渚のデリカッセン(5/26更新)

狂言巡

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サンドイッチ

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 喧嘩した翌日は、仁の苦手な激辛料理が出るのが暗黙の了解だった。渚特製の厚焼き卵(キムチ入り)のサンドイッチを一口齧った。口の中に拡がるキムチが、鼻から脳天まで一気にツーンと突き抜けていく。その感覚に目を閉じて耐え抜くと、後から拡がる卵の味が口内を少しずつ和らげてくれる。ほんのり甘くてやっぱり辛いサンドイッチをゆっくり咀嚼していけば、三つの味が混ざってようやく飲み込めた。
 完食する頃、同じくキッチンで朝食を済ませた恋人が杏仁豆腐と共に現れた。
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