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第5話:選択
1.チャンス
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中村先生がなんでも部の顧問になってくださった後。
俺たちは部室に戻って、あと1人部員をどう確保するか話し合っていた。
「残り少ない期間、チラシ配りだけじゃ部員が増えない気がするんだ。」
そーいちはそう言った。
「そうですね。何かみんながなんでも部に注目することをするのがいいですね。」
嘉瀬君はそう言った。
「うーん。何かありますかね?…あれ、期間っていつまででしたっけ?」
なぎさはそう言って、カレンダーの方を見た。
「4月いっぱいまでに部員1人は入れないと、ひろきが入ってくれないんだ。確か、30日が祝日だから、その前までかな。」
そーいちはそう言った。
「…え?」
「あれ、今日って何日でしたっけ?」
「えっと、にじゅう…」
「ちょっと、そーいち先輩、大ちゃん!呑気にそんなこと言ってる場合じゃないよ!もう今日と明日しかないよ!!」
なぎさはカレンダーの方を指差し、青ざめながら、そう言った。そう、今日は4月26日木曜日だ。
「や、ヤバいじゃないですか!?」
嘉瀬君はそう言った。
「いつもは嬉しい祝日がこんなにいらないと思う日が来るなんて!」
なぎさはそう言った。
「2人とも!何言ってるんだ。今日と明日チャンスがあるじゃないか。」
そーいちは2人を落ち着かせるようにそう言った。
「ですけど、1人捕まります?」
嘉瀬君はそう言った。
「大丈夫。今日ちゃんと考えれば、きっと明日部員になってくれる人が現れると思うから。現れなかった時は俺がひろきをなんとかするから。」
そーいちはそう言った。それを本人の前で言うか?
「そうですね。『今日しかない』よりましだって考えれば!」
なぎさはそう言った。
「じゃあ、どうやって部員を集めるかの話し合いに戻りましょう!」
嘉瀬君はそう言った。
本当、こういうところがそーいちのいいところだなと俺は思った。
そして、次の日。4月27日金曜日。
「あれ、お前1人?」
昼休みに原口が声かけてきた。
「うん。そうだけど?」
「いつもの2人は?」
「そーいちは部活の勧誘で、やすあきはラジオ。」
「あ、そっか。今日アレの日か。」
「すごいよね。1人喋りだよ。俺なら絶対できない。」
「確かに想像できないな。」
原口はそう言って椅子に座り、俺の机に弁当を広げ始めた。
「え?」
「あ?どうした?」
「せめて、『一緒に食べるわ』ぐらい言えよ。」
「それ言ったら、お前遠慮するだろ。」
「まあ、そうかもしれないけど。」
「いつも食べてる連中なら大丈夫だろ、このぐらい。」
原口はそう言って食べ始めた。
「で、食べないの?」
「た、食べるよ。」
そう言って、俺も食べるのを再開した。
「どうなの?部活。新人来た?」
「あと1人なんだけど、入部する人いなくて。それで、今そーいちたちが勧誘してるんだけど。」
「ん?あー今日までだからか。」
「うん。」
「早いなあ。もう4月終わっちゃうのか。」
原口はそう言った。
「GWの予定とかあるの?」
「特には。それより、お前結局部活入んのかよ?」
「なんでも部に?」
「そう。」
「約束だからね。1人見つかったのなら入るよ。」
「見つからなかったら?」
原口はそう言った。
「…どうだろう。結局迷ったままここまできちゃったな。」
「ふーん。」
原口はそう言った。興味ないなら聞くなよ。
俺たちはしばらくそんなことを話しながらご飯を食べていた。
放送で流れていたラジオが終わった頃。
「そーいちくーん!」
と、俺の席の近くの窓から叫ぶ奴が現れた。
「るい。」
俺は、その奴に話しかけた。
「あ、ひろくん。そーいちくんいない?」
るいはそう言った。
「いないけど…。なんで?」
「ちょっと聞きたいことがあって!」
るいは窓から身を乗り出してそう言った。るいの後ろを見ると、るいの友達の藤原君と、あと1人男子高校生がいた。顔がよく見えなくて誰かわからないけど、まあ俺の知らない男子だろうな。
「なんでも部のことか?」
原口がるいにそう言うと、
「そう!よくわかったね!」
と、るいは言った。
「なら、コイツに聞けばわかるだろ。」
原口は親指で俺の方を指してそう言った。
「ええっ!?ひろくんが入った部活ってなんでも部だったの!?」
「話してなかったのかよ。」
原口は俺にそう言った。
「どの部活に入ったか聞かれなかったし。」
俺はそう言った。あと、正式に入ったわけじゃないしね。
「ひろくん、なんでも部だったのかー。なら安心・安全・大丈夫だね!」
るいは頷きながらそう言った。
「何が安全なのか分かんないけど、俺に質問しても答えられないぞ。」
「ひろくんなら大丈夫!なんでも部に入れるか聞くだけだから。」
るいはそう言った。
「は?というか、るいは弓道部で忙しいだろ。」
「入るのはるいじゃないんだ。ごめんね、急に。久しぶり。」
そう言ったのは、藤原君だった。
「あ、うん。久しぶり。」
「入るのはこの子なんだ。」
