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にじゅうさん
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陛下に謁見して、高校への挨拶もしてきた殿下が帰って来た。当たり前だけど、ちゃんと謁見出来る服装になってる。オレは旅装のままで大学院に行っちゃったよ。着替えるのを待たずに文句を言ってやる!
「殿下、私の寮の申し込みが取り消されていたのですが、何かご存知ですか?」
「ああ、私が指示した」
サラッと言いやがった。
「こちらのお屋敷の私の部屋ですが、殿下のお部屋と繋がっております。これはお間違えですね?」
「いや、それも私の指示で間違いない」
悪い顔でサラッと言いやがったー!
「何故でしょうか?」
「勉強を教えてもらいたいこともあるだろう。そんな時は近い方が便利だろう?」
悪い顔でニヤリとする。王族だからですか?16才とは思えない迫力ですね!そんな言い方されたらこれ以上言えないじゃないかー!殿下に言い負かされたオレは、引き下がるしかなかった。チクショー!
そしてやっぱり予想通り、風呂から出たら殿下がベッドに座ってた。
「早速お勉強ですか?」
「いや?クラウスの髪を拭きにきた」
イヤミ攻撃にとんでもない返しきたー!
「そのような事を殿下にしていただく訳にはまいりません」
「私がヤりたいのだ、ヤらせろ」
何でだろう。殿下の言葉が不穏な意味に脳内変換されるよ?仕方ないんで大人しく殿下の横に座った。オレからタオルを受け取った殿下は、丁寧に水気を吸わせていく。不精で伸ばしっぱなしの髪は背中の中程まで伸びている。その一房をすくい取り、殿下がキスを落とした。うひゃー!ヤバい、ヤバ過ぎる!夜のベッドの上で2人きり?オレ、据え膳?空気を変えろ。何か喋れオレ!
「か、髪は明日にでも切りますので、もう殿下のお手を煩わすことは無くなりますので・・・」
殿下がキッ!と睨んできた。
「許さない」
えっ?
「切ることは許さない」
殿下の手がオレの頬を撫でる。
「毎日私が拭いてやろう。そのまま伸ばせ」
いやいやいやいやいやいやいやいや。
「面倒なら私が洗ってやるしな」
今サラッとおかしなこと言いましたよ?オレの頬を撫でていた手が後頭部に移る。そのままグイッと引き寄せられて、唇を重ねられた。待ってー。オレのファーストキスがー!上唇、下唇と啄むように食まれ、またしっかりと重ねられる。硬直しているオレから唇をそっと離し、殿下が爽やかな笑顔を見せた。
「今日の勉強はここまでだな」
自分の部屋に帰って行く殿下の後ろ姿にオレは心で叫んだ。ファーストキス返せー!
「殿下、私の寮の申し込みが取り消されていたのですが、何かご存知ですか?」
「ああ、私が指示した」
サラッと言いやがった。
「こちらのお屋敷の私の部屋ですが、殿下のお部屋と繋がっております。これはお間違えですね?」
「いや、それも私の指示で間違いない」
悪い顔でサラッと言いやがったー!
「何故でしょうか?」
「勉強を教えてもらいたいこともあるだろう。そんな時は近い方が便利だろう?」
悪い顔でニヤリとする。王族だからですか?16才とは思えない迫力ですね!そんな言い方されたらこれ以上言えないじゃないかー!殿下に言い負かされたオレは、引き下がるしかなかった。チクショー!
そしてやっぱり予想通り、風呂から出たら殿下がベッドに座ってた。
「早速お勉強ですか?」
「いや?クラウスの髪を拭きにきた」
イヤミ攻撃にとんでもない返しきたー!
「そのような事を殿下にしていただく訳にはまいりません」
「私がヤりたいのだ、ヤらせろ」
何でだろう。殿下の言葉が不穏な意味に脳内変換されるよ?仕方ないんで大人しく殿下の横に座った。オレからタオルを受け取った殿下は、丁寧に水気を吸わせていく。不精で伸ばしっぱなしの髪は背中の中程まで伸びている。その一房をすくい取り、殿下がキスを落とした。うひゃー!ヤバい、ヤバ過ぎる!夜のベッドの上で2人きり?オレ、据え膳?空気を変えろ。何か喋れオレ!
「か、髪は明日にでも切りますので、もう殿下のお手を煩わすことは無くなりますので・・・」
殿下がキッ!と睨んできた。
「許さない」
えっ?
「切ることは許さない」
殿下の手がオレの頬を撫でる。
「毎日私が拭いてやろう。そのまま伸ばせ」
いやいやいやいやいやいやいやいや。
「面倒なら私が洗ってやるしな」
今サラッとおかしなこと言いましたよ?オレの頬を撫でていた手が後頭部に移る。そのままグイッと引き寄せられて、唇を重ねられた。待ってー。オレのファーストキスがー!上唇、下唇と啄むように食まれ、またしっかりと重ねられる。硬直しているオレから唇をそっと離し、殿下が爽やかな笑顔を見せた。
「今日の勉強はここまでだな」
自分の部屋に帰って行く殿下の後ろ姿にオレは心で叫んだ。ファーストキス返せー!
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