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お前は知っているだろう
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ある夜、道のど真ん中に佇んでいたのは、一人の少女。少女は何処かの学校の制服ともいえるような、シンプルなシャツとスカートを身に纏い、地面に刺さった棒のように立っていた。
足はちょうど肩幅くらいに開き内股気味、髪の毛は長く前髪も長かった。表情はうつむいている所為と、垂れた前髪により判らない。そんな不気味な風体なのに、如何してか、素通り出来ない気持ちが芽生える。少女にそっと近づいてみると、俺の足音で気付いたか。少女はゆっくりと顔を上げた。月光に照らされているからなのかもしれないが、青白い顔をした少女は俺の目をじっと眺めた。赤い目玉が小さく揺れている。
「私は待っている」
限りなく独り言に近い言葉が聞こえてきた。
「だけど、帰ってこない」
少女は一つ小さな溜め息を吐き、自分の両手を漆黒の夜空にかざす。暗い空にその手は気持ち悪いくらいに、映える。
「帰ってこない」
少女はまた溜め息を零す。俺は其処から、動けずにいた。少女は突然、夜空に向かって飛び跳ねた。月光にぼうっと照らされた黒い影が小さく上下する。
「何してるんだ?」
少女は何も答えない。
「来ぬアナタを待たねばならぬ」
「いつまでも来ぬアナタを、そうと知りつつ待たねばならぬ」
誰に聞かせるでもない、少女の独演が続く。やっと少女がこちらを見た。
「探してきて」
「……何をだ?」
「今この状況にピッタリなウタを」
アア。俺は駆け出した。家路へ急ぐ。そのメロディは、もう何処のCDショップには販売していないのだ。しかしそのウタは俺の家に確実に存在する。棚の奥の鍵付き小箱の中に、好きだった従姉の骨と共に……。
足はちょうど肩幅くらいに開き内股気味、髪の毛は長く前髪も長かった。表情はうつむいている所為と、垂れた前髪により判らない。そんな不気味な風体なのに、如何してか、素通り出来ない気持ちが芽生える。少女にそっと近づいてみると、俺の足音で気付いたか。少女はゆっくりと顔を上げた。月光に照らされているからなのかもしれないが、青白い顔をした少女は俺の目をじっと眺めた。赤い目玉が小さく揺れている。
「私は待っている」
限りなく独り言に近い言葉が聞こえてきた。
「だけど、帰ってこない」
少女は一つ小さな溜め息を吐き、自分の両手を漆黒の夜空にかざす。暗い空にその手は気持ち悪いくらいに、映える。
「帰ってこない」
少女はまた溜め息を零す。俺は其処から、動けずにいた。少女は突然、夜空に向かって飛び跳ねた。月光にぼうっと照らされた黒い影が小さく上下する。
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少女は何も答えない。
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「いつまでも来ぬアナタを、そうと知りつつ待たねばならぬ」
誰に聞かせるでもない、少女の独演が続く。やっと少女がこちらを見た。
「探してきて」
「……何をだ?」
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