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テレビ
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一体何が始まるんだろうとわくわくしていたが、画面には『未公開映像』のテロップしか映らない。
「チッ、何だよ、ガセか?」
焦れて苛立った俺の不満の声がスピーカーから流れた。
深夜にテレビを点けると、時代遅れで画像の粗い昔の子供向け番組が流れた。ハガキを送ってくれた子のお宅に訪問、みたいな企画の説明が流れた後、草臥れた着ぐるみを着た誰かが、リフォーム前の俺の家や友達の家の中をうろうろ彷徨っている。
テレビを点けると、長い髪で顔が隠れている女性が弁当箱に蛞蝓を詰めていた。オエッキモッとチャンネルを替えようとすると、椅子を振りかぶって殴りかかるセーラー服の少女は中学生の頃の私だった。
バス停のベンチに、ブラウン管のテレビが置かれていた。
「おいアレ! イソノさんちのテレビだぜ!」
「マジだ、生で見たわ!」
SNSに載せようと近づいた途端、電源が入り、砂嵐の中で自分達の名前が呼ばれ、脱兎の如く逃げ出した。
「チッ、何だよ、ガセか?」
焦れて苛立った俺の不満の声がスピーカーから流れた。
深夜にテレビを点けると、時代遅れで画像の粗い昔の子供向け番組が流れた。ハガキを送ってくれた子のお宅に訪問、みたいな企画の説明が流れた後、草臥れた着ぐるみを着た誰かが、リフォーム前の俺の家や友達の家の中をうろうろ彷徨っている。
テレビを点けると、長い髪で顔が隠れている女性が弁当箱に蛞蝓を詰めていた。オエッキモッとチャンネルを替えようとすると、椅子を振りかぶって殴りかかるセーラー服の少女は中学生の頃の私だった。
バス停のベンチに、ブラウン管のテレビが置かれていた。
「おいアレ! イソノさんちのテレビだぜ!」
「マジだ、生で見たわ!」
SNSに載せようと近づいた途端、電源が入り、砂嵐の中で自分達の名前が呼ばれ、脱兎の如く逃げ出した。
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