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第3話:佐野昌志は知っている

1.日付

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部室の掃除を始めて2日後にその作業が終わり、土日挟んで月曜日。放課後、部室。今日からなんでも部の部員を集める為のチラシ配りを始めようとしていた。

「ゴホン。」

床に座ってたそーいちは咳払いをして立ち上がり、言う。

「なんでも部を作るのに残り必要なのは、最低2人部員を集めることとなんでも部の顧問になってくれる先生を探すことの2つだ。」
「顧問の先生を見つける前に、宏生先輩を正式な部員にするのも必要なことですよね!」

と、今野君は手を挙げて言った。そーいちは頷いて、話を続ける。

「それらを達成した後、この紙に部員と顧問の名前を書いて、生徒会に提出して生徒会から教頭先生に渡り、その後校長先生に渡って正式に部活として認められるらしいが…。これからやることは部員集めのチラシ配り。」
「オレと宗一先輩でチラシ配りして、宏生先輩は部室で待機して部室に直接来てくれた人の対応ですよね!」

今野君はそう言った。

「その通り。でも、ひろき。本当に1人で大丈夫か?」
「うん。それにチラシ配りの方が人数必要でしょ?」
「まあ、そうか。」
「じゃあ、オレたちは正門付近に行きましょう!今の時期、新入部員を入れようと他の部活に入ってる人たちがチラシを配ってますからね。オレたちも頑張りましょう!」

と、今野君は言って立ち上がった。

「じゃあ、行くか!ひろき、頼んだぞ。」

そーいちはそう言って、なぎさと教室から出ていった。出る前になぎさは俺に向かって「頑張りましょうね!」と言いながらガッツポーズをした。俺は頷き、手を振った。

正式な部員じゃない俺が部室にいて、人が来た時説明できるのか?と考えたけど、チラシ配ってる最中に「どんな部活なんですか?」と聞かれる方が答えるの難しいかなと思った。チラシ配ってる人が説明できないのは流石にまずいかなって。部室に来た人なら、そーいちや今野君が来るまでその人と雑談して待っとくことできるかもしれないと思った。

なんて、言い訳みたいなこと考えてるんだろうと思いながら伸びをして、立ち上がった。

それにしても不思議な部室だ。片付けてると、色んな服出てきたり、紙を綴じているファイルが本棚に置いてあるのを見つけたりした。段ボールからヒーローの変身道具も出てきて、それを見つけたそーいちが「え、これあるのすご!?俺らの生まれる前のだよ!」と言いながら、変身ごっこし始めた時はどうしようかと思った。机や椅子は先生たちに頼んで、一緒に片付けてもらった。たまによくわからないものが出てきて、それも先生たちに頼んだ。

一体何のために使われてた教室なんだ?と思った。そしてそれと同時に、もしかしてあいつはわざと「この教室を部室にしてもいいよ」と俺に言ったんじゃないかとも。反応を見たくて、面白がってそう。

「あれ、ヒロ君1人しかいないの?」

そう言って部室に入ってきたのは、今ちょうど考えていたあいつ、昌志だった。

「あーもしかして、なんでも部に興味ある人ですか?」

俺はわざとそう言った。

「うわあ、この教室綺麗になったね。この間までの教室と一緒なんて思えないよ。」

昌志は俺の言ったことを無視してそう言った。

「何の用?」

俺はそう言った。

「なんでも部のみんなにプレゼントと思って。本当は、生徒会で友達から『これいらないから必要にしてる人見つけてあげて。お前ならすぐ見つけそうだし。』と言われて持ってきたんだけど。」

昌志はそう言って、磁石を使ってを黒板に貼った。俺はそのを見る。そして、言う。

「カレンダー?」
「そう。いらないなら、捨てるけど。」

昌志はそう言った。

「ありがとう。多分いると思うから、捨てなくて大丈夫。」
「そうだね、誰かさんとの約束で4月過ぎてないか確認するために必要だもんね。」

昌志は俺を見てそう言った。

「あれ、今日って何日だっけ?」

俺は無視してそう言った。

「ん?23日だよ。」
「あ、そっか。23日…え?」

俺はカレンダー見ながらそう言い、固まってしまった。昌志は隣でにやついていた。
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