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美術室
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通っていた学校には、妙にリアルな手の彫刻が飾られていた。放課後にそれで遊ぼうぜという話になり、友人が布を被せてマジックだぜとふざけたら、手のデザインが変わっていた。色黒で年老いて痩せた手が、色白のでっぷりとした若い腕に。
「ちょっと君達何してるの」
美術室に不機嫌な副担任が入ってくる。指輪を付けていた方の腕が彫刻にすり替わっていた。
「大した話じゃないんだが、美術室の窓に干してるタオル、一枚だけ妙に真っ赤なんだよ。でもそこで使ってるタオルは全部緑色なんだ」
「明日から美術室の掃除当番回って来るのにそんなこと話し出したお前の方が怖いよ」
美術担当の教師から聞いた話。彼がまだ生徒だった頃、ワンシーズン美術室で水彩画が描けなかったらしい。血が混じるから。
美術室にある、作者不明の抽象画。額縁の裏は真っ黒だ。今まで卒業前に亡くなった生徒の名前が絶えず書き込まれているから。
「ちょっと君達何してるの」
美術室に不機嫌な副担任が入ってくる。指輪を付けていた方の腕が彫刻にすり替わっていた。
「大した話じゃないんだが、美術室の窓に干してるタオル、一枚だけ妙に真っ赤なんだよ。でもそこで使ってるタオルは全部緑色なんだ」
「明日から美術室の掃除当番回って来るのにそんなこと話し出したお前の方が怖いよ」
美術担当の教師から聞いた話。彼がまだ生徒だった頃、ワンシーズン美術室で水彩画が描けなかったらしい。血が混じるから。
美術室にある、作者不明の抽象画。額縁の裏は真っ黒だ。今まで卒業前に亡くなった生徒の名前が絶えず書き込まれているから。
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