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下見
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「肝試しに向いてる空き家がある」
友人が言うには倒壊しない程度にボロくて庭は雑草がボウボウなので近所から見え難い。「一応許可とっとかないとな」と笑った友人は数日後、青い顔して「ダメだわ」と首を横に振った。親戚がそういうの厳しくてこってり絞られたのか。自分達も一枚噛んでるし謝りに行こうかと言うと更に首を振られた。
「その前に下見に行ったんだよ。人が住んでた」
「まじ?」
鍵垢で見せてもらった空き家は、住むにしてもそれなりの時間と費用が必要だろう。
「あの写真って撮ったのちょっと前とか?」
「撮ってすぐ投稿したよ……話してて不安になってきたらまた下見付き合ってくんね? 証拠もまだ残ってると思うし」
そこまで疑ってるワケではなかったが、好奇心が疼いて着いていった。着いた先は何の変哲もない一軒家。二階のベランダの洗濯物からして一人暮らしではなさそうだ。家と家の間には細長い道が通っている。
「こっちの生け垣に腕一本なら入りそうな隙間があってさ、ゴムボール置いたんだ」
それもう泥棒の手口だろと軽く引いた時「ちょっと」と声をかけられた。ギョッと顔を上げると、元空き家側の塀から顔を覗かせた三白眼の男と目が合った。
「次はないからね」
ゴムボールを投げ渡され、やや荒く勝手口が閉まった。換気扇からはカレーの匂いが漂ってくる。
友人が言うには倒壊しない程度にボロくて庭は雑草がボウボウなので近所から見え難い。「一応許可とっとかないとな」と笑った友人は数日後、青い顔して「ダメだわ」と首を横に振った。親戚がそういうの厳しくてこってり絞られたのか。自分達も一枚噛んでるし謝りに行こうかと言うと更に首を振られた。
「その前に下見に行ったんだよ。人が住んでた」
「まじ?」
鍵垢で見せてもらった空き家は、住むにしてもそれなりの時間と費用が必要だろう。
「あの写真って撮ったのちょっと前とか?」
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そこまで疑ってるワケではなかったが、好奇心が疼いて着いていった。着いた先は何の変哲もない一軒家。二階のベランダの洗濯物からして一人暮らしではなさそうだ。家と家の間には細長い道が通っている。
「こっちの生け垣に腕一本なら入りそうな隙間があってさ、ゴムボール置いたんだ」
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