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独り占め2
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黒潮の美しい首には虫刺されとは思えない量の鬱血痕。
「いえ、違うんです」
掠れた声に含まれる情事の気配。察したと同時に、ああもしかしてと思い当たる。やんわりと相手を問うと否定はされず、喧嘩じゃないんですよと笑っていったのを覚えている。相手が自分の事だけを見つめる幸福を知ってしまった色だ。痣を冷やしているタオルは相手が使っている物なのだとウットリしている。
それから数日後。早朝気が向いたので風呂へ足を向け、大浴場の戸を開けるとあっと声がして顔を上げれば噛み傷や鬱血、腰には掴まれた手の痕を残した淡島だった。野犬に襲われたのかと思ったくらいだ。目がばっちりあってしまい、数秒間しっかりと見つめあい、嗚呼と納得。
「まさかこんな早朝に会うとはワタシ夢にも思っておりませんで……」
ため息と一緒に言う後輩に、ここまでくればもうどうにでもなっしまえと思い、自分もそれで悩んでいる事を暴露する事にした。
「いえ、違うんです」
掠れた声に含まれる情事の気配。察したと同時に、ああもしかしてと思い当たる。やんわりと相手を問うと否定はされず、喧嘩じゃないんですよと笑っていったのを覚えている。相手が自分の事だけを見つめる幸福を知ってしまった色だ。痣を冷やしているタオルは相手が使っている物なのだとウットリしている。
それから数日後。早朝気が向いたので風呂へ足を向け、大浴場の戸を開けるとあっと声がして顔を上げれば噛み傷や鬱血、腰には掴まれた手の痕を残した淡島だった。野犬に襲われたのかと思ったくらいだ。目がばっちりあってしまい、数秒間しっかりと見つめあい、嗚呼と納得。
「まさかこんな早朝に会うとはワタシ夢にも思っておりませんで……」
ため息と一緒に言う後輩に、ここまでくればもうどうにでもなっしまえと思い、自分もそれで悩んでいる事を暴露する事にした。
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