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浅草寺の境内の隅で鬼黒は石に腰掛け黒い瓦に覆われた本堂をぼんやりと眺めていた。三月下旬の陽の光は柔らかくそのぼってりとした入母屋造の屋根の上に降り注ぎ、微かな風は扉の前に下げられた刺繍の施された帳の上で遊んでいた。雲一つないよく晴れた日だった。あの大晦日の夜のような体の芯まで凍らせるような寒さはもうなかった。
あの日吉原は一晩中燃え続け、その八割方を灰にして明け方に漸く鎮火した。
郭の裏手で鬼黒はその燃え上がる郭を眺め、凍える体を綾松と重ね互いに内から湧き出す熱で温め合い朝を迎えた。空が白み年の初めの日が昇るのを見届けて二人は大門に回った。門の前は郭から逃げ出した者、火事場見物に押し掛けた者、火消、役人たちでごった返していた。その人混みの中二人は別れた。鬼黒は四郎兵衛会所の若い者として、綾松は萬屋の花魁としてそれぞれの場所に戻った。
あれから二人は言葉を交わしていない。
鬼黒の背に当たる陽の光が形作る背の低い影の横に、背の高い影が並ぶ。
「元気そうだな」
鬼黒が振り返ると、そこに一之進の姿があった。
「お蔭さんで」
また元のように浅草寺本堂を見上げて鬼黒は言った。
「お暇そうで」
「御陰様でな」
ぽつりと呟く鬼黒に一之進が応える。
郭での一件の後一之進は多忙を極めた。避難した郭の人間の確認、焼け死んだ者の遺体の確認と身元の割り出し、その他諸々。それらを漸く済ませて体の空いたところで、次のお勤め前の暫しの非番を甘受していた。
大半が焼け落ちた吉原では顔番所はもう用をなさない。一之進は奉行所内役を仰せつかるだろう。そうなれば八丁堀組屋敷と奉行所を往復する日々となり、御役によっては自由に江戸表を歩く余裕もなくなるかも知れない。
そうなる前に一之進は鬼黒の様子を確かめておこうと、人伝に居場所を尋ねてここに来たのだっだ。
「色々世話になりやした」
鬼黒が背を向け座ったまま言う。一之進はそれを咎めることもなく足を進めて鬼黒の横に並んで石に腰を下ろした。
殊更に世話をした訳ではない。ただ御役目を全うしただけだ。一之進はそう思ったが口には出さなかった。
焼け残った九郎助稲荷前で斬殺体が発見された。その周りで火事の煙と熱気を吸って息絶えたと思われる門付芸人たちの遺体も見つかった。直ちに町奉行所が動いた。一之進は上役の与力を通じて奉行依田和泉守に、遺体は但州岩渕藩で犯罪を犯し脱藩した葛野源四郎という男であること、斬ったのは但州岩渕藩藩士大仁田新九郎であること、私闘ではなく仇討ちであったこと、そのことは既に奉行所に届けられていることを上申し、葛野とともに見つかった男たちは葛野の手先である狼藉者であると報告を行った。
直ちに大仁田新九郎捜索の命が下り、吉原四郎兵衛会所で鬼黒と名前を変えていた新九郎が引き立てられた。新九郎は詮議に対して届け出にある通りの供述をし、そこに至った過程について説明を行った。それを受けて岩渕藩江戸屋敷に確認が行われたが、藩の記録との齟齬を指摘され詮議は難航した。
そこに火付盗賊改方が横槍を入れてきた。葛野の配下とされる男たちが吉原に火を放ったことの証言があり、鬼黒こと大仁田新九郎もその一味であったことが疑われた。一之進は自分が仇討ちの場で実地に見届けた子細を申し渡して大仁田新九郎は火災とは無関係と主張したが、火付盗賊改方の身柄の引き渡し要求は取り下げられることがなかった。
