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お題:愛恋好心を使わない恋
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一度目を奪われてしまえば、他のモノなんて目に入らない程に惹き付けられた。そうして都合がつく限り世話を焼きまくり、情報を貪欲に吸収していく。手に入れたかった、初めて会った時から、ずっと。もう遠くから見ているだけで指を咥えるなんて事をしなくてもいいように。でもだからと言って、こうして知り合って言葉を交わすだけじゃ物足りない。「もし」なんて言葉には意味がないんだって、彼女が教えてくれた。もっともっと彼女の事を知って、ぐずぐずに甘やかして溶かして、自分なしでは生きていけないようにしてやるんだ。
一度芽生えたそれは、いくら踏み躙っても消えてはくれなかった。それどころか日が過ぎるたびに、深く根付いて、今でも頭の片隅に居座り続けている。
俺が買った指輪を付けてほしい。
「おまえのぜんぶくれ」
彼女の姿を見るだけで、赤面して腰砕けて、胸の中は煮詰めた蜂蜜のような甘くクツクツとした何かで満ちてしまう。
期待した。雑踏の中を消えていったあいつがひょっこり俺の所に戻ってくるのではないかって。ひたすら、待ち続けた。
視線の先に、君を求める。
黙って、幸せそうに、手を引かれて今日は素直に帰途についた。
激しい悋気に胸中を荒らされながらも、腹の奥底は凍てついている。
欲しくて欲しくて手に入れた物は、すぐに飽きると言われてきたけれど、別段そんな事はなかった。一日中みつめていたい程、麻薬じみた中毒性があり、幸福感以外を頭の外に追いやってしまう。
一度芽生えたそれは、いくら踏み躙っても消えてはくれなかった。それどころか日が過ぎるたびに、深く根付いて、今でも頭の片隅に居座り続けている。
俺が買った指輪を付けてほしい。
「おまえのぜんぶくれ」
彼女の姿を見るだけで、赤面して腰砕けて、胸の中は煮詰めた蜂蜜のような甘くクツクツとした何かで満ちてしまう。
期待した。雑踏の中を消えていったあいつがひょっこり俺の所に戻ってくるのではないかって。ひたすら、待ち続けた。
視線の先に、君を求める。
黙って、幸せそうに、手を引かれて今日は素直に帰途についた。
激しい悋気に胸中を荒らされながらも、腹の奥底は凍てついている。
欲しくて欲しくて手に入れた物は、すぐに飽きると言われてきたけれど、別段そんな事はなかった。一日中みつめていたい程、麻薬じみた中毒性があり、幸福感以外を頭の外に追いやってしまう。
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