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第4話:中村先生と部室

2.先生と生徒

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トイレから出て部室に戻ると、中には今野君と先生がいた。えっと、「中村先生」って今野君呼んでたっけ?

「ちょっと、ヒロ先輩遅いですよ!」

今野君はそう言った。

「そんなに時間経ってないからな。それに、怒られてるのを先輩のせいにするんじゃない!」

中村先生はそう言った。

「何があったんですか?」

俺はそう言った。

「今野君が宿題出してないことと遅刻してくることを怒ってただけだよ。ごめんね、部活の邪魔しちゃって。」
「あ、いえ全然…!」

まだ、部活らしいこと全然してないから謝られても困る。

「もうちょっと早く帰って来てたら、そんなに怒られなかったのに。」
「だから、先輩のせいにするな。次遅刻してきたら反省文書かせるからな。」
「はあ!?なんでですか!」

今野君はそう言った。なんでって、遅刻するからだろ。

「ごめんね、さっきは急に話しかけて。」

中村先生は今野君を無視して、俺の方見て話しかけてきた。

「大丈夫ですよ。」
「僕は国語科担当の中村典隆のりたかです。1年3組の担任をしています。よろしくね。」
「あ、よろしくお願いします。盛山宏生といいます。」
「あ、だからヒロ先輩…。」

中村先生はそう呟いた。多分、名前からというよりかは佐野昌志の影響だと思いますけどね。とは言えず。

「そういえば、ヒロ先輩。まだオレのこと苗字で呼んでるんですか?名前で呼んでくださいよ!」
「え?あ、うん。わかった。」
「それで、さっきの続きになるんだけど。ここでどんな部活をしているのかな?」

中村先生はそう言った。

「え?先生、興味あるんですか?なんなら、顧問の先生なります?」

今野君…なぎさはそう言った。

「遠慮しとく。」

中村先生はそう言った。

「ここは、なんでも部っていう名前の部活で、自分たちのできる範囲でお助けする、まあボランティアみたいなことをする部活です。」

俺はそう言った。やっぱり、ボランティア部の方が良かったと思うな、名前。そーいちはここの教室借りる時、この部活のことどう説明したんだろう。

「そっか。ありがとう、教えてくれて。」

中村先生はそう言った。

「先生、顧問の先生なってくださいよー。何も部活の顧問やってないんだし。」

なぎさはそう言った。

「ごめんな、他の人をあたってくれ。」
「他の人なかなか見つからないんですよ!ね、先輩!」
「え?ああ、うん。」

まず、顧問探しやってないからなあ、俺は。曖昧にしか返事ができない。

「そう言われてもなあ。」
「それとも、何か顧問できない理由があったりするんですか?」

なぎさはそう言った。

「…まず、僕は部活することに反対派なんだ。じゃあ、僕はそろそろ行くよ。2人とも邪魔してごめんね。」

中村先生はそう言って、部室を出ていった。

「…怪しい。」

中村先生が出ていったのを確認して、なぎさはそう言った。

「何が?」
「あの感じ、オレが言ったことが図星だった気しません?」
「うーん、まあ顔は顰めてた気がするけど。」
「絶対何かありますよ。もしかしたら、この部室の謎に関係するかもですし。」
「何でそうなるかはわかんないけど、何かは隠してそうだよな。」
「よし、これはそーいち先輩に相談して、調査するのみですね!」

なぎさはそう自信満々に言った。あー厄介なことになりそう。
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