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第4話:中村先生と部室
5.作戦
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次の日。放課後。
俺らなんでも部4人は職員室のドアの前にいた。昨日、職員室に行ったら、「中村先生はもう帰ってるよ。」と言われ、今日突撃することになった。
「よし、それじゃあ作戦通りでな。行くぞ。」
そーいちはそう言った。俺らが頷いたのを確認すると、ドアをノックした。
「失礼します。なんでも部です。中村先生に用事があります。入ってもいいでしょうか?」
そーいちがそう言うと、中から
「どうぞ。」
と言う声が聞こえた。
俺らは職員室の中に入り、中村先生が座ってるところへ向かった。
「僕に何か用かな?もしかして、顧問のお誘い?」
中村先生はそう言った。
「中村先生、勘が鋭いですね。」
なぎさがそう言ったのを聞いて、中村先生はため息をついた。
「今野君、言ったでしょ。僕は顧問をしないって。」
中村先生がそう言うと、そーいちは俺の方を見た。合図だ。
「先生、実は部室でこんなものを見つけたんです。」
俺はそう言った。そーいちはアルバムを中村先生に見せた。
「何?それは。」
中村先生は表紙だけ見ても何なのかわからないのかそう言った。そーいちはアルバムを開き、そこにある写真を見せる。
「これはアルバムです。先生、この写真に見覚えありませんか?」
そーいちはそう言った。中村先生は少し目を見開いたように見えたが、すぐ目を逸らし、
「何を言ってるんだ。見たことあるわけ…」
と、言ったところを遮り、
「あるに決まってますよねえ!先生写ってますし!動揺してますよね?」
と、なぎさが大声で言った。テンション高くない?
「…。」
先生は黙ってしまった。
「先生。確実に何か隠してますよね?そうですよね?あの部室に何か絶対関係ありますよね?そうとしか思えないんですけど!」
「ちょっとなぎさ。詰め寄りすぎ。」
俺はなぎさにそう言った。予定通りやれ。
「先生ー。これー、知られたくないんじゃーないですかー?何かー、部活とー、関係あることー知られなくなさそーでしたしー。」
嘉瀬君はそう言った。そーいちが言えって言った台詞だけど、棒読みすぎるよ!
「あ、えっと、とりあえず、このアルバムを返してほしければ、なんでも部の顧問になってください!ってことです。」
嘉瀬君の棒読みに少し焦りながらも、そーいちはそう言った。
「…いや、いい。確かに、あの教室には、部活には、色々…。でも、具体的には分かってないだろ?」
やっぱり。先生はそう言った。
やっぱりそう言うと思った。俺ら4人は顔を見合わせた。最後の手段をするために。
俺以外の3人は土下座をした。
「「「お願いします!」」」
3人は大声でそう言った。職員室にいる先生たちは3人のやっている行動を見て、ザワザワし始めた。
「え、ちょっと!?」
中村先生はそう言った。
「もうこうするしかありません!」
そーいちはそう言った。中村先生は、困ったように俺の方を見た。俺は苦笑いをしながら、昨日のことを思い出す。
「よし、これできっと中村先生を顧問にできるぞ!」
「ちょっと待って。」
そーいちが言ったことに対し、俺はそう言った。
「どうした?」
「ちょっと考えたんだけどさ、このアルバムだけじゃ本当にこの部室と関係あるって言えるのかなって。」
俺はそう言った。
「でも、この部室から出てきたアルバムですよ?ありありでしょ!」
なぎさはそう言った。
「まあ、そうかもしれないけど、ここに置いてただけっていう可能性もあるし、本当は関係あるけど誤魔化す可能性もありそうだと思って。誘うなら、他の案も考えた方が良いかもなって。」
俺はそう言った。
「確かにそういうことしそう。中村先生、頭いいからなあ。」
なぎさはそう言った。先生をどう見てるの?
「なら良い案がある。」
そーいちはそう言った。
「え、そうなの?」
俺がそう言うと、
「うん、お前も知ってるあれだよ。」
と、そーいちはそう言った。あれ?
「あれって何ですか?」
嘉瀬君はそう言った。
「土下座だよ。」
そーいちはドヤ顔でそう言った。…は?