大仁田新九郎の身柄は奉行所から小伝馬町牢屋敷へと送らた。町奉行所と火付盗賊改方の間で詮議の主導がどちらで行われるべきかと争いが続いた。
早急の解決を望んだ一之進は、両者が審議を重ねる間、葛野の手先となった者が他にいないか探した。もしその者の口を割らせることが出来れば、晴れて新九郎の付け火荷担の疑いは晴れ、仇討ちの詮議のみとなって縺れてしまった糸を解きやすくなるのではないかと考えた。
結局吉原で死んだ者以外に葛野の手下を見付けることはなかった。新九郎はそのまま小伝馬町牢屋敷で過ごすことを余儀なくされた。
事態が急変したのは新九郎が小伝馬町に送られて半月ほどたってからのことだった。急遽下った火付盗賊改方長官の命により、身柄引き渡しの要求が取り下げられた。子細は語られることはなかったが、さる大名筋からの要請があったということだけが伝えられた。
詮議は町奉行所主導に一本化され、最終的には大仁田新九郎は仇敵葛野源四郎を討ち果たし、その結果吉原炎上を謀った兇賊葛野をも成敗したとされ、お構いなしとして放免された、その背後にもまたさる大名筋からの要請があったと噂された。
一之進はその大名筋からの要請という話に、茂十郎の顔を思い浮かべた。実際に茂十郎の働きが裏であったかどうか確かめる術はなかった。しかし一連の詮議で全ての元凶となった金碗一族の秘事についての取り調べが一切行われなかったことに、一之進は茂十郎の力添えがあったであろうことを疑わなかった。
燃え盛る吉原から共に脱したあの日、隠し銀山に本当に埋蔵金は眠っているのだろうかと疑問を漏らした一之進に茂十郎は応えた。
「あるともないとも言えん。むしろあるともないとも言わんのが正しい。今の世に公に扱われる以外の金銀が流れれば、相場はたちまち混乱を極める。そうなれば御公儀の政ばかりではなく、諸国の民草、町の庶民の暮らしそのものが立ち行かなくなる。苦しむ者が多く出る。死ぬ者も多く出る。ならば本当にあるかないかについて詮索するよりも、最初からそんな話は聞かなかったことにして捨て置くのが得策というものよ」
茂十郎は重ねて言った。
「金碗一族の秘事など時の流れに埋もれてしまえばいいのよ。金碗の娘だった女が生き、その女と互いに思い合う一人の男が生きている。それだけで良かろうよ」
一之進も心底そう思った。
一之進はすっかりと痩せ細り、肉の削げてしまった鬼黒の顔をさりげなく眺めた。
吉原が苦界なら小伝馬町牢屋敷はこの世の地獄。中での暮らしは陰惨を極める。名主を頂点に牢内の力関係は囚人の手で厳密に組まれ、その仕組みについては役人も口を挟まない。力のない者は食事も寝床も満足に得られず、収監されている間に詮議の決着を見ずに命を落とす者も数知れない。それでもこの男は辛抱強く耐え、生きて出て来た。一之進にはそのことが嬉しかった。
「綾松はどうしているかな」
ぽつりと一之進が零す。
「仮宅で宜しくやってるさ」
ぽつりと鬼黒が呟く。
郭の妓楼は焼けてしまったが、妓楼主は御公儀のお墨付きが得られれば、郭が再建されるまで民家や商家を借り受けて仮の妓楼を開くことが出来る。あの火事で萬屋も全焼してしまったが、火から逃れることも出来た主の惣右衛門も生き延びた者を集めて深川仲町で仮宅を開いている。
「そうか」
一之進は造りも飾りも元の萬屋とは比べるべくもなく狭く質素になった場所で、凜と背筋を伸ばす花魁の姿を思い浮かべてほんの少し微笑んだ。
「貴様はどうするんだ。新九郎」
急に古い名前で呼びかけた一之進に鬼黒が頭を巡らす。
「どうとは」
