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金
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昔、先生には外面はいいが、同級生や下級生には金をたかってくる卑怯なヤツがいた。仮名は金麦とする。金額は決まってワンコイン。たかが小銭、されど小銭。貯まれば月一の小遣いに届く。似非成金と陰口を叩かれていた。数年後、実家を離れて都心で働きだした時、奇妙な噂を聞いた。夕方、古びた学生服を着た子供が小銭を一枚押し付けてくる。断ればあっかんべーして走り去り、受け取れば丁寧にお辞儀してその場で消えるという。特徴を聞くと、当時の金麦の顔が思い浮かんだ。
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