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第6話:買い物
1.久しぶり
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5月2日。
祝日と祝日に挟まれた、学校がある平日の2日間。その2日目の放課後のこと。
「ひろ!ひろはいるか!」
と呼ぶ声が俺の席の近くの窓から聞こえてきた。
「あ、しゅんちゃん。」
俺は、声を出した人物を確認してそう言った。
「元気にしてたか。」
「ああ、うん。」
そのキャラ付けやめたらいいのに。話しづらいし。
「しゅんちゃんじゃん!久しぶり!」
俺の近くにいたそーいちとやすあきがしゅんちゃんに気づいたのか、こっちにきて、そーいちはそう言った。
「おお、そーいちとやすあきではないか。久しぶりだな。」
「…なんか変わった?」
やすあきは俺にそう言った。
「あー、しゅんちゃんと全然会ってないんだっけ?」
「俺とやすあきは最後に会ったの小6の時だよな。確か。」
そーいちはそう言った。
「中学の時はこんなんじゃなかったんだけど、高校に入学した時にクラスメイト全員の個性の強さに圧倒したらしくて。」
「『こんな普通な俺じゃ、みんなに相手されないだろうし負けてしまう』と思ってな、わしの好きなアニメのキャラクターの真似をしていこうと決めたのだ。毎日、違うキャラクターでな。」
しゅうちゃんはそう言った。
「俺とか家族とか、親戚の前では今までのしゅんちゃんなんだけどね。学校とか親戚以外にも人がいるとこうなるっぽい。」
「なるほどな。で、しゅんちゃんは何しに来たの?」
そーいちはそう言った。
「ああ、そうだったそうだった。ひろ、わしに付き合え。」
「何しに行くの?」
「買わねばならない代物があってな。ひろの顔も見たかったし、一緒に買い物に行けたらと思ったのだが、大丈夫か?」
しゅうちゃんはそう言った。
「ごめん、しゅうちゃん。俺今から部活なんだよね。」
「え!?…あ。な、何!?部活というものに入ったのか!?」
しゅうちゃんは驚いてそう言った。一瞬、素に戻った気がするけど。
「うん。そーいちが作った部活。」
「おお、ひろが部活を。めでたいなあ。」
「めでたいの?」
「なら、この話は無かったことにしよう。さらばだ。」
しゅうちゃんはそう言って、去ろうとすると、
「あ、しゅうちゃん!」
と、そーいちは言った。
「ん?どうした?」
「しゅうちゃん、ひろきと買い物行っていいぜ。」
そーいちはそう言った。
「え、いいの?」
俺はそう言った。
「いいのいいの。多分、今日もなんでも部を訪ねてくる人はいないだろうし。」
「そうか。…では、ひろ。正門で待ってるぞ。」
しゅうちゃんはそう言って、去っていった。
「本当にいいの?」
俺はそーいちにそう言った。
「うん。しゅうちゃんと楽しんでおいでよ。」
「なんかごめんね。…あれ、やすあきは?」
「え?…あれ?」
あいつ、いつの間に部活行ったんだよ。
祝日と祝日に挟まれた、学校がある平日の2日間。その2日目の放課後のこと。
「ひろ!ひろはいるか!」
と呼ぶ声が俺の席の近くの窓から聞こえてきた。
「あ、しゅんちゃん。」
俺は、声を出した人物を確認してそう言った。
「元気にしてたか。」
「ああ、うん。」
そのキャラ付けやめたらいいのに。話しづらいし。
「しゅんちゃんじゃん!久しぶり!」
俺の近くにいたそーいちとやすあきがしゅんちゃんに気づいたのか、こっちにきて、そーいちはそう言った。
「おお、そーいちとやすあきではないか。久しぶりだな。」
「…なんか変わった?」
やすあきは俺にそう言った。
「あー、しゅんちゃんと全然会ってないんだっけ?」
「俺とやすあきは最後に会ったの小6の時だよな。確か。」
そーいちはそう言った。
「中学の時はこんなんじゃなかったんだけど、高校に入学した時にクラスメイト全員の個性の強さに圧倒したらしくて。」
「『こんな普通な俺じゃ、みんなに相手されないだろうし負けてしまう』と思ってな、わしの好きなアニメのキャラクターの真似をしていこうと決めたのだ。毎日、違うキャラクターでな。」
しゅうちゃんはそう言った。
「俺とか家族とか、親戚の前では今までのしゅんちゃんなんだけどね。学校とか親戚以外にも人がいるとこうなるっぽい。」
「なるほどな。で、しゅんちゃんは何しに来たの?」
そーいちはそう言った。
「ああ、そうだったそうだった。ひろ、わしに付き合え。」
「何しに行くの?」
「買わねばならない代物があってな。ひろの顔も見たかったし、一緒に買い物に行けたらと思ったのだが、大丈夫か?」
しゅうちゃんはそう言った。
「ごめん、しゅうちゃん。俺今から部活なんだよね。」
「え!?…あ。な、何!?部活というものに入ったのか!?」
しゅうちゃんは驚いてそう言った。一瞬、素に戻った気がするけど。
「うん。そーいちが作った部活。」
「おお、ひろが部活を。めでたいなあ。」
「めでたいの?」
「なら、この話は無かったことにしよう。さらばだ。」
しゅうちゃんはそう言って、去ろうとすると、
「あ、しゅうちゃん!」
と、そーいちは言った。
「ん?どうした?」
「しゅうちゃん、ひろきと買い物行っていいぜ。」
そーいちはそう言った。
「え、いいの?」
俺はそう言った。
「いいのいいの。多分、今日もなんでも部を訪ねてくる人はいないだろうし。」
「そうか。…では、ひろ。正門で待ってるぞ。」
しゅうちゃんはそう言って、去っていった。
「本当にいいの?」
俺はそーいちにそう言った。
「うん。しゅうちゃんと楽しんでおいでよ。」
「なんかごめんね。…あれ、やすあきは?」
「え?…あれ?」
あいつ、いつの間に部活行ったんだよ。
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