「綾松の年季も後数年で終わるのだろう? 一緒に国元に帰らんのか。仇討ちの件、藩に認められたなら再び仕官することも出来るだろうに」
問われた鬼黒は暫く黙り込んでいたが、一之進の呼んだ大仁田新九郎として答える。
「一度改易して他の藩士に分け与えらた俸禄を再度取り上げるような真似は致しかねる。恨みを買い新たな火種を生む事になりかねぬ故。父も要らぬ争い事はすべからず。生きておればそう言いましょう」
鬼黒はゆっくりと立ち上がる。
「それに」
線の細くなった体に纏った黒い長半纏の裾を翻して鬼黒が振り向き一之進を見つめる。
「それにその名はもう捨てたんだ。大仁田新九郎はもういない。いるのはこの俺。ただの鬼黒よ」
鬼黒の顔に笑みが浮かぶ。その笑みに何か吹っ切れたようなものを感じて、一之進はそれ以上言うのを止める。
「では。旦那。これで失礼致しやす」
鬼黒は一人の町人として武士である一之進に丁寧に頭を下げると、ゆっくりとした足取りで立ち去る。一之進が立ち上がり、黒い長半纏の背に問い掛ける。
「そのうち蕎麦でもどうだ」
返事の代わりに鬼黒の口から新内節の一節が流れ出す。
暫く見送った一之進が、やおら踵を返して歩み出す。互いに背を向け合い離れて行く二人の頭上を一羽の鳥が飛ぶ。
鳥は暫く男たちを見下ろすように、空をゆっくりと旋回していたが、やがて何かに導かれるようにして力強く羽ばたくと、西の空へと消えていった。
【主要参考文献】
永井義男『図説吉原事典』朝日文庫、二〇一五年。
三谷一馬『江戸吉原図聚』中公文庫、一九九二年。
佐藤要人・編『三省堂川柳吉原便覧』、三省堂、一九九九年。
湯沢幸吉郎『廓言葉の研究』明治書院、一九六四年。
稲垣史生『時代考証事典』新人物往来社、一九一年。七
稲垣史生『続・時代考証事典』新人物往来社、一九八五年。
横倉辰次『江戸町奉行 江戸時代選書6』雄山閣、二〇〇三年。
笹間良彦『図説江戸町奉行所事典』柏書房、一九九一年。
西山松之助・ほか編『縮刷版 江戸学事典』弘文堂、一九九四年。
あの日吉原は一晩中燃え続け、その八割方を灰にして明け方に漸く鎮火した。
郭の裏手で鬼黒はその燃え上がる郭を眺め、凍える体を綾松と重ね互いに内から湧き出す熱で温め合い朝を迎えた。空が白み年の初めの日が昇るのを見届けて二人は大門に回った。門の前は郭から逃げ出した者、火事場見物に押し掛けた者、火消、役人たちでごった返していた。その人混みの中二人は別れた。鬼黒は四郎兵衛会所の若い者として、綾松は萬屋の花魁としてそれぞれの場所に戻った。
あれから二人は言葉を交わしていない。
鬼黒の背に当たる陽の光が形作る背の低い影の横に、背の高い影が並ぶ。
「元気そうだな」
鬼黒が振り返ると、そこに一之進の姿があった。
「お蔭さんで」
また元のように浅草寺本堂を見上げて鬼黒は言った。
「お暇そうで」
「御陰様でな」
ぽつりと呟く鬼黒に一之進が応える。
郭での一件の後一之進は多忙を極めた。避難した郭の人間の確認、焼け死んだ者の遺体の確認と身元の割り出し、その他諸々。それらを漸く済ませて体の空いたところで、次のお勤め前の暫しの非番を甘受していた。
大半が焼け落ちた吉原では顔番所はもう用をなさない。一之進は奉行所内役を仰せつかるだろう。そうなれば八丁堀組屋敷と奉行所を往復する日々となり、御役によっては自由に江戸表を歩く余裕もなくなるかも知れない。
そうなる前に一之進は鬼黒の様子を確かめておこうと、人伝に居場所を尋ねてここに来たのだっだ。
「色々世話になりやした」
鬼黒が背を向け座ったまま言う。一之進はそれを咎めることもなく足を進めて鬼黒の横に並んで石に腰を下ろした。
