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サモサ
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「今日の夕ご飯、何食べたい?」
「酒が飲みたい」
微妙にズレた答えが返ってきた。夕飯もまだだから、お腹に溜まる物も作らなければならない。渚は冷蔵庫の中身を見ながら思案する。豆腐があるから、これは塩水で加熱してから水切りしてサラダに使える。トマトとバジル、他に蒸した鶏むね肉もあるからそれも使って、あとは玉ネギか。主食は――冷凍の白飯があった。それに前に実家から届いた食材の中に、混ぜ込むタイプの鮭わかめがあったから、それでおにぎりにするとして……。
「問題は主菜やなぁ……」
酒のおつまみ用としては、ハムやチーズが少しあるからそれでいい。けれど、それ以外に酒に合いそうな、何か温かい料理が欲しい……。そう考えた時、前に冷凍しておいたある物が頭に浮かんだ。
「……あ、きっとアレ使えら」
「コレ今日は餃子かい?」
指差したのは、三角の形をした揚げ物だった。
「サモサです。初めて作ってみたんやけど、味は悪くないと思わ。まぁ、試しに一つ食べてみなぁよ」
渚に言われるまま、フリーデンスリートベルクは一つを手でつまんで食べてみた。すると、揚げたての熱くてパリパリした皮の下から、フィリングの香りと辛さが彼の鼻を突き抜ける。
「これはカレーじゃないか! ファンタスティック!」
「この前作ったドライカレーの残りを冷凍してあったんよ。それに蒸して潰したジャガ芋を混ぜたやつ、これまた余っちゃーった春巻きの皮で包んで揚げてみた」
コレは日本酒よりビールだと冷蔵庫を開けるフリーデンスリートベルクに、ついで缶チューハイも出してと頼んだ。
「酒が飲みたい」
微妙にズレた答えが返ってきた。夕飯もまだだから、お腹に溜まる物も作らなければならない。渚は冷蔵庫の中身を見ながら思案する。豆腐があるから、これは塩水で加熱してから水切りしてサラダに使える。トマトとバジル、他に蒸した鶏むね肉もあるからそれも使って、あとは玉ネギか。主食は――冷凍の白飯があった。それに前に実家から届いた食材の中に、混ぜ込むタイプの鮭わかめがあったから、それでおにぎりにするとして……。
「問題は主菜やなぁ……」
酒のおつまみ用としては、ハムやチーズが少しあるからそれでいい。けれど、それ以外に酒に合いそうな、何か温かい料理が欲しい……。そう考えた時、前に冷凍しておいたある物が頭に浮かんだ。
「……あ、きっとアレ使えら」
「コレ今日は餃子かい?」
指差したのは、三角の形をした揚げ物だった。
「サモサです。初めて作ってみたんやけど、味は悪くないと思わ。まぁ、試しに一つ食べてみなぁよ」
渚に言われるまま、フリーデンスリートベルクは一つを手でつまんで食べてみた。すると、揚げたての熱くてパリパリした皮の下から、フィリングの香りと辛さが彼の鼻を突き抜ける。
「これはカレーじゃないか! ファンタスティック!」
「この前作ったドライカレーの残りを冷凍してあったんよ。それに蒸して潰したジャガ芋を混ぜたやつ、これまた余っちゃーった春巻きの皮で包んで揚げてみた」
コレは日本酒よりビールだと冷蔵庫を開けるフリーデンスリートベルクに、ついで缶チューハイも出してと頼んだ。
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