【完】ＢＬゲームに転生したオレは鬼畜王子から逃げだしたい

じゅうきゅう

    今晩の宿に着いてしまった。今日も安定のキングサイズのダブルベッドだ。うん。今朝、寝衣に着替えさせられてはいたものの、風呂上がりに履いた下穿きのままだったし、体に変調も無い。貞操は守られたようだ。殿下に寝てる相手とヤる趣味が無くて良かったよ。うん。
    今夜も夕食の後は研究ノートのまとめ。明日は着いたらご挨拶回りや荷物の片付けがあるから、出来そうにないからね。ノートに目を落としているオレを見ている殿下の視線はスルーだ。
｢今日も遅くなりそうか？｣
｢今夜中にまとめたいと思いますので、時間がかかると思います｣
殿下の問いに食い気味に返す。実際、物見遊山に行くわけではないのだ。出来れば、この２年で抗生物質を完成させたい。今晩のうちにまとめておけば、明後日からすぐに研究が始められる。
｢では、先に休むとしよう。クラウスが寝ていれば、また迎えに来てやる｣
昨日から見せるようになった、悪い顔でニヤリと笑う。貞操が守られるなら、寝てからならお姫様抱っこでも何でも構いません。逆によろしくお願いしまーす！