殊更に世話をした訳ではない。ただ御役目を全うしただけだ。一之進はそう思ったが口には出さなかった。
焼け残った九郎助稲荷前で斬殺体が発見された。その周りで火事の煙と熱気を吸って息絶えたと思われる門付芸人たちの遺体も見つかった。直ちに町奉行所が動いた。一之進は上役の与力を通じて奉行依田和泉守に、遺体は但州岩渕藩で犯罪を犯し脱藩した葛野源四郎という男であること、斬ったのは但州岩渕藩藩士大仁田新九郎であること、私闘ではなく仇討ちであったこと、そのことは既に奉行所に届けられていることを上申し、葛野とともに見つかった男たちは葛野の手先である狼藉者であると報告を行った。
直ちに大仁田新九郎捜索の命が下り、吉原四郎兵衛会所で鬼黒と名前を変えていた新九郎が引き立てられた。新九郎は詮議に対して届け出にある通りの供述をし、そこに至った過程について説明を行った。それを受けて岩渕藩江戸屋敷に確認が行われたが、藩の記録との齟齬を指摘され詮議は難航した。
そこに火付盗賊改方が横槍を入れてきた。葛野の配下とされる男たちが吉原に火を放ったことの証言があり、鬼黒こと大仁田新九郎もその一味であったことが疑われた。一之進は自分が仇討ちの場で実地に見届けた子細を申し渡して大仁田新九郎は火災とは無関係と主張したが、火付盗賊改方の身柄の引き渡し要求は取り下げられることがなかった。
大仁田新九郎の身柄は奉行所から小伝馬町牢屋敷へと送らた。町奉行所と火付盗賊改方の間で詮議の主導がどちらで行われるべきかと争いが続いた。
早急の解決を望んだ一之進は、両者が審議を重ねる間、葛野の手先となった者が他にいないか探した。もしその者の口を割らせることが出来れば、晴れて新九郎の付け火荷担の疑いは晴れ、仇討ちの詮議のみとなって縺れてしまった糸を解きやすくなるのではないかと考えた。
結局吉原で死んだ者以外に葛野の手下を見付けることはなかった。新九郎はそのまま小伝馬町牢屋敷で過ごすことを余儀なくされた。
事態が急変したのは新九郎が小伝馬町に送られて半月ほどたってからのことだった。急遽下った火付盗賊改方長官の命により、身柄引き渡しの要求が取り下げられた。子細は語られることはなかったが、さる大名筋からの要請があったということだけが伝えられた。
詮議は町奉行所主導に一本化され、最終的には大仁田新九郎は仇敵葛野源四郎を討ち果たし、その結果吉原炎上を謀った兇賊葛野をも成敗したとされ、お構いなしとして放免された、その背後にもまたさる大名筋からの要請があったと噂された。
一之進はその大名筋からの要請という話に、茂十郎の顔を思い浮かべた。実際に茂十郎の働きが裏であったかどうか確かめる術はなかった。しかし一連の詮議で全ての元凶となった金碗一族の秘事についての取り調べが一切行われなかったことに、一之進は茂十郎の力添えがあったであろうことを疑わなかった。
燃え盛る吉原から共に脱したあの日、隠し銀山に本当に埋蔵金は眠っているのだろうかと疑問を漏らした一之進に茂十郎は応えた。
「あるともないとも言えん。むしろあるともないとも言わんのが正しい。今の世に公に扱われる以外の金銀が流れれば、相場はたちまち混乱を極める。そうなれば御公儀の政ばかりではなく、諸国の民草、町の庶民の暮らしそのものが立ち行かなくなる。苦しむ者が多く出る。死ぬ者も多く出る。ならば本当にあるかないかについて詮索するよりも、最初からそんな話は聞かなかったことにして捨て置くのが得策というものよ」
茂十郎は重ねて言った。
