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教室
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教師でさえ不気味がって入りたがらない教室がある。床には洗剤を使っても落ちない複数の足跡が全て、板が貼りつけられている窓へと爪先を向けているのだ。
九組の担任が生徒の頭を貪り食っている光景を目撃した。慌てて職員室に向かう途中、どの学年にも九組など存在しない事を思い出した。
学級崩壊した隣のクラス、とうとう誰一人登校しなくなった。掃除に入った教員達は悲鳴を上げた。机の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれた生徒達がいたのだ。
自殺か他殺かはっきりしないが、人が死んだのを理由に閉鎖されている教室が存在する。だというのに毎日一人の教師が授業している。
「しばらくあそこには近づくなよ。そろそろ替え時だ」
「はい?」
合点がいかない後輩に退職寸前の古株は肩を竦めた。
「あの教師を例の教室以外で見た事あるか?」
とにかく独り言の多い同級生だった。ただ近づかなければ聞き取れない声量なので皆我慢していた。刺激して暴れ出されてはたまらない。
「あれ、文章の音読じゃないの」
後ろの席の友人がそう指摘する。気味の悪い同級生は隣のクラスの保護者に椅子で殴られて欠席、その独り言を担任教師が継いで呟いている。
二等生(中等部二年生)は遠足で学園にいないはずなのに、どうして階上の教室が賑やかなのだろうと、階下の三等生(中等部一年生)達が訝し気に話し込んでいる。
九組の担任が生徒の頭を貪り食っている光景を目撃した。慌てて職員室に向かう途中、どの学年にも九組など存在しない事を思い出した。
学級崩壊した隣のクラス、とうとう誰一人登校しなくなった。掃除に入った教員達は悲鳴を上げた。机の中にぎゅうぎゅうに詰め込まれた生徒達がいたのだ。
自殺か他殺かはっきりしないが、人が死んだのを理由に閉鎖されている教室が存在する。だというのに毎日一人の教師が授業している。
「しばらくあそこには近づくなよ。そろそろ替え時だ」
「はい?」
合点がいかない後輩に退職寸前の古株は肩を竦めた。
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とにかく独り言の多い同級生だった。ただ近づかなければ聞き取れない声量なので皆我慢していた。刺激して暴れ出されてはたまらない。
「あれ、文章の音読じゃないの」
後ろの席の友人がそう指摘する。気味の悪い同級生は隣のクラスの保護者に椅子で殴られて欠席、その独り言を担任教師が継いで呟いている。
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