【完】BLゲームに転生したオレは鬼畜王子から逃げだしたい

たれぽんた

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じゅうご

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    また馬車に乗ってからも膝抱っこだったよ。うん。護衛さんから見えるのが恥ずかしくて窓の覆いをおろしてたけど、『お戯れ』防止であげてやった。恥より貞操大事。乗り物酔いしそうって言うと、殿下も渋々頷いた。シンドいって言って殿下の首に抱きついてたんで、それでご満悦だったしね。恥より貞操。明日からもこれで乗り切れるかな?

    なんて甘かった。明日より先に今晩があったよ。宿泊の手配は殿下側がした。王室御用達に泊まるからね、って軽く考えてたオレのバカ。もちろん、宿の一番いい部屋だったね。ただし夫婦用のな!入ったら居間と食堂。部屋の中に階段があって、上が寝室とクローゼットとバスルーム。問題は寝室だ。キングサイズのダブルベッドしかないじゃないかー!思わず荷物を取り落としたオレを、殿下が後ろからそっと抱きしめた。
「疲れただろう?先に湯を使うといい」
イヤイヤ、それダメでしょー。とめてほしくて護衛さんを見たら、一斉に目をそらされた。今では殿下がオレを慕っているのは周知の事実。ホントは慕ってるじゃなくて執着だけど。それを知ってるのは殿下周辺だけ。知ってるだけに誰も助けてくれない。泣いていい?先に風呂に入るなんて、殿下に後から来てねーって言ってるのと同じだよ!どうにか殿下を説き伏せて先に入らせた。風呂から出たオレの髪を殿下が拭くのは、あきらめて受け入れた。
    だが、膝抱っこで食事だけは全力で阻止した!
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