「金碗一族の秘事など時の流れに埋もれてしまえばいいのよ。金碗の娘だった女が生き、その女と互いに思い合う一人の男が生きている。それだけで良かろうよ」
一之進も心底そう思った。
一之進はすっかりと痩せ細り、肉の削げてしまった鬼黒の顔をさりげなく眺めた。
吉原が苦界なら小伝馬町牢屋敷はこの世の地獄。中での暮らしは陰惨を極める。名主を頂点に牢内の力関係は囚人の手で厳密に組まれ、その仕組みについては役人も口を挟まない。力のない者は食事も寝床も満足に得られず、収監されている間に詮議の決着を見ずに命を落とす者も数知れない。それでもこの男は辛抱強く耐え、生きて出て来た。一之進にはそのことが嬉しかった。
「綾松はどうしているかな」
ぽつりと一之進が零す。
「仮宅で宜しくやってるさ」
ぽつりと鬼黒が呟く。
郭の妓楼は焼けてしまったが、妓楼主は御公儀のお墨付きが得られれば、郭が再建されるまで民家や商家を借り受けて仮の妓楼を開くことが出来る。あの火事で萬屋も全焼してしまったが、火から逃れることも出来た主の惣右衛門も生き延びた者を集めて深川仲町で仮宅を開いている。
「そうか」
一之進は造りも飾りも元の萬屋とは比べるべくもなく狭く質素になった場所で、凜と背筋を伸ばす花魁の姿を思い浮かべてほんの少し微笑んだ。
「貴様はどうするんだ。新九郎」
急に古い名前で呼びかけた一之進に鬼黒が頭を巡らす。
「どうとは」
「綾松の年季も後数年で終わるのだろう? 一緒に国元に帰らんのか。仇討ちの件、藩に認められたなら再び仕官することも出来るだろうに」
問われた鬼黒は暫く黙り込んでいたが、一之進の呼んだ大仁田新九郎として答える。
「一度改易して他の藩士に分け与えらた俸禄を再度取り上げるような真似は致しかねる。恨みを買い新たな火種を生む事になりかねぬ故。父も要らぬ争い事はすべからず。生きておればそう言いましょう」
鬼黒はゆっくりと立ち上がる。
「それに」
線の細くなった体に纏った黒い長半纏の裾を翻して鬼黒が振り向き一之進を見つめる。
「それにその名はもう捨てたんだ。大仁田新九郎はもういない。いるのはこの俺。ただの鬼黒よ」
鬼黒の顔に笑みが浮かぶ。その笑みに何か吹っ切れたようなものを感じて、一之進はそれ以上言うのを止める。
「では。旦那。これで失礼致しやす」
鬼黒は一人の町人として武士である一之進に丁寧に頭を下げると、ゆっくりとした足取りで立ち去る。一之進が立ち上がり、黒い長半纏の背に問い掛ける。
「そのうち蕎麦でもどうだ」
返事の代わりに鬼黒の口から新内節の一節が流れ出す。
暫く見送った一之進が、やおら踵を返して歩み出す。互いに背を向け合い離れて行く二人の頭上を一羽の鳥が飛ぶ。
鳥は暫く男たちを見下ろすように、空をゆっくりと旋回していたが、やがて何かに導かれるようにして力強く羽ばたくと、西の空へと消えていった。
【主要参考文献】
永井義男『図説吉原事典』朝日文庫、二〇一五年。
三谷一馬『江戸吉原図聚』中公文庫、一九九二年。
佐藤要人・編『三省堂川柳吉原便覧』、三省堂、一九九九年。
湯沢幸吉郎『廓言葉の研究』明治書院、一九六四年。
稲垣史生『時代考証事典』新人物往来社、一九一年。七
稲垣史生『続・時代考証事典』新人物往来社、一九八五年。
横倉辰次『江戸町奉行 江戸時代選書6』雄山閣、二〇〇三年。
笹間良彦『図説江戸町奉行所事典』柏書房、一九九一年。
西山松之助・ほか編『縮刷版 江戸学事典』弘文堂、一九九四年。
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