15 / 141
じゅうご
しおりを挟む
また馬車に乗ってからも膝抱っこだったよ。うん。護衛さんから見えるのが恥ずかしくて窓の覆いをおろしてたけど、『お戯れ』防止であげてやった。恥より貞操大事。乗り物酔いしそうって言うと、殿下も渋々頷いた。シンドいって言って殿下の首に抱きついてたんで、それでご満悦だったしね。恥より貞操。明日からもこれで乗り切れるかな?
なんて甘かった。明日より先に今晩があったよ。宿泊の手配は殿下側がした。王室御用達に泊まるからね、って軽く考えてたオレのバカ。もちろん、宿の一番いい部屋だったね。ただし夫婦用のな!入ったら居間と食堂。部屋の中に階段があって、上が寝室とクローゼットとバスルーム。問題は寝室だ。キングサイズのダブルベッドしかないじゃないかー!思わず荷物を取り落としたオレを、殿下が後ろからそっと抱きしめた。
「疲れただろう?先に湯を使うといい」
イヤイヤ、それダメでしょー。とめてほしくて護衛さんを見たら、一斉に目をそらされた。今では殿下がオレを慕っているのは周知の事実。ホントは慕ってるじゃなくて執着だけど。それを知ってるのは殿下周辺だけ。知ってるだけに誰も助けてくれない。泣いていい?先に風呂に入るなんて、殿下に後から来てねーって言ってるのと同じだよ!どうにか殿下を説き伏せて先に入らせた。風呂から出たオレの髪を殿下が拭くのは、あきらめて受け入れた。
だが、膝抱っこで食事だけは全力で阻止した!
なんて甘かった。明日より先に今晩があったよ。宿泊の手配は殿下側がした。王室御用達に泊まるからね、って軽く考えてたオレのバカ。もちろん、宿の一番いい部屋だったね。ただし夫婦用のな!入ったら居間と食堂。部屋の中に階段があって、上が寝室とクローゼットとバスルーム。問題は寝室だ。キングサイズのダブルベッドしかないじゃないかー!思わず荷物を取り落としたオレを、殿下が後ろからそっと抱きしめた。
「疲れただろう?先に湯を使うといい」
イヤイヤ、それダメでしょー。とめてほしくて護衛さんを見たら、一斉に目をそらされた。今では殿下がオレを慕っているのは周知の事実。ホントは慕ってるじゃなくて執着だけど。それを知ってるのは殿下周辺だけ。知ってるだけに誰も助けてくれない。泣いていい?先に風呂に入るなんて、殿下に後から来てねーって言ってるのと同じだよ!どうにか殿下を説き伏せて先に入らせた。風呂から出たオレの髪を殿下が拭くのは、あきらめて受け入れた。
だが、膝抱っこで食事だけは全力で阻止した!
134
お気に入りに追加
4,293
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。

番だと言われて囲われました。
桜
BL
戦時中のある日、特攻隊として選ばれた私は友人と別れて仲間と共に敵陣へ飛び込んだ。
死を覚悟したその時、光に包み込まれ機体ごと何かに引き寄せられて、異世界に。
そこは魔力持ちも世界であり、私を番いと呼ぶ物に囲われた。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
国を救った英雄と一つ屋根の下とか聞いてない!
古森きり
BL
第8回BL小説大賞、奨励賞ありがとうございます!
7/15よりレンタル切り替えとなります。
紙書籍版もよろしくお願いします!
妾の子であり、『Ω型』として生まれてきて風当たりが強く、居心地の悪い思いをして生きてきた第五王子のシオン。
成人年齢である十八歳の誕生日に王位継承権を破棄して、王都で念願の冒険者酒場宿を開店させた!
これからはお城に呼び出されていびられる事もない、幸せな生活が待っている……はずだった。
「なんで国の英雄と一緒に酒場宿をやらなきゃいけないの!」
「それはもちろん『Ω型』のシオン様お一人で生活出来るはずもない、と国王陛下よりお世話を仰せつかったからです」
「んもおおおっ!」
どうなる、俺の一人暮らし!
いや、従業員もいるから元々一人暮らしじゃないけど!
※読み直しナッシング書き溜め。
※飛び飛びで書いてるから矛盾点とか出ても見逃して欲しい。

モブなのに執着系ヤンデレ美形の友達にいつの間にか、なってしまっていた
マルン円
BL
執着系ヤンデレ美形×鈍感平凡主人公。全4話のサクッと読めるBL短編です(タイトルを変えました)。
主人公は妹がしていた乙女ゲームの世界に転生し、今はロニーとして地味な高校生活を送っている。内気なロニーが気軽に学校で話せる友達は同級生のエドだけで、ロニーとエドはいっしょにいることが多かった。
しかし、ロニーはある日、髪をばっさり切ってイメチェンしたエドを見て、エドがヒロインに執着しまくるメインキャラの一人だったことを思い出す。
平凡な生活を送りたいロニーは、これからヒロインのことを好きになるであろうエドとは距離を置こうと決意する。
タイトルを変えました。
前のタイトルは、「モブなのに、いつのまにかヒロインに執着しまくるキャラの友達になってしまっていた」です。
急に変えてしまい、すみません。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる