色即是空エテルネル

狂言巡

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 膝でスヤスヤ眠る少女の背中や頭を蔓のような多腕で撫でながら、宇宙の彼方からやってきた生命体の三つの目は、全て彼女を見つめており、愛おしげな熱量を注いでいた。常に夜の海面のように冷めている瞳が、この時ばかりはトロリと嬉しそうに温かい色を宿す。
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