「なるほど。」
なぎさはそう言った。何納得してるの?
「土下座をすることで、目立つ。そう、目立つということは色んな人に見られるってことだ。」
「目立つことが嫌いな中村先生にうってつけですね!」
「中村先生が目立つこと嫌いなの初耳だし、土下座することに恥じらいはないのか?」
俺はそう言った。…もしかして俺を誘う時土下座したのってそういうことなのか!?
「安心しろ。ひろきは土下座しなくていいから。」
「え?」
「ひろきには他の役割がある。」
…あの時そう言われたけど、今やるべきなのか?そーいちを見ると、俺の方を見て「やれ」と言ってるようだった。
俺はため息をついて言う。
「中村先生、諦めて顧問になった方がいいですよ。宮村君、部長は頑固ですので。」
「宮村君が部長なんだね。」
先生がそう言うと、そーいちは
「はい!」
と大声で言われた。
「多分、先生が顧問になるまでこの体制のままここを動かないと思いますよ。先生もそれは嫌ですよね?他の先生から、『うわ、生徒に土下座させてる。』と引かれたくないですよね?」
俺がそう言うと、先生は困ったような表情になった。ごめんなさい、こんなことになってしまって。
「お願いします。俺が後でみんなを叱っとくので、とりあえずここは顧問になってください。じゃないと、俺もどうにもできないので。」
俺は頭を下げて言った。そーいち、これで上手くいくんだろうな?
「…わかったよ。なんでも部の顧問になるよ。だから、顔をあげなさい。3人は立って。」
中村先生は諦めたのか、そう言った。
「本当ですか!?」
なぎさは立ち上がって言った。
「ただし、僕は何もしないからね。いい?」
「大丈夫です。多分ですけど。」
そーいちはそう言って、アルバムを中村先生に渡した。
「良かったです。これで断られたらどうしようかと思いました。」
嘉瀬君はそう言った。
「よし、あとは部員残り1人集めるだけ!部室戻って作戦会議だ!」
「「おー!」」
そーいちが言ったことに対し、後輩の2人がそう言ったが、
「こら、ここ職員室だから静かに。」
と、中村先生に叱られたのだった。
第5話に続く。
俺らなんでも部4人は職員室のドアの前にいた。昨日、職員室に行ったら、「中村先生はもう帰ってるよ。」と言われ、今日突撃することになった。
「よし、それじゃあ作戦通りでな。行くぞ。」
そーいちはそう言った。俺らが頷いたのを確認すると、ドアをノックした。
「失礼します。なんでも部です。中村先生に用事があります。入ってもいいでしょうか?」
そーいちがそう言うと、中から
「どうぞ。」
と言う声が聞こえた。
俺らは職員室の中に入り、中村先生が座ってるところへ向かった。
「僕に何か用かな?もしかして、顧問のお誘い?」
中村先生はそう言った。
「中村先生、勘が鋭いですね。」
なぎさがそう言ったのを聞いて、中村先生はため息をついた。
「今野君、言ったでしょ。僕は顧問をしないって。」
中村先生がそう言うと、そーいちは俺の方を見た。合図だ。
「先生、実は部室でこんなものを見つけたんです。」
俺はそう言った。そーいちはアルバムを中村先生に見せた。
「何?それは。」
中村先生は表紙だけ見ても何なのかわからないのかそう言った。そーいちはアルバムを開き、そこにある写真を見せる。
「これはアルバムです。先生、この写真に見覚えありませんか?」
そーいちはそう言った。中村先生は少し目を見開いたように見えたが、すぐ目を逸らし、
「何を言ってるんだ。見たことあるわけ…」
と、言ったところを遮り、
「あるに決まってますよねえ!先生写ってますし!動揺してますよね?」
と、なぎさが大声で言った。テンション高くない?
「…。」
先生は黙ってしまった。
「先生。確実に何か隠してますよね?そうですよね?あの部室に何か絶対関係ありますよね?そうとしか思えないんですけど!」
「ちょっとなぎさ。詰め寄りすぎ。」
俺はなぎさにそう言った。予定通りやれ。
「先生ー。これー、知られたくないんじゃーないですかー?何かー、部活とー、関係あることー知られなくなさそーでしたしー。」
嘉瀬君はそう言った。そーいちが言えって言った台詞だけど、棒読みすぎるよ!
