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家の中
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「おばーちゃんバルサン炊いていい?」
「何じゃそれ」
「殺虫剤だよ。何か最近天井からカサコソ音がしてヤな予感すんだよね」
「ええよ」
怖がると思って黙っているのだが、この家は俗にいう事故物件である。天井を徘徊しているのは、当然アレだ。アレに科学の力が通用するかわからないが、それで可愛い初孫が安心するならそれでいいだろう。もともと四つん這いで走る回る様が不気味なくらいで、害はないからだ。
自宅にいると時折ふっと小さな人影が現れ、障子に穴をあけていく事があった。子供の影であったが、子供夫婦とは同居していないし来ている時は現れず、背格好もずっと変化しないそれは孫達が成人するまで続いた。
祖父母の実家は夜に一度冷蔵庫の床から見知らぬ老人が出てきて庭の池に入っていく。池から出てきた形跡はない。老人の外見は毎度違うらしい。
「誰も使ってない部屋はしっかり戸締りするのがじっちゃん家でのルール。なーんか物音がするのよ……」
「古い木材だと劣化して勝手に音がするって、昔テレビの検証でやってたぞ」
「でもじっちゃん達去年引っ越してその家新築なはずなんだよねえ……」
「何じゃそれ」
「殺虫剤だよ。何か最近天井からカサコソ音がしてヤな予感すんだよね」
「ええよ」
怖がると思って黙っているのだが、この家は俗にいう事故物件である。天井を徘徊しているのは、当然アレだ。アレに科学の力が通用するかわからないが、それで可愛い初孫が安心するならそれでいいだろう。もともと四つん這いで走る回る様が不気味なくらいで、害はないからだ。
自宅にいると時折ふっと小さな人影が現れ、障子に穴をあけていく事があった。子供の影であったが、子供夫婦とは同居していないし来ている時は現れず、背格好もずっと変化しないそれは孫達が成人するまで続いた。
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