幼馴染フォークロード(12/14更新)

狂言巡

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離島の幼馴染

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 煌人の父は死んだ。先祖代々の半農半漁の生活を信条にしていた彼は、観光誘致を推進する本土で観光会社を興したかつての同級生と揉めて、島の市役所の前で焼身自殺を選んだ。果敢にも火を消そうと近付いた職員に飛びかかり、大火傷を負わせて。どうして止めてくれなかったなんて、煌人を責める島民は現れなかったが、以前と変わらぬ交流を続けようとする者もいなかった。
 自分が行きたかった高校も父が薦めた高校も進学する事が叶わなかった煌人は、亡母の弟が営む小規模な水族館(父は観光客が増えると嫌っていた)で働き、職場と家を往復するだけの単調な毎日を過ごしている。仕事が終わると、隣の空き家の縁側に座り、いつ壊れてもおかしくはないラジオで本土のニュースや番組をぼんやりと聞くのが唯一の趣味だ。島の人口は減る一方で、煌人の自宅は空き家に数軒挟まれた立地で騒音問題は起こらない。
 もし幼馴染がいたら、自分の孤独はもう少しは薄れただろうか。姑を看取って離婚が成立した島を出る決意をした母と共に去った彼女と同じ名前のアイドルの歌が終わって、見送りすらしなかった自分に都合の良い妄想を断ち切るようにスイッチを切ったラジオを抱えて、今度こそ自宅に帰った。
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