上 下
26 / 28
第5話:選択

5.きっと上手くいく

しおりを挟む
「今しかないと思った。後で入れない気がした。」

俺はそう言った。

「ほ、本当に…?」

そーいちはそう言った。多分だけど、そーいちは俺に気を遣いすぎだ。中学が違ったのもあるし、きっと誰かから中学の俺のこと聞いたんだろう。俺は、そーいちは優しいけど少し強引な感じでいいと思ってるのに。

「うん。それに、約束の4人いるしね。」

俺はそう言った。

「ひろき…。」
「ほら、教室の鍵閉めちゃうよ。」

俺はそう言った。そーいちは学生カバンを持って教室を出ようとしている。戸惑っているように見えた。小河君は下を向いていたけど、笑っているように見えた。

「…あれ、小河君カバンは?」

俺は小河君が学生カバン持ってないことに気づいてそう言った。

「え?え、あ、きょ、教室だ…。」
「小河君のとこの?え、もしかして鍵閉めてない?カバンの中に貴重品とか入ってる?」

小河君は、頷いた。

「え!?やばいじゃん!」
「ひろき、鍵閉めといて!俺と小河君は教室行っとくから!小河君、教室どこ?」
「2年3組、です。」
「じゃあひろき、そこに一旦集合で!」




「で、その後職員室に2年1組と3組の鍵を返しに行き、部室に来たんですね。」

嘉瀬君はそう言った。
嘉瀬君が立っている前で俺とそーいちは正座をしている。そりゃそうだ。何も言わずに全然部室に来てなかったから。怒られるよなあ。
3人で鍵を返しに行き、部室に行くとお怒りの嘉瀬君が待っていた。なぎさは、寝ていた。今は小河君と話している。俺らは、嘉瀬君の前で正座をし何をしていたか説明した。まあ、主にそーいちが説明してくれたんだけど。

「放課後に、先輩たちの教室で新入部員の相手すること事前にわかってたんですよね?その時にちゃんと僕たちにも連絡してください。僕1人で最初は配ってたんですからね!なぎさ君は週番で途中からしか来れないんですから!」
「本当にごめん。新入部員が教室に来るのすっかり忘れてたからさあ。」

そーいちはそう言った。俺とそーいちで話してたことは言わないでくれた。そーいち、ありがとう。

「大ちゃんまだ怒ってるの?もうそろそろ良くない?」

なぎさはそう言った。

「はあ、今度からは気をつけて下さいね。」

嘉瀬君はそう言った。

「よし終わったね!先輩たち立ってください!」

なぎさはそう言った。俺とそーいちは立ち上がる。

「これでなんでも部無事作れましたね!」
「ああ、そうだな!みんな、テンション上げていこうか!」

そーいちはそう言った。

「誰のせいで下がってたと思ってるんですか。まあ、喜ばしいですけど。」

嘉瀬君はそう言った。

「そういえば、先輩たちは小河先輩に自己紹介したんですか?」

なぎさはそう言った。あ、そういえばしてない。
俺とそーいちは顔を見合わせてから、苦笑いをした。

「もしかして、してないんですか?」

嘉瀬君はため息をついてそう言った。

「ごめんね、嬉しくてつい。」
「むしろ、よく自己紹介せずに話できましたね。」
「まあまあ、大ちゃん落ち着いて。」
「俺は、なんでも部の部長の宮村宗一。2年1組だよ。よろしくね。」

そーいちはそう言った。

「俺は、盛山宏生。もしかして、るいたちから聞いてるかな?」

俺は小河君にそう言うと、小河君は頷いた。

「そっか。そーいちと同じで2年1組です。よろしくね。」
「ヒロ先輩とそーいち先輩は幼馴染という関係なんですよ!」

なぎさはそう言った。

「あ、オレはさっきも自己紹介しましたけど、改めて!今野渚です!1年3組にいるので、いつでも遊びに来てください!」

なぎさはそう言った。

「僕は嘉瀬大輝だいきと言います。クラスは1年2組です。よろしくお願いします。」

嘉瀬君はそう言った。

「あ、えっと、ぼ、僕は小河裕祐です。2年3組です。よ、よろしくお願いします。」

小河君はそう言った。

「部員も揃ったし、顧問もいるし、あとは許可が降りるだけだな!」

そーいちはそう言った。

「これからが楽しみですね!」
「許可書の提出忘れないでくださいね。」
「大丈夫!」
「そーいちの大丈夫は不安しかない。」
「盛山先輩に同じくです。」
「2人ともひどっ!」
「そーいち先輩はなんだかんだで上手くいくから大丈夫ですよ!」
「そうそう。」
「まあ、確かにそーいちはなんだかんだで上手くいってるけど。」
「だろ!よし、それじゃあ気合い入れしとこ!なんでも部頑張っていくぞー!」
「「「「えいえいおー!」」」」

俺以外の4人はそう言った。きっと、上手くいくよね。俺も心の中で気合い入れをした。

第6話に続く。
しおりを挟む

処理中です...