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よんじゅうはち
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ベッドから出してもらえたら、思ったより理性が戻ってきた。ゲームの鬼畜王子と殿下は別人だってちゃんと認識した上で、グズグズのドロドロになってたからかな。国に帰って監禁されても、さすがにこの1週間より大変な目にはあわないだろうしね。って思ったら気が楽になったしー。
殿下をどうにか説得して、アルフォンスに別れの挨拶に行った。背後霊のような殿下を見て、アルフォンスが笑いをこらえている。
「お互い、もう学校の食堂で食べられないな」
「そうだね。これからは国の食事だね」
もう前世は忘れよう、そう言いたいのをアルフォンスは察してくれたようだ。多分、もう会うことはないだろう。オレ達はどん〇衛に別れを告げた。
「学校の食堂はそんなに美味しかったのか?」
国へ帰る馬車の中で殿下が聞いてきた。もちろん安定の膝抱っこだ。
『誰が作ったか分からない』物は食べちゃいけない殿下。ずっとお弁当だったもんね。オレは殿下の首に腕を回した。
「泊まり込みのツラさを思いだす味です。どちらかといえば、もう食べたいものではありません」
殿下の胸に顔を預ける。
本物の殿下だー。3年経っても忘れられなかった殿下だー。半年もかけてウロウロした足跡を辿って探してくれたー。それはそれで怖すぎるけど・・・。軟禁でも監禁でも、殿下がオレに飽きるまではそばにいられる。この感じなら地下牢は無いよね、多分。
国に帰ったオレは、予想外の軟禁場所にアホ面を晒してしまった。
殿下をどうにか説得して、アルフォンスに別れの挨拶に行った。背後霊のような殿下を見て、アルフォンスが笑いをこらえている。
「お互い、もう学校の食堂で食べられないな」
「そうだね。これからは国の食事だね」
もう前世は忘れよう、そう言いたいのをアルフォンスは察してくれたようだ。多分、もう会うことはないだろう。オレ達はどん〇衛に別れを告げた。
「学校の食堂はそんなに美味しかったのか?」
国へ帰る馬車の中で殿下が聞いてきた。もちろん安定の膝抱っこだ。
『誰が作ったか分からない』物は食べちゃいけない殿下。ずっとお弁当だったもんね。オレは殿下の首に腕を回した。
「泊まり込みのツラさを思いだす味です。どちらかといえば、もう食べたいものではありません」
殿下の胸に顔を預ける。
本物の殿下だー。3年経っても忘れられなかった殿下だー。半年もかけてウロウロした足跡を辿って探してくれたー。それはそれで怖すぎるけど・・・。軟禁でも監禁でも、殿下がオレに飽きるまではそばにいられる。この感じなら地下牢は無いよね、多分。
国に帰ったオレは、予想外の軟禁場所にアホ面を晒してしまった。
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