
「総合病院クラスのものを、と、閣下はお考えです。あの地域の中核病院として機能させることもできますよ?」
断りにくいすすめ方だー!

    一旦、持ち帰らせていただきますって、営業マンみたいに言って帰らせてもらった。
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