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こわいせんぱい
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「淡島先輩まじ怖いっス」
「今度は何だ」
「事故物件で闇鍋したらいつの間にか目玉浮いてて、先輩ってばお玉で灰汁と一緒に引き上げて、平然と隣にあった鶏肉食べてんスよ!?」
「(どこから突っ込んでいいか判らん)」
「後ろから淡島さんの声がしたので振り返ったら全くの別人というかお化けでした。白浜さんその生暖かい目やめて下さい。全身黄土色で目が縦になってる人間なんて存在しますか?! で、実はその時高野さんもいらしたんですが、振り返りもしないで【糞イタイ猿マネしてんじゃねえよ失せろキモドブス】って……お化けですか? 泣きながら仮眠室に消えていきました」
「何でそれを今言った!?」
同時刻に仮眠をとっていたらしい新宮が珍しく大声を出した。
お喋りな淡島先輩がフッと黙ってしまう時、怪異が間近に迫っている証拠だ。だがそんな現象よりも何よりも、ニコッでもニカッでもない、海外の古典文学の意地悪な猫のように、にんまりと笑っている関西系陽キャ先輩が恐ろしい。笑顔は本来威嚇の表情だったときくが……。
「今度は何だ」
「事故物件で闇鍋したらいつの間にか目玉浮いてて、先輩ってばお玉で灰汁と一緒に引き上げて、平然と隣にあった鶏肉食べてんスよ!?」
「(どこから突っ込んでいいか判らん)」
「後ろから淡島さんの声がしたので振り返ったら全くの別人というかお化けでした。白浜さんその生暖かい目やめて下さい。全身黄土色で目が縦になってる人間なんて存在しますか?! で、実はその時高野さんもいらしたんですが、振り返りもしないで【糞イタイ猿マネしてんじゃねえよ失せろキモドブス】って……お化けですか? 泣きながら仮眠室に消えていきました」
「何でそれを今言った!?」
同時刻に仮眠をとっていたらしい新宮が珍しく大声を出した。
お喋りな淡島先輩がフッと黙ってしまう時、怪異が間近に迫っている証拠だ。だがそんな現象よりも何よりも、ニコッでもニカッでもない、海外の古典文学の意地悪な猫のように、にんまりと笑っている関西系陽キャ先輩が恐ろしい。笑顔は本来威嚇の表情だったときくが……。
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