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晩ごはん
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真面目な後輩は、ちょっと不器用だ。フォークを使って細い麺を巻き上げて口へ運ぶが、ソースが口の端についてしまっている。
「ついているぞ」
自分の唇の端を指で示すと、後輩は舌を出して自らの唇の端についたそれをなめとった。赤い舌が白い肌の上を一瞬掠める姿はなぜか目についた。それから同じフォークでチキンソテーを取る。ナイフが要らないように、予め小さくカットしてあるそれを一切れ刺して口へ運ぶ。薄桃色の唇が肉を引き入れるために上下に開いて、小さく並んだ白い歯と、その奥の赤い粘膜が覗く。肉を収めて再び閉じられた口の中で咀嚼している音に耳を澄ませた。
「ついているぞ」
自分の唇の端を指で示すと、後輩は舌を出して自らの唇の端についたそれをなめとった。赤い舌が白い肌の上を一瞬掠める姿はなぜか目についた。それから同じフォークでチキンソテーを取る。ナイフが要らないように、予め小さくカットしてあるそれを一切れ刺して口へ運ぶ。薄桃色の唇が肉を引き入れるために上下に開いて、小さく並んだ白い歯と、その奥の赤い粘膜が覗く。肉を収めて再び閉じられた口の中で咀嚼している音に耳を澄ませた。
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