スリーサムトーキング

みつきりほ

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第1回「急展開な話」

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5月上旬。ゴールデンウィーク明け。
とある大学は今日、休み明けだからか出席率が悪かったらしい。その大学の5限の時間帯。今日の授業が終わったとある生徒2人がとある教室にいた。教室の席につき、2人でゲームをしている。

「よし!勝ったー!」

古賀こが翔太しょうたはゲームに勝ったと思いそう言った。

「いやいや、ちゃんと画面見てみ?」

依藤太一よりふじたいちはそう言った。翔太はそれに従いゲームの画面を見ると、「あなたは2位」という文字が出ていた。太一が1位になってることに気づいた翔太は

「え、なんで!?」

と言った。

「ギリギリ、アイテムの力で勝ったってことかな?」

と太一は得意げにそう言った。

「くそっ!やっと帰れると思ったのに。」

翔太はそう言った。

「ということで、また10分後勝負ね。」

太一はそう言った。

「というか、そろそろ話してよ。なんで帰さないのか。」

翔太はそう言って頬杖ほおづえをついた。

「だから、隼人はやとくんが来てから話すって。」

太一はそう言って伸びをした。

「隼人来るの遅いし、もう言っちゃっていいよ。隼人には後で言ってさ。」

翔太はそう言った。

「えー話しちゃうの?」

太一はそう言った。

「早く。俺は帰って寝たいの。」

翔太はあくびをしながら言った。

「しょうがない。早めの発表になっちゃうけど。」

太一はそう言って立ち上がり、翔太が座る席の前に立った。

「僕、決めました。僕らで、ラジオ作りましょう!」

太一はそう言った。

「…え?」

翔太はそう言った。

「ということで、僕ラジオサークル作りました。ちゃんと許可取ってきたよ。もちろん、メンバーは僕と翔太くんと隼人くんね。」
「え、ちょっと待って。頭が追いつかない。」

翔太は太一が言ってることに対してそう言った。

「えっと、まず整理させて。太一はラジオを作りたいの?」
「うん。この3人で作ったらきっと面白いものができる気がして。」
「ということは、俺ら3人がパーソナリティってこと?」
「違うよ。翔太くんと隼人くんがパーソナリティで、僕が作家。台本書くの。」

太一は「当然だろ?」と言うように言った。

「もうその時点で俺は頭混乱中なんだけど…。え?なんで俺と隼人がパーソナリティなの?」
「だって、君と隼人くんの会話面白いからさ。」
「面白かったとしても!俺やらないからな。」
「そんなこと言われても、もうラジオ作るためのサークル作っちゃったし、許可ももらってきたし。」

太一はそう言って、サークル許可書の紙を翔太に見せた。

「え、なんで!?」

翔太は机を勢いよく叩いて立ち上がり、そう言った。

「大丈夫だよ、翔太なら。」

太一はそう言った。

「もう、どうするんだよ…。」

翔太はそう呟きながら、椅子に座った。

「あ、翔太もう帰る?眠いんだよね?」
「もう眠気吹っ飛んだわ!」
「ちなみに、ラジオサークルって名前にしたんだけど、サークルの活動する教室ここにしたから。」
「はいはい。もうやるしかないもんね!」

2人がそんな話をしていると、教室に向かって走ってくる音が聞こえてきた。その足音を出してた人は教室のドアを開けて、

「ごめん、遅れた!」

と言った。

「隼人遅い。何してたの?」

翔太はそう言った。

「ちょっと先生に授業の質問してたら遅れちゃった。で、太一の大事な話って何?」

遅れてきた山元やまもと隼人はそう言った。

「隼人くん、サークルに入りたいけど、入りたいのがなくて困ってるって言ってたよね?」

太一はそう言った。

「うん。」

隼人はそう言って頷いた。

「じゃあ大丈夫だ。」

太一はそう言った。

「確認適当かよ!隼人にもちゃんと説明しろ!」

翔太はそう言った。

「え、何?どうしたの?」

隼人は状況が読み込めず、そう言った。

太一が隼人に、翔太に話したことと同じことを言った後、隼人は

「へえ…!」

と言った。

「隼人も勝手に決められて嫌だろ。ラジオやりたいなんて一言も言ってないし、なあ隼人…」

そう言いながら翔太は、隼人の顔を見ると「面白そう…!」とでも言いたそうに目をキラキラしていたので、

「あ、そうでもなさそうだな。」

と翔太は言った。

「みんなでラジオ制作か…!なんか楽しそうだね!」
「お前、いいの?『人見知りな方だから、人がある程度いるサークル入って色んな人と仲良くなりたい』とかそんな感じのこと、お前言ってたじゃん。」

翔太は隼人にそう言った。

「え?まあそうだけど、楽しそうだしこのサークルにします!」

隼人はそう言った。

「というか、サークル作る時に君たちの名前書いちゃったから、サークル来てもらわないと困るんだけど。」

と太一は言った。

「だから、なんでお前名前書いちゃったんだよー!俺らの了承得てからにしろよ!」

翔太は頭を抱えながらそう言った。

「え、翔太嫌なの!?ラジオ制作楽しそうなのに…。」

隼人はしょんぼりしながらそう言った。

「というか、お前俺の味方じゃないのな。太一の味方なのな。」
「きっと楽しいよラジオ制作。」
「ほら、隼人くんもこう言ってることだし、翔太も諦めて作ろう。」

太一はそう言った。

「もうとっくに諦めてますよ。いいよ、お前らとラジオ作る。ラジオサークル入ります。」

翔太は仕方なくそう言った。

「「やったー!!」」

太一と隼人は喜んでそう言った。隼人が太一の味方だというのを確信し、翔太は深いため息をついたのであった。


第1回終わり。次回の更新をお楽しみに!
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