藤原君はそう言って、隣に立っていた男子高校生の方を見た。
「ジャジャーン!小河裕祐くんです!」
るいはそう言った。
俺たちは部室に戻って、あと1人部員をどう確保するか話し合っていた。
「残り少ない期間、チラシ配りだけじゃ部員が増えない気がするんだ。」
そーいちはそう言った。
「そうですね。何かみんながなんでも部に注目することをするのがいいですね。」
嘉瀬君はそう言った。
「うーん。何かありますかね?…あれ、期間っていつまででしたっけ?」
なぎさはそう言って、カレンダーの方を見た。
「4月いっぱいまでに部員1人は入れないと、ひろきが入ってくれないんだ。確か、30日が祝日だから、その前までかな。」
そーいちはそう言った。
「…え?」
「あれ、今日って何日でしたっけ?」
「えっと、にじゅう…」
「ちょっと、そーいち先輩、大ちゃん!呑気にそんなこと言ってる場合じゃないよ!もう今日と明日しかないよ!!」
なぎさはカレンダーの方を指差し、青ざめながら、そう言った。そう、今日は4月26日木曜日だ。
「や、ヤバいじゃないですか!?」
嘉瀬君はそう言った。
「いつもは嬉しい祝日がこんなにいらないと思う日が来るなんて!」
なぎさはそう言った。
「2人とも!何言ってるんだ。今日と明日チャンスがあるじゃないか。」
そーいちは2人を落ち着かせるようにそう言った。
「ですけど、1人捕まります?」
嘉瀬君はそう言った。
「大丈夫。今日ちゃんと考えれば、きっと明日部員になってくれる人が現れると思うから。現れなかった時は俺がひろきをなんとかするから。」
そーいちはそう言った。それを本人の前で言うか?
「そうですね。『今日しかない』よりましだって考えれば!」
なぎさはそう言った。
「じゃあ、どうやって部員を集めるかの話し合いに戻りましょう!」
嘉瀬君はそう言った。
本当、こういうところがそーいちのいいところだなと俺は思った。
そして、次の日。4月27日金曜日。
「あれ、お前1人?」
昼休みに原口が声かけてきた。
「うん。そうだけど?」
「いつもの2人は?」
「そーいちは部活の勧誘で、やすあきはラジオ。」
「あ、そっか。今日アレの日か。」
「すごいよね。1人喋りだよ。俺なら絶対できない。」
「確かに想像できないな。」
原口はそう言って椅子に座り、俺の机に弁当を広げ始めた。
「え?」
「あ?どうした?」
「せめて、『一緒に食べるわ』ぐらい言えよ。」
「それ言ったら、お前遠慮するだろ。」
「まあ、そうかもしれないけど。」
「いつも食べてる連中なら大丈夫だろ、このぐらい。」
原口はそう言って食べ始めた。
「で、食べないの?」
「た、食べるよ。」
そう言って、俺も食べるのを再開した。
「どうなの?部活。新人来た?」
「あと1人なんだけど、入部する人いなくて。それで、今そーいちたちが勧誘してるんだけど。」
「ん?あー今日までだからか。」
「うん。」
「早いなあ。もう4月終わっちゃうのか。」
原口はそう言った。
「GWの予定とかあるの?」
「特には。それより、お前結局部活入んのかよ?」
「なんでも部に?」
「そう。」
「約束だからね。1人見つかったのなら入るよ。」
「見つからなかったら?」
原口はそう言った。
「…どうだろう。結局迷ったままここまできちゃったな。」
「ふーん。」
原口はそう言った。興味ないなら聞くなよ。
俺たちはしばらくそんなことを話しながらご飯を食べていた。
放送で流れていたラジオが終わった頃。
「そーいちくーん!」
と、俺の席の近くの窓から叫ぶ奴が現れた。
「るい。」
俺は、その奴に話しかけた。
「あ、ひろくん。そーいちくんいない?」
るいはそう言った。
「いないけど…。なんで?」
「ちょっと聞きたいことがあって!」
るいは窓から身を乗り出してそう言った。るいの後ろを見ると、るいの友達の藤原君と、あと1人男子高校生がいた。顔がよく見えなくて誰かわからないけど、まあ俺の知らない男子だろうな。
「なんでも部のことか?」
原口がるいにそう言うと、
「そう!よくわかったね!」
と、るいは言った。
「なら、コイツに聞けばわかるだろ。」
原口は親指で俺の方を指してそう言った。
「ええっ!?ひろくんが入った部活ってなんでも部だったの!?」
「話してなかったのかよ。」
原口は俺にそう言った。
「どの部活に入ったか聞かれなかったし。」
俺はそう言った。あと、正式に入ったわけじゃないしね。
「ひろくん、なんでも部だったのかー。なら安心・安全・大丈夫だね!」
るいは頷きながらそう言った。
「何が安全なのか分かんないけど、俺に質問しても答えられないぞ。」
「ひろくんなら大丈夫!なんでも部に入れるか聞くだけだから。」
るいはそう言った。
「は?というか、るいは弓道部で忙しいだろ。」
「入るのはるいじゃないんだ。ごめんね、急に。久しぶり。」
そう言ったのは、藤原君だった。
「あ、うん。久しぶり。」
「入るのはこの子なんだ。」
藤原君はそう言って、隣に立っていた男子高校生の方を見た。
「ジャジャーン!小河裕祐くんです!」
るいはそう言った。
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