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ろくじゅうに
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1人で考えてもしょうがない・・・
それから1ヶ月くらい悩んで、閣下の手を縛るなら行くって返事した。アルフォンスに刺激を受けちゃったからねー。
「ようこそおいでくださいました」
エレオノーラさんが嬉しそうに迎えてくれる。
「閣下がお待ちです」
さすがに人前では閣下と呼ぶのねー。坊っちゃまじゃ威厳無いわー。部屋に案内されると、本当に縛られた閣下が待っていた。そうしてくれとは言ったけど・・・。傷が付かないように手袋の上からだけど、十文字に縛られてる。かなりマジな縛り方ですよ。
「ちゃんと縛れてるか、確認してくださいね」
笑顔のエレオノーラさんが怖い。
「ソファにも縛り付けておきましょうか?」
エレオノーラさん、楽しそうですー!そんなエレオノーラさんの言葉に、閣下が苦虫を噛み潰したような顔をした。
「・・・お願いします・・・」
つい言ってしまった。前の、1週間のベッド暮らしが頭をよぎっちゃったんだもーん。オレは悪くない、はず。閣下が射殺さんばかりの視線をオレに投げる。エレオノーラさんは、そんな閣下の片足を手早くソファに縛り付けた。なんで、そんなに慣れてるんですか・・・。
「坊っちゃま、10才の時のことからお話しくださいね」
エレオノーラさん、今の坊っちゃま呼びはわざとですね?
「ではクラウス様、1時間後に一度、声をかけさせていただきます」
オレを安心させるような優しい微笑み。閣下、オレに関してエレオノーラさんにどれだけ信用されてないんだろう。オレの分『だけ』の紅茶を準備して、エレオノーラさんは外に出た。
それから1ヶ月くらい悩んで、閣下の手を縛るなら行くって返事した。アルフォンスに刺激を受けちゃったからねー。
「ようこそおいでくださいました」
エレオノーラさんが嬉しそうに迎えてくれる。
「閣下がお待ちです」
さすがに人前では閣下と呼ぶのねー。坊っちゃまじゃ威厳無いわー。部屋に案内されると、本当に縛られた閣下が待っていた。そうしてくれとは言ったけど・・・。傷が付かないように手袋の上からだけど、十文字に縛られてる。かなりマジな縛り方ですよ。
「ちゃんと縛れてるか、確認してくださいね」
笑顔のエレオノーラさんが怖い。
「ソファにも縛り付けておきましょうか?」
エレオノーラさん、楽しそうですー!そんなエレオノーラさんの言葉に、閣下が苦虫を噛み潰したような顔をした。
「・・・お願いします・・・」
つい言ってしまった。前の、1週間のベッド暮らしが頭をよぎっちゃったんだもーん。オレは悪くない、はず。閣下が射殺さんばかりの視線をオレに投げる。エレオノーラさんは、そんな閣下の片足を手早くソファに縛り付けた。なんで、そんなに慣れてるんですか・・・。
「坊っちゃま、10才の時のことからお話しくださいね」
エレオノーラさん、今の坊っちゃま呼びはわざとですね?
「ではクラウス様、1時間後に一度、声をかけさせていただきます」
オレを安心させるような優しい微笑み。閣下、オレに関してエレオノーラさんにどれだけ信用されてないんだろう。オレの分『だけ』の紅茶を準備して、エレオノーラさんは外に出た。
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