「あ、えっと、とりあえず、このアルバムを返してほしければ、なんでも部の顧問になってください!ってことです。」
嘉瀬君の棒読みに少し焦りながらも、そーいちはそう言った。
「…いや、いい。確かに、あの教室には、部活には、色々…。でも、具体的には分かってないだろ?」
やっぱり。先生はそう言った。
やっぱりそう言うと思った。俺ら4人は顔を見合わせた。最後の手段をするために。
俺以外の3人は土下座をした。
「「「お願いします!」」」
3人は大声でそう言った。職員室にいる先生たちは3人のやっている行動を見て、ザワザワし始めた。
「え、ちょっと!?」
中村先生はそう言った。
「もうこうするしかありません!」
そーいちはそう言った。中村先生は、困ったように俺の方を見た。俺は苦笑いをしながら、昨日のことを思い出す。
「よし、これできっと中村先生を顧問にできるぞ!」
「ちょっと待って。」
そーいちが言ったことに対し、俺はそう言った。
「どうした?」
「ちょっと考えたんだけどさ、このアルバムだけじゃ本当にこの部室と関係あるって言えるのかなって。」
俺はそう言った。
「でも、この部室から出てきたアルバムですよ?ありありでしょ!」
なぎさはそう言った。
「まあ、そうかもしれないけど、ここに置いてただけっていう可能性もあるし、本当は関係あるけど誤魔化す可能性もありそうだと思って。誘うなら、他の案も考えた方が良いかもなって。」
俺はそう言った。
「確かにそういうことしそう。中村先生、頭いいからなあ。」
なぎさはそう言った。先生をどう見てるの?
「なら良い案がある。」
そーいちはそう言った。
「え、そうなの?」
俺がそう言うと、
「うん、お前も知ってるあれだよ。」
と、そーいちはそう言った。あれ?
「あれって何ですか?」
嘉瀬君はそう言った。
「土下座だよ。」
そーいちはドヤ顔でそう言った。…は?
「なるほど。」
なぎさはそう言った。何納得してるの?
「土下座をすることで、目立つ。そう、目立つということは色んな人に見られるってことだ。」
「目立つことが嫌いな中村先生にうってつけですね!」
「中村先生が目立つこと嫌いなの初耳だし、土下座することに恥じらいはないのか?」
俺はそう言った。…もしかして俺を誘う時土下座したのってそういうことなのか!?
「安心しろ。ひろきは土下座しなくていいから。」
「え?」
「ひろきには他の役割がある。」
…あの時そう言われたけど、今やるべきなのか?そーいちを見ると、俺の方を見て「やれ」と言ってるようだった。
俺はため息をついて言う。
「中村先生、諦めて顧問になった方がいいですよ。宮村君、部長は頑固ですので。」
「宮村君が部長なんだね。」
先生がそう言うと、そーいちは
「はい!」
と大声で言われた。
「多分、先生が顧問になるまでこの体制のままここを動かないと思いますよ。先生もそれは嫌ですよね?他の先生から、『うわ、生徒に土下座させてる。』と引かれたくないですよね?」
俺がそう言うと、先生は困ったような表情になった。ごめんなさい、こんなことになってしまって。
「お願いします。俺が後でみんなを叱っとくので、とりあえずここは顧問になってください。じゃないと、俺もどうにもできないので。」
俺は頭を下げて言った。そーいち、これで上手くいくんだろうな?
「…わかったよ。なんでも部の顧問になるよ。だから、顔をあげなさい。3人は立って。」
中村先生は諦めたのか、そう言った。
「本当ですか!?」
なぎさは立ち上がって言った。
「ただし、僕は何もしないからね。いい?」
「大丈夫です。多分ですけど。」
そーいちはそう言って、アルバムを中村先生に渡した。
「良かったです。これで断られたらどうしようかと思いました。」
嘉瀬君はそう言った。
「よし、あとは部員残り1人集めるだけ!部室戻って作戦会議だ!」
「「おー!」」
そーいちが言ったことに対し、後輩の2人がそう言ったが、
「こら、ここ職員室だから静かに。」
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第5話